写真の投稿・販売の手順を、
Adobe Stockを例に完全ガイド!
始めてみよう!「ストックフォト」
T.M
キヤノンイメージゲートウェイ編集部
いい写真に、プロとアマチュアの境界線はありません。写真そのものの魅力がすべて。世界中の人々に向けて作品を発表し、いい写真なら販売への道も開かれています。思い切って新しいことにチャレンジしてみませんか? 「ストックフォト」への作品提供が、そのきっかけになるかもしれませんよ!
ストックフォトとは?
ストックフォトとは、写真やイラストなどの画像素材のこと。ストックフォトを提供するサービスのことも意味しています。画像を探して使用料を支払えば、さまざまな用途に活用できます。
例えば、広告や記事などに使える写真を載せたい、フォトグラファーに撮影を依頼する余裕がない……。そんなとき、ストックフォトで必要なイメージを検索すれば、制作物のクオリティを高める画像がすぐに手に入ります。お仕事で利用されている人も多いはず。
ストックフォトを利用する人が必要とする高品位な画像でれば、プロやアマチュアの垣根はありません。誰にでも、投稿した写真を購入してもらえる可能性があります。趣味の写真で報酬が得られるかもしれない! だったら、トライしてみたいですよね。
せっかく始めるなら、
写真との縁が深い
ストックフォトサービスで!
ストックフォトのサービスは数多くありますが、世界中の写真家と写真愛好家に支持されているサービスを利用してみたいですよね。世界中の写真家と接点があるストックフォトとして注目したいのは「Adobe Stock(アドビストック)」。
Adobe Stockとは、「Photoshop」や「Lightroom」といった画像編集ソフトで知られるアドビが提供する最大級のストックフォトサービスです。
Adobe Stockの素材は、世界中の広告や出版物、教科書、教材やテレビ番組など、さまざまな用途で活用されるため、常に新鮮な素材を求めているのだとか。アップされている素材数は1億点以上!
「アドビは知っているけど、レベル高くない?」と思われる方が多そうですね。でも、大丈夫。アマチュア作品でもウェルカム! 優れた写真であれば、プロのアマチュアの別なく採用される可能性があるということ。いい意味で、素材の魅力がすべてなのです。投稿した写真が購入されれば、報酬が得られます。もちろん投稿は無料。
Adobe Stockに写真などの作品を提供する人のことを「コントリビューター(投稿者)」と呼ぶそうです。コントリビューターとして写真を投稿することで、ワクワクするようなメリットが!
- 世界中の人々に向けて作品を
発表できる! - 作品を投稿するクリエイティブ
集団の一員になれる! - 趣味の写真から報酬が得られる
写真へのシフトチェンジ!
趣味の写真の領域から大きく踏み出し、世界中のユーザーに向けて写真を発表するステージに立つチャンスですね。優れた新作を発表することで、人気作家に肩を並べることも夢ではないのかも……。不特定多数の人に見てもらうことで、写真技術の上達も加速しそうですね。撮る、投稿する、反響がある……そんなサイクルで、モチベーションがぐんぐんアップしそうです。
アドビの担当者に
聞きました! その1
Adobe Stockに登録されている写真や動画などのコンテンツは、ウェブデザイナー、広告、出版、映画関係者など、世界中の顧客に利用されています。アドビではこうした顧客の要望に応えるために、これまでのストックフォトのスタイルを一新する、オリジナリティのある、メッセージ性の高い、他のストックサイトにはないコンテンツを常に求めています。なかでも写真は、Adobe Stockのニーズのあるアセットとして、コンテンツ開拓に力を注いでいます。
では、具体的にどのような写真が必要とされているのか。常にニーズの高い写真ジャンルをご紹介しましょう。写真投稿の参考にしてください。
Adobe Stockで人気の
写真ジャンルは?




日本や世界の美しい自然景観を写し出した写真、現代的なライフスタイルのワンシーンやモデル写真、誰もが「おいしそう!」と感じるフード写真、スピードや強さ、躍動感を伝えるスポーツ写真などが、常にニーズの高い写真ジャンルです。
比較的多くの投稿があるジャンルですので、顧客が購入したくなる際立った写真であることが望まれます。誰も見たことがない新鮮なイメージ、エモーションをかき立てるイメージ、最新のトレンドを反映したイメージであれば、購入されるチャンスは間違いなく増えるでしょう。
まずはベーシックな写真から始めて、少しずつクオリティの高い写真を数多く投稿していただきたいですね。
販売の手順
Adobe Stockで写真を販売するための手順は、4ステップ。実際にやってみました。
- ※ すでにPhotoshopやLightroomなどのAdobe製品をお使いの方は、Adobe IDをお持ちですので、最初のステップ①は不要です。
- ① 「Adobe Stockクリエイター」に会員登録(Adobe IDの取得)
- ② 販売したいデジタル素材(写真)をアップロード
- ③ Adobe Stockによる
素材チェック(審査) - ④ 販売スタート
会員登録から販売まですべてのやり取りはネット上で完結するそうです。簡単!
