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海辺の夕景の表現

川合麻紀(写真家・EOS学園講師) プロフィール

写真家・川合麻紀先生

みなさんこんにちは! 写真家・川合麻紀です。「センスアップ! 写真のキメ手は表現力」は、いまが旬のモチーフを題材に、表現力アップを目指していくレッスンページです。今回は写真の魅力を高めてくれる「色彩」について取り上げてみましょう。不思議なほど青く見える水の表現と、日没前後が魅力的な「海辺の風景」の表現についてお話します。

写真家・川合麻紀先生

川合麻紀

彩り写真家。さまざまな被写体を独特の色彩感覚で切りとる。女性限定写真教室Atelier Kawaiiphoto主宰。EOS学園、クラブツーリズム、TVなどでの講師実績、展示会での発表多数。書籍「露出を身につければ写真が変わる! 光と色の撮り方教室(朝日新聞出版)」など。公益社団法人日本写真家協会、公益社団法人日本写真協会会員。

旅の「思い出感」を表現する時間帯とは?

マジックアワーに撮影した夕暮れ

EOS Kiss X7i・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:38mm ※フルサイズ換算)・絞り優先AE(F8・1/90秒)・ISO800・WBオート・ピクチャースタイル:オート

夕方の写真というと夕焼け、そして沈みゆく太陽のイメージを撮りたくなるものですが、日が沈んでからの「マジックアワー」がじつは勝負の時間。マジックアワーとは、日の出前や日の入り後の空が真っ暗でない時間帯のこと。じっと待って撮影してみましょう。

この写真は、旅先で出会った風景です。びっくりするほどピンクに焼けました。構図をつくるときには、いいなと思った部分の面積を多くするのがコツです。せっかくの美しい空なので、広い画角で空の面積を多く入れてみました。

一緒にいた仕事仲間の背中や手すりのカーブを入れることで、スケール感を出すのと同時に、「思い出」というイメージの強い写真にしてみました。そのときシルエットが海面の部分に入るように少し高い位置から撮影しています。

こんなふうにも撮ってみよう

夕景のバリエーション

夕景の海辺での時間を楽しむ人物のイメージを表現!

夕景の海辺と釣り人のシルエット

EOS Kiss X7i・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:131mm ※フルサイズ換算)・絞り優先AE(F8・1/500秒)・ISO200・WBオート・ピクチャースタイル:オート

仕事先からホテルへの帰り道、なんとなく焼けそうな空だったので、あわてて海辺へ向かいました。太陽が沈みゆく海辺で、いろいろな人が楽しんでいる状況に注目して、釣り人のシルエットを借りてみました。太陽を主役にする写真を撮ろうとすると、雲があったり、まぶしすぎたりして撮るものがなくなってしまいます。太陽は脇役にして撮影してみると、すてきなシーンが見えてくる可能性があります。

日没直前、夕日に輝く雲の表情をねらった

日没直前の太陽、海と空

EOS Kiss X7i・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:168mm ※フルサイズ換算)・絞り優先AE(F8・1/250秒)・ISO400・WBオート・ピクチャースタイル:オート

日没直前の太陽、海と空で構成。いわゆる風景としてのカットです。このとき持っていたレンズはEF24-105mm F4L IS USMのみでしたので、目一杯の望遠側で撮りました。太陽を画面に大きく撮ろうとすると、かなりの望遠レンズが必要になります。夕日に照らされた雲の表情がよかったので、その面積を多くした構図にしました。

これらの夕景写真を撮影したあと、日没後のマジックアワーを待って、空の色の変化をみて撮影したのが1枚目の作品なのです。

こんな表現にもトライ!

さらなるセンスアップを目指して

夕景にたたずむ人々を入れて、くつろぎのひとときを表現

トワイライトの時間

EOS Kiss Digital X・EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM(焦点距離:27mm ※フルサイズ換算)・絞り優先AE(F8・8秒)・-1補正・ISO100・WBオート・ピクチャースタイル:風景

夕焼けが薄くなって、青い色が増えてからの薄暮(トワイライト)の時間は、昼と夜の合間の心地よい雰囲気が写真になります。空の色が残り、なおかつイルミネーションが目立ち始める時間はほんの数分。撮り逃さないように、あらかじめ構図を作って待っているといいでしょう。初めての人なら5分おきくらいにシャッターを切ってみると、空の表情の変化がわかると思います。

風景だけでなく、夕暮れの港町の風景を眺めながら人々がくつろぐ様子を構図に取り込んでみました。これじつは、ちょっと古い写真。現在とは少し違う風景かもしれません。

空色と流れる光跡で表現した、ゆったりと流れる時間

スローシャッターで屋形船を撮影

EOS 5D Mark II・EF70-200mm F4L IS USM・絞り優先AE(F22・8秒)・-1補正・ISO200・WB太陽光・ピクチャースタイル:風景

日没直後のマジックアワーのいいところは、空の色がまだ明るさの残るブルーなので、水の色も同じブルーで表現できるところ。画面が真っ黒にならないのです。

この写真では、8秒のスローシャッターで屋形船の光跡を長くしてみました。海辺のカップルは少しブレましたが、ゆったりした時の流れを表現するなら、それも雰囲気としていいかなぁと思います。いかがでしょうか?

ポイントまとめ

  • 日没直後の時間帯「マジックアワー」が魅力的
  • 日の出、日の入りの方向や時間を調べて撮影に臨む
  • 空の色が水面に反映して美しいシーンになるのを待つ

マジックアワーには微妙な色彩の空色になるので、すてきな色彩の写真ができます。夕方撮るのであれば、日の入りの時間を調べ、日が完全に沈んでからが勝負になります。太陽のあるうちからその場所でロケハンしておくと、スムーズに撮影できるでしょう。オレンジやピンクの時間なら太陽が沈んでから比較的すぐ、薄暮の時間なら日の入り15分後くらいからが目安です。風景もいいですし、スナップやポートレート撮影にもおすすめの時間帯ですよ。

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ありがとうございました。

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