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レッスン5

Exifを読み解いて写真上達|フォトテク・レッスン

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デジタルフォトに記録されている「Exif情報」には、思いどおりに写真を撮るためのヒントが隠されています。
Exif情報を読み解けるようになるのが、写真上達への近道!
この企画では、Exif情報※の一部を空欄にした“パズル”を題材に、フォトテク・ティーチャーの出水惠利子先生が優れた作品の背後にあるExif情報の秘密を解き明かしていきます。

フォトテク・ティーチャー 出水惠利子先生|1971年、東京都生まれ。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。広告を中心にフリーランスで活動中。海やテトラポッドの作品をライフワークとしている。EOS学園講師としても活躍中。

※Exif情報とは…デジタルカメラで撮影した画像に含まれている情報のこと。撮影日時、カメラやレンズの機種、ISO感度、
絞り値、シャッター速度、ホワイトバランスなどの各種設定が記録されています。

2014.12/25 更新

Let's TRY!Exifパズル フォトテクの秘密を解き明かす「パズル」にチャレンジ!

Q
太陽にカメラを向けて撮るとき“露出補正”はどうする?私にとって太陽は“神々のシンボル”的な存在です。太陽を神々しく表現することがテーマでもあります。そんな太陽にカメラを向けて撮影するときに大切なのは「露出補正」です。消波ブロックにピントを合わせ、同時に露出を決定しました。さてこの場合、露出補正値は次の4つの選択肢のうちどれでしょう?
  1. +2/3補正
  2. +1/3補正
  3. 0補正
  4. -2/3補正

画像サイズ(ピクセル)
5184×3456
ファイルサイズ
3.2MB
撮影日時
2014/11/28 06:34
カメラ機種
Canon EOS 7D Mark II
Tv(シャッター速度)
1/1000
Av(絞り数値)
8
露出補正
?
レンズ
EF70-200mm F2.8L USM
焦点距離
200m
ストロボ
非発光
ホワイトバランス
太陽
ISO感度
400

Exif情報から読み取る!問題を解くカギ
絞りとシャッター速度の組み合わせで写真の「露出」は決まります。その露出を調整するのが「露出補正」ですが……?

これがヒント!

まずはExif情報の確認をしてみましょう。ISO感度を「400」に設定したのは、速いシャッター速度で波しぶきの動きを止めるためです。絞り値は「8」と、望遠レンズにしては絞っています。太陽の輪郭がボケないようにするためです。 影になっている消波ブロックの部分で露出を決めると、カメラは「暗すぎる」と判断して、かなり明るい写真になってしまいます。逆に、太陽の周辺などの明るい場所をカメラに向ければ、カメラは暗くしようとして、かなりアンダーな(暗い)写真になります。 カメラ任せにはできない「イメージどおりの仕上がり」にするために、「露出補正」が必要になる場合があるのです。

パズルの答え合わせ

選択肢1の「+2/3補正」だと、先に述べたとおりカメラの判断によると全体的に明るめに写ってしまうところに、さらに明るくする露出補正になってしまいます。
選択肢2の「+1/3補正」も同様。この場面では、明るくする補正は間違いです。
選択肢3の「0補正」では、カメラが判断したとおりの露出となるため、やや明るく写ってしまうはずです。
さて、残る選択肢は……?

A
「-2/3補正」太陽は少し飛び気味ですが、消波ブロックは適度にシルエットになり、それでいて暗く沈むことなく描写されています。画面のなかの暗い場所で露出を決定した場合、その部分をイメージどおりに写すには、マイナス補正がおすすめです。
太陽にカメラを向けて撮るときは、EOSの測距エリア選択モードを「自動選択」にしているとAF&AE(ピント&露出)は定まりにくいことが多いので、「任意1点」(露出とピントを自分の意志で場所を決めるモード)にします。任意1点にすると、露出を合わせたポイントで露出が決定します。
反射率の高い明るい位置で露出を決定すると