写真・プロの一手 第22回 - プロはこうしている!雪の日限定「ピント合わせ」テクとは?

写真・プロの一手 渾身の一枚から学ぶ「プロの一手」! 講師

プロはこうしている!
雪の日限定「ピント合わせ」テクとは?

プロはこうしている!雪の日限定「ピント合わせ」テクとは? ©YUTA MURAKAMI

EOS 6D Mark II・EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM・F5.6・1/1000秒・ISO3200

北国秋田から雪を貫いて東京を目指す新幹線E6系「こまち」。その力強さを表現するために、超望遠レンズを使用してヘッドライトと、それに照らされる雪を強調しました。動体にピントを合わせ続けてくれる「AIサーボAF」を使用すれば、このようなアップ気味の写真も手軽に撮影できます。
しかし、強く雪が降っているときは、どうしても列車の手前に舞う雪にピントが合ってしまい、ピントが迷ってしまうことがあります。
降りしきる雪の中で、より確実にピントを合わせるには、どのようなテクニックが有効でしょうか?

プロの一手、その答えは・・・

Answer「置きピン」で撮る

降雪時のピント合わせは「置きピン」で。
列車の「顔」の位置を予測するのがコツ!
降雪時はオートフォーカス(AF)ではなく、マニュアルフォーカス(MF)を使用して「置きピン」で撮影するのがおすすめです。
鉄道写真の場合、ピントを合わせたい車両は、シャッターチャンスの瞬間まで構図の中にありません。そのため、MFで撮影する場合は、列車の先頭車両=「顔」が来る位置を想定し、それと同じレール面か架線にピントを合わせておき、その位置に列車が来た瞬間をねらってシャッターを切ります。これが「置きピン」と呼ばれるテクニックです。
ただ、今回は列車の顔がフレームからはみ出す構図です。このような意図でねらうときは、通常の撮影よりも列車がこちらに迫ってくるまで引きつけて待つので、置きピンの位置も大幅に手前にする必要があります。このカットの場合、トンネルから飛び出してきた瞬間をねらっているので、トンネルと外の境界線あたりのレール面にピントを合わせます。
置きピンは少々コツが必要なテクニックですが、ポイントさえつかめればすぐにできるのでぜひ挑戦してみてください。また、降雪に備えて、普段からAIサーボで撮影できるシーンでも、置きピンの練習をしておくとよいでしょう。
「三脚」の選び方

鉄道写真の撮影には欠かすことのできない「三脚」。でもどんな三脚を買えばいいの? そこでこちらのページでは、三脚の選び方のポイントをわかりやすくまとめました。「キヤノンがおすすめする三脚5選」も紹介。目的に合った三脚が見つかるはず!

降る雪を写し込むなら
背景は暗め、絞りは開ける!
降る雪をより際立たせて撮るには、背景の選び方にポイントがあります。トンネルの暗闇や濃いグリーンの森林など「暗めの背景」を選ぶのです。背景が明るいと、降雪が背景に同化してしまい目立たなくなってしまいます。
望遠レンズを使用した撮影では、雪が本降りになってしまうと望遠レンズの圧縮効果で、あっという間に列車が見えなくなってしまいます。ですので、降雪の量は「少しやんできたかな」くらいのタイミングが最適です。その分、写り込む雪の量は減りますので、暗い背景で雪をより効果的に描写することが重要になってきます。
絞りはF4〜5.6くらいがおすすめ。画面中に降っている雪は、絞りが開放に近いほど大きくぼけてきれいな「丸」に写ります。ただ、あまり開放にしすぎると、列車にピントが合う範囲がごくわずかになってしまいます。雪の写り込みのバランスを見ながら絞り値を決めていきましょう。
あったか冬物ウェア

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コラム
置きピンで撮影する場合は、AFモードを「高速連写」に設定して、列車にピントが合う少し前から連写を開始します。ファインダー上でピントが合ったことを確認してからシャッターを切り始めるとタイミングが遅れて、ピントが合わないことがあるからです。
ただ、あまりに早い段階でシャッターを切り始めるのも要注意。とくにRAW+JPEGラージファインなど画像容量が大きくなる撮影モードでは、バッファメモリがいっぱいになってしまい、一番大事なところで「シャッターが切れない!」となるミスにつながります。ベストなタイミングで撮れるように練習してから本番の撮影に臨みましょう。