動画だって販売できる!
Adobe Stock「動画素材」の作り方
人気クリエイター「喫茶トラノコク」に制作のヒントも聞いちゃいました!
SNSで目を引くコンテンツが静止画から動画にシフト。ネット配信で動画コンテンツを楽しむ機会が以前より多くなりました。この動きはAdobe Stockでも同様で、特に動画素材の注目度が上昇中! そこで今回は、SNSで人気の「空想喫茶トラノコク」さんに、動画制作のヒントを教えてもらいました。ストックビデオへの投稿を前提とした撮り下ろし動画も公開!
Adobe Stockに
動画を投稿できるって
知っていますか?
Adobe Stock とは、広告、CMなどのクリエイティブ・プロジェクトや、各種メディアのコンテンツに利用できる高品質な素材、数千万点を厳選して提供するストックフォトサービスです。Adobe Stockといえば写真を連想されるかもしれませんが、実は動画もウェルカム! いまはまだクライアントが望む個性的な動画素材の絶対数が少ないので、投稿した素材が選ばれて売れるチャンス!
誰もが動画を販売できるプラットフォーム、Adobe Stockであなたも動画を販売してみませんか? 写真投稿と同様に肖像権などへの配慮は必要ですが、スマホで日常のワンシーンを切りとった動画でもOKです。
- 動画の長さは10〜15秒程度でもOK
- 音声、効果音などは不要、無音でOK
- ヨコだけでなくタテ位置動画もOK
- スマホ撮影の動画でも販売OK
デジタル一眼で撮影した高精細な動画であれば、なおよし! 動画を探している人のニーズを満たす動画であれば、販売のチャンスが生まれます。世界的なクリエイティブに、あなたの動画が使われるかもしれませんよ。
Adobe Stock 吉本さんのワンポイント・アドバイス
動画素材は写真素材よりも点数が少ないので、いまがねらい目です。10秒前後のショート動画でもいいので、ぜひ気軽にAdobe Stockに投稿してみてください。
空想喫茶トラノコクさんに
聞いてみた!
動画制作のヒント
SNSにアップする写真や動画を通じて癒やし&懐かしの世界観を表現しているユニット「空想喫茶トラノコク」のKonさんに、動画撮影の楽しさや撮影のヒントをうかがいました。
空想喫茶トラノコク / toranocoku Kon
「こんな居場所があったらいいな」という会話から生まれた、SNS上で営業中の空想の喫茶店。Konさんを含む4人の「店員」がレシピの考案、調理、撮影を手がけ、TwitterやYouTubeなどで喫茶店の世界観を発信している。著書に『空想喫茶トラノコクのおうち喫茶レシピ』(ワニブックス) 、『おうちで楽しむお菓子の本 料理の本棚』(エムディエヌコーポレーション)がある。
Twitter @toranocoku
Instagram @toranocoku
Youtube 空想喫茶トラノコク
Web https://toranocoku.studio.site
どんなふうに動画制作に取り組んでいるの?
空想喫茶トラノコク:
動画と写真撮影の比率は、まだ写真のほうが多いですね。メンバーが作る料理や飲み物を作る過程を撮るなら、動画が適しています。
パンケーキを焼くときに生地がふくらんでプツプツと気泡が出てきたり、裏返して焼くとふっくらと膨らみはじめたり、仕上げのハチミツを垂らしていくとか。そんなシーンをじっと見ているのが子どものころから好きでした。自分が「いいな!」と感じる動きがある場面をよく動画撮影しています。
世界観を表現するために、どんなカメラで撮っているの?
空想喫茶トラノコク:
撮影に使うカメラは、EOS RP とEOS R6です。特にEOS R6は、写真撮影の主力でもあり、性能も写りも満足していて、とても気に入っているカメラです。
今回ストックビデオのために撮り下ろした動画は、窓ガラス越しに夕方の斜光線が入ってきていて、やや暗めの雰囲気で撮りました。自然光のかなり薄暗いシーンでも、暗所までつぶれることなくしっかり描写できました。
気楽に4K 60pのクオリティーで撮れるので、スロー的な表現にも強いのも気に入っているポイントです。表現の幅が広がって、いますごく楽しみながら撮影できています。
純喫茶めぐりなどのロケでは手持ち撮影です。EOS R6なら手ブレ補正もかなり効くので、ロケでも脇を締めて撮るだけで、かなり見やすい動画を撮ることができます。料理の撮影は、三脚を立ててしっかりカメラを固定させ、カメラブレを防ぎます。
Adobe Stock 吉本さんのワンポイント・アドバイス
俯瞰、正面、反対方向からのショット、寄り、引き、ズームイン、ズームアウト、タイムラプスなど、動画の撮り方には多彩なバリエーションがあります。撮り方は自由だと思うのです。カメラを固定して撮るだけではなく、アングルのバリエーションや手持ちカメラの動きを出すなど、写真にはできない変化に富んだ動画撮影にぜひチャレンジしていただきたいですね。
撮影した動画は、どんなふうに展開しているの?
空想喫茶トラノコク:
写真は、空想喫茶トラノコクの活動を始めてからの表現方法として大切にしていますが、僕らの大好きな純喫茶めぐりでは、動画で撮ることが多いです。その場の音や会話も含めた動画をYouTubeに上げています。
YouTubeの場合、収録中にメンバーがしゃべったり、ちらっと顔を出したりしていると、各人へのコメントがいただけたりするのが新鮮です。写真より動画のほうが、親しみを感じてもらいやすいのかもしれません。
YouTube以外にも動画を発表する場があるといいなと思っていて、以前から写真を投稿していたAdobe Stockに投稿してみることにしました。動画を素材として購入してもらえるなら、ぜひチャレンジしてみたかったです。
動画初心者必見!