登録の流れ
まずは会員登録から。聞き慣れない言葉がありましたが、順番に手続きを進めれば大丈夫でした。
① 「Adobe Stockコントリビューターポータル」にアクセス
「今すぐ始める」をクリックします。すでにAdobe IDを持っている場合はログインします。
② 新規登録フォームに記入
姓名(フリガナ)、メールアドレス、パスワード、国・地域、生年月日を記入します。
③ 「Adobe IDを取得」をクリック
登録したメールアドレスに「アカウント認証用URL」が送られてきます。このURLをクリックすると、メールの認証が確認されて、登録完了です。
さあ、これであなたもAdobe Stockのコントリビューターとして、写真のアップロードができるようになりました。自信作をどんどん投稿しましょう!
投稿の流れ
Adobe Stockコントリビューターポータル(トップページ)にアクセスし、取得したAdobe IDでログインします。
次にヘッダーにある「アップロード」をクリックして、販売する写真をドラッグ&ドロップします。これだけです。
「参照」をクリックして写真を探し、選択する方法もあります。
まずは写真の詳細情報を記入します。
撮影場所、カテゴリ、タイトル、検索キーワードなどの詳細情報の記入が終わると、「承認を申請」がクリックできるようになります。(キーワードはAIが自動で付けてくれるのでラクです)。
「承認を申請」をクリックして、写真を提出。Adobe Stockの専門的なスキルを持つキュレーターによる審査をパスした写真が公開されます(審査期間は約1週間)。
写真が購入されると……?
販売した写真が売れると、コントリビューターにロイヤリティ(報酬)が支払われます。その額は、原則的に顧客(写真を買ってくれた人)が支払った金額の「33%」です(顧客のライセンス方法によってロイヤリティ金額は変動します)。
販売による報酬を受け取るには、一度は収益が25ドルに達することが条件です。写真1枚で1ドル(約100円)の収益を上げたとしても、最初の請求まで25点ほど販売する必要があります。利用価値の高い写真を数多くアップロードして25ドルの収益をクリアしましょう。
数点アップロードするだけでは顧客の目に留まる確率が少ないので、まずは100点を目標に、バリエーション豊富な作品をたくさんアップロードしてみるとよいでしょう。写真を趣味で終わらせない努力目標にもなるはずです。
報酬の受け取り方法は PayPal または Skrill が選択可能です。
販売状況確認画面
利用可能な残高は、Adobe Stockコントリビューターポータルの右上隅にあるボタン(上図の赤枠で囲っている部分)をクリックすると確認できます。
アドビの担当者に
聞きました! その2
採用される「審査の基準」とは?
Adobe Stockで写真を販売するには、「顧客から選ばれるクオリティの高い写真」であることが必要です。審査の基準は多岐にわたりますが、押さえておきたいポイントは次の5つです。
① 基礎的な技術を満たしていること
手ブレ、カメラブレがある、露出がオーバーもしくはアンダーすぎる、画像が粗い、水平が傾いている……など、基本的なラインはクリアしましょう。レタッチも含めたテクニカル(技術要素)を満たしている必要があります。また、過剰な編集加工は控えて、できるだけRAW画像(撮影したままの状態)に近いものを提出するとよいでしょう。
② 他者の権利を侵害していないこと
人物の写真や、キャラクター、一部の建造物など、権利関係がクリアされていない写真は、審査を通りません。また、私有地や商業施設の敷地内での撮影は、その可否を確認した上で投稿します。
③ 顧客から求められている素材であること
花、ペット、夕焼け、観光名所などの写真は、Adobe Stockですでに数多く発表されています。その中で際立つ魅力のある、価値ある写真であることが重要です。時事的なトピックを反映した写真もよく利用されます。
④ タイトルやキーワードが適切であること
Adobe Stockの利用者が検索したとき、きちんとヒットするタイトル付けやキーワードの設定が行われているかどうかです。必要な写真をすぐに見つけ出してもらえるように工夫しましょう。
⑤ 使いやすく有益なイメージであること
例えば、写真に文字を載せる空白があるなど、利用者の用途やニーズを考慮した作品であることも、採用されやすさにつながります。
心を揺さぶられる美しさ、ユニークな被写体、作者の個性あふれるイメージなどの特徴ある写真は採用されやすく、購入につながります。よりよい作品を目指していきましょう。
初めての写真のライセンス販売へのチャレンジ。いかがでしたか? 実際に販売につながるまでには時間がかかるかもしれませんが、最初は自分の作品のAdobe Stockポートフォリオを充実させることに専念しましょう。
最初の一枚が売れたときの喜びは何にも替えがたいもの。Adobe Stockで写真を探している世界中のユーザーに向けて、あなたもAdobe Stockに価値ある写真を提供してみませんか?