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ブルーリバーの表現

川合麻紀(写真家・EOS学園講師) プロフィール

写真家・川合麻紀先生

みなさんこんにちは! 写真家・川合麻紀です。「センスアップ! 写真のキメ手は表現力」は、いまが旬のモチーフを題材に、表現力アップを目指していくレッスンページです。今回は写真の魅力を高めてくれる「色彩」について取り上げてみましょう。不思議なほど青く見える水の表現と、日没前後が魅力的な「海辺の風景」の表現についてお話します。

写真家・川合麻紀先生

川合麻紀

彩り写真家。さまざまな被写体を独特の色彩感覚で切りとる。女性限定写真教室Atelier Kawaiiphoto主宰。EOS学園、クラブツーリズム、TVなどでの講師実績、展示会での発表多数。書籍「露出を身につければ写真が変わる! 光と色の撮り方教室(朝日新聞出版)」など。公益社団法人日本写真家協会、公益社団法人日本写真協会会員。

神秘的なブルーを表現するには?

美瑛町の「ブルーリバー」

EOS 5D Mark III・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:105mm)・絞り優先AE(F8・1秒)・ISO800・WB太陽光・ピクチャースタイル:風景

肉眼でブルーに見える水の景色は各地にあります。南国の海の風景であれば、晴天の日中がもっとも色鮮やかなブルーで撮影できるでしょう。でも、目で見た印象のとおりにブルーが撮れないこともあります。

北海道・美瑛町の通称「ブルーリバー」は、もとの色が鮮やかなコバルトブルー。神秘的なブルーをねらうなら、色が強くなりすぎる晴天時を避けるといいでしょう。また、夕方になると太陽光の赤みが増してしまいます。撮影時間が選べるのであれば、太陽が沈んで薄暗くなってからか、早朝、日の出前に撮れば青みの深さが増します。光の差し方や状態は、撮影地によって違います。写真にしたとき魅力的に見える時間帯を探して、同じ場所を撮り比べると面白いですよ。

今回は、カメラ設定で青みを強調することにしました。ホワイトバランス(WB)で調整しています。WB「オート」よりも「太陽光」にすると青みが出ました。また、ホワイトバランス補正-4(B方向)にすることで、さらに青を強めています(緑の部分も多いので違和感がない程度に)。

「PLフィルター」「NDフィルター」を使い、スローシャッター(1秒)で水を見た目よりふんわりさせ印象的に仕上げました。

水の流れの撮影に使ってみたい
「NDフィルター」

ND8×Lフィルター 52mm

キヤノン純正
「ND8×Lフィルター 52mm」

PLフィルターに続いて風景写真で使用頻度が高いのは「NDフィルター」です。「減光フィルター」ともいい、被写体の色を変えることなく光の量を少なくすることができます。風景撮影では水の流れを撮るときにNDフィルターを使います。滝や渓流をスローシャッターで撮りたいとき、晴天だとシャッター速度が下げられません。そんなときにNDフィルターを使用すれば、簡単にシャッター速度を遅くすることができます。

※ND4、ND8などの数値は減光効果を表します。ND4なら2段分、ND8なら3段分の減光効果となります(初めて購入するならND8がおすすめ!)。
※レンズに装着するとき、保護フィルターを使っている場合は外してから装着しましょう。

こんなふうにも撮ってみよう

ブルーリバーの撮り方バリエーション

4秒のスローシャッターで水の表情を演出

4秒のスローシャッターで水の表情を演出

EOS 5D Mark III・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:32mm)・絞り優先AE(F16・4秒)・ISO200・WB太陽光・ピクチャースタイル:風景

滝の全体を見せたかったので、フルサイズカメラに標準ズームレンズの広角側(32mm)で見下ろすように撮影しています。この構図では橋からのぞき込むような感じになるため、少し高さのある三脚が必要です。

「PLフィルター」「NDフィルター」を使用し、スローシャッター(4秒程度)になるような露出で、水の描写を目で見たのとは違う感じにしています。フィルターを重ね付けする場合には、レンズが広角の場合、画面周辺がケラレることがありますので、薄手のフィルターを使うか、ケラレることを前提に構図をつくり、トリミングして仕上げてもいいでしょう。

逆光気味の光で葉っぱの立体感を出してみた

逆光気味の光で葉っぱの立体感を表現

EOS 5D Mark III・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:105mm)・絞り優先AE(F8・1秒)・ISO200・WB太陽光・ピクチャースタイル:風景

橋の反対側の流れです。冒頭の作品よりも広い構図で撮っています。まだ夕日が残っている時間だったので、太陽側(画面上面)が少し明るめになっているのと、同時に、逆光気味になるため葉っぱに立体感が出ました。青色になりにくい光の状態、時間帯ではありますが、画面の中に光のグラデーションを作ることができました。

こんな表現にもトライ!

さらなるセンスアップを目指して

静と動の対比で水の流れを強調してみた

静と動の対比で水の流れを強調

EOS 5D Mark II・EF70-200mm F2.8L IS USM(焦点距離:100mm)・絞り優先AE(F16・0.7秒)・-1 1/2補正・ISO200・WB白色蛍光灯・ピクチャースタイル:風景

ホワイトバランスを〈白色蛍光灯〉に設定し、極端な青みを出してみました。青くすることで清涼感を演出できます。どこまで青くするかは、みなさんのイメージ次第です。

また、0.7秒のスローシャッターで水の動きを表現してみました。流れを撮るときには、シャッター速度のほか、被写体までの距離、水量、レンズの焦点距離がポイントです。イメージどおりに表現できるようにシャッター速度を変えて、いろいろ撮り比べてみるといいでしょう。

ちょっとしたコツですが、スローシャッターで見せるときには、画面の中に動かないものを入れておくと、静と動の対比がわかりやすい写真になります。

画面全体を幻想的な水の流れにして表現

画面全体を幻想的な水の流れにして表現

EOS 5D Mark II・EF70-200mm F2.8L IS USM(焦点距離:200mm)・絞り優先AE(F32・1.5秒)・+1/2補正・ISO200・WB太陽光・ピクチャースタイル:風景

画面の中に水だけ(動く要素だけ)を入れて、1.5秒のスローシャッターで撮ってみました。水の描写はシャッター速度によって、かなり印象が変わってきます。いろいろなシャッター速度で撮影してみて、自分の好みを見つけるのがいいですね。今回はスローシャッターで水の流れをぶらして幻想的な雰囲気にしていますが、逆に速いシャッター速度で水しぶきを写し止めてみても、迫力のある写真になります。

ポイントまとめ

  • ホワイトバランスの調整で青い色を強調する
  • スローシャッターによって水の表情を模索する
  • スローシャッターでは画面内に静と動の対比を入れる

動く水の表情は、シャッター速度によって大きく変化するため、高速からスローまでいろいろ撮影しておき、好きな表現を見つけるといいですね。ただ、そのためには、絞りとシャッター速度、ISO感度の関係を理解しておく必要があります。場合によっては「NDフィルター」を使い、光量を調整する必要も出てきます。滝や流れを撮るのであれば、ND8程度のものを常備しておくとよいでしょう。
私の場合、2秒程度を目安に、まずは1枚撮影してみて、その様子を見ながらシャッター速度を速めたり遅めたりします。
最初はちょっと難しいかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。

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ありがとうございました。

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