動画撮影4つのヒント
僕たちが動画を撮るときのポイントをお伝えしましょう。この4つのヒントを意識すると、身の回りの何でもないものが、すてきな動画になるかもしれませんよ。
空想喫茶トラノコクが提案!
動画撮影4つのヒント
1. 動きの一瞬を切りとってみよう
空想喫茶トラノコク:
撮りたいものが印象的に見えるシーンは、見る人にも魅力が伝わりやすいと思います。パンケーキを焼く前、布巾にフライパンを乗せてジュッと冷ましたりします。湯気がフワッと立ちのぼって、これから焼き上がるパンケーキへの期待が高まるシーンです。ぜひ動画で撮っておきたいですね。
いつまでも見ていたい、何度見ても飽きない動きを見つけたら、カメラで追ってみるといいでしょう。たとえば、焼き上がり重ねたアツアツのパンケーキにバターを乗せて、ハチミツを垂らしていくシーン。写真でいえば「映える」、気分が高揚するシーンです。このハチミツがゆっくりと垂れていく動きは、動画で表現したいですね。
Adobe Stock 吉本さんのワンポイント・アドバイス
いろんな視点で撮るテーマを決めてみましょう。たとえば、「おいしそうなパンケーキ」だけではなく、その調理工程を描いた素材も探しているかもしれません。また、 「料理撮影しているクリエイター」自身に目を向けるのもよいでしょう。撮影に臨むクリエイターの姿を捉えた作品は、実はあまりなかったりします。一回の準備でできるだけ多くのテーマで撮影できる工夫をすると、効率よくたくさんの作品を制作することができます。
2. 音が聞こえてきそうな動画にしてみよう
空想喫茶トラノコク:
スパゲッティ・ナポリタンは「懐かしさ」の代名詞。僕の場合、喫茶店の食べ物といえばナポリタンです。カウンターの席に座ってマスターがフライパンを揺らして炒めていくのを眺める幸せ……。炒めるときのジューっという音がたまらないですね。
こうした音を想起させるものを撮っていくと、料理の香りまで伝えられる動画になるような気がします。ゆで卵をボイルするときの音、ヤカンでお湯をわかしてピーと鳴る音もいいですね。映像とリンクしている魅力的な音を探して、動画で表現してみましょう。
Adobe Stock 吉本さんのワンポイント・アドバイス
動画編集時に音楽をかぶせたりすることが一般的なので、Adobe Stockで販売するビデオ素材にサウンドは不要です。音がない分、昔のサイレント映画みたいに映像だけでいろんな感覚を伝えることはできそうですね。静けさを表現することで、逆に音を感じさせる表現もいいと思います。
3. 人の気配を入れ込んでみよう
空想喫茶トラノコク:
その場の雰囲気や空気感を大切にしている僕らの世界観から考えると、動画にはあまり顔が出過ぎない出すぎないほうがいいと思っています。そのへんは慎重に考えています。伝えたいのはトラノコクらしい癒やしの世界なので。
でも、写真と違って動画は、画面の中に人の気配を感じさせる特徴があるので、ほどよく生かしたいですね。調理している人のエプロンだけ画面に入っている、手元の作業だけにフォーカスして撮るなど、控えめに人の気配を感じさせるぐらいがちょうどいいのかも。動画にそんな「空気感」を残しておくほうが、見てくれる人が「自分ゴト」に落とし込みやすいのではないでしょうか。
Adobe Stock 吉本さんのワンポイント・アドバイス
実際に人物が写ってなくても人のいる気配が空間のなかにあると、見ている人の想像も一段と膨らみます。また、合成して使う素材として利用しやすいよう、文字やデザイン要素を組み合わせることのできる余白があると、さらに使用範囲が広がるでしょう。
ちょっと懐かしい雰囲気や空気感を演出したトラノコクさんらしい動画は、企業のコンセプトビデオやCMなどに1〜2秒インサートされる動画として合いそうな気がします。色数を抑えた動画なので、いろんな用途にマッチしそうです。
4. スマホのタテ動画でも撮ってみよう


空想喫茶トラノコク:
最近の昭和レトロブームの影響か、メロンソーダがビジュアル・イメージとして使われているポスターなどを見かけます。話題性のあるモチーフは、動画素材でも需要があるはずです。
この動画は、スマホで撮影しました。グラスはタテに長いので、タテ動画にぴったり。僕らもよくドリンクを作るところをスマホで撮影し、そのままSNSにアップしています。その場の自然光だけで撮っただけなのですが、メロンソーダの発色や、シュワシュワした泡もいい感じで撮れました。
Adobe Stock 吉本さんのワンポイント・アドバイス
「ストックビデオ」に投稿する動画は、最近のスマホであれば十分なクオリティがあると思います。また、TwitterとかYouTubeにアップする前の、未完成の素材でも大丈夫です。動画を購入した人が用途に合わせて調整・加工することがほとんどなので、タイトにエディットしなくてもOKですよ。ぜひ投稿をお待ちしています。
まとめ
写真でもそうですが、動画でも見せたい被写体にしっかり迫って撮ることが大切だと感じます。できれば背景がぼけるぐらい被写体に寄る。そうすることで、自然にメインの被写体が魅力的に感じられる動画になるはずです。これから僕たちもAdobe Stockに動画をたくさん上げてみたいと思います。皆さんの動画も見せてもらって、お互いにいい刺激を与えたり、もらえたりできたらうれしいですね。