T.M
キヤノンイメージゲートウェイ編集部
自ら小型飛行機の操縦をこなす飛行機写真の第一人者・チャーリィ古庄さん。EOS 90Dによる撮り下ろし作品と撮影テクニックをうかがいました。
EOS 90D・EF11-24mm F4L USM・F8・1/2500秒・ISO500
旅客機撮影の場合、連続撮影は秒間3~5コマ程度あれば十分。「ここぞ」というタイミングでは秒間10コマが必要なシーンも。このときもそうでした。
ギリシャのスキアトス空港。ここは滑走路端に一般道が通っていて、着陸機の風圧を強く感じるほど飛行機に近い場所。
ここで広角レンズを使用して頭上を通過する機体を連写でねらいますが、機体までの距離が近いため秒間10コマでも絵的にドンピシャになるのはこの1枚のみでした。これが秒間3~5コマしかないカメラだとベストショットを逃してしまうはず。
満月に飛び込む旅客機などを撮るときも秒間10コマあれば「当たり」の絵を撮れる確率がグっと上がるはず!
EOS 90D・EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM・F7.1・1/2700秒・ISO800
離着陸する機体を上空からねらいました。機体は時速200km以上で足元を通過していきます。
こちらも高速で飛んでいて、そもそも撮影機(ヘリコプター)にはドアがないので風も強く入り込み、機体をファインダー内にとらえるだけでもたいへん!
シャッター速度は、手ブレを防ぐために1/2700秒に設定。海や芝生、滑走路など背景がころころ変化しますが、それにもかかわらずEOS 90Dの動態予測はしっかりと機体を追従。
背景の色味がかなり変化しても、過度に機体の露出を変えることなく測光してくれました。
EOS 90D・EF300mm F2.8L IS II USM・F8・1/60秒・ISO10000
「夕景や夜の飛行機撮影をしてみたい」という声をEOS学園の教室でもよく聞きます。夜は明るいレンズが必需品。ISO感度を上げてもノイズが出にくいカメラが必要です。
「APS-Cサイズのカメラはフルサイズに比べて高感度が強くない」というのがこれまでの定説。しかしEOS 90Dは進化した映像エンジン「DIGIC8」のおかげか、ISO感度を上げてもノイズが出にくくなりました。
このカットはISO10000での撮影ですが、A3ノビにプリントしてもまったくノイズを感じさせない仕上がり。ISO12800までは十分に使え、状況によってはISO25600でもノイズが気にならないことも。
使用レンズは現行型のEF300mm F2.8L IS II USM。夜間撮影に威力を発揮してくれる一本です。
EOS 90D・EF300mm F2.8L IS II USM・EXTENDER EF2×III・F8・1/1000秒・ISO800
日没が近い成田空港。着陸してくる機体をねらいました。APS-Cサイズのおかげもあり、35mm換算で焦点距離960mm相当の超望遠で撮影。ファインダーに向かって飛行機が迫り、機体が風を受けて方向を修正している様子などがレンズを通して伝わってきます。
飛行機撮影のポイントは、空港周辺でいかにその日のベストな場所を見つけられるか。この日はオレンジ色に染まる雲とボディへの反射、そして真正面からねらえるロケーションを選びました。
シャッター速度は手ブレ防止のため1/1000秒に設定。ピントの合従を確認してシャッターボタンを押すと、大きくプリントして見たくなる迫力カットを撮ることができました。
「EOS 90Dのこと、プロフェッショナルに聞きたい!」。そんな皆さんからの「質問」に写真家が回答するコーナーです。最初の質問、どうぞ!
ぶんさん
EOS 90D は3250万画素ありますが、トリミングはどのくらいの大きさに耐えられるのでしょうか?
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チャーリィ古庄先生
トリミングは基本的におすすめしませんが、
トリミングにも耐えられる高画素カメラです。
チャーリィ先生の回答:
せっかく3250万画素あり細かい描写ができるため、トリミングはもったいなくおすすめしません。でも感覚的には、二回りぐらい切り取っても問題なし。逆に画素数が上がったことで、アップで部分を拡大するとブレが目立つので、一枚一枚の真剣さ、重みが増していると感じています。
BS9さん
EOS 90D と EOS 7D Mark IIと比較して感じられることは何ですか? 高感度撮影時の画質はどうですか?
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チャーリィ古庄先生
常用25600の余裕。高感度撮影に強みのあるEOS 90D。
チャーリィ先生の回答:
ISO感度12800でA3ノビがプリント可能なほど高感度に強いと感じました。SNSにアップするレベルならISO25600でも問題なし。
正直、EOS 7D Mark II はISO6400でも厳しい状況も多々ありました。
けいたろさん
僕も飛行機を撮るのが好きなのですが、EOS 90Dが飛行機撮影に使える! と思うポイントはどんなところですか?
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チャーリィ古庄先生
撮影機材をコンパクトにできるのもAPS-Cサイズのメリット。
チャーリィ先生の回答:
EOS 90DはAPS-Cサイズということで、望遠に強いこと。さらに、これまでのカメラよりも夕景に強いのが特徴でしょう。
昨今、飛行機の機内持ち込みの重量やサイズが厳しくなっているため、超望遠レンズを何本も持って行くのはたいへんです。しかし、APS-Cサイズなら1.6倍の焦点距離になるので助かります。
望遠レンズを多用する飛行機写真の撮影では、やはりAPS-Cサイズのカメラは便利。とくに気温が下がる季節は大気もクリアになるシーズン。超望遠レンズを使用しても陽炎(飛行機撮影の大敵)が出にくいため、EOS 90Dに超望遠レンズを付ければ迫力あるヒコーキ写真が撮れるでしょう。
これまでAPS-C機の弱点であった高感度性能も向上。夕景夜景で超望遠レンズを使用することもできるので、ぜひこのカメラでパワフルな機体を表現した迫力カットをねらってほしい。
EVF(液晶ビューファインダー)と違い、光学ファインダーで被写体を見てもタイムラグがないのがデジタル一眼レフカメラの魅力でもあるので、ミラーレス機とEOS 90Dを使い分ければ写真のバリエーションも広がるでしょう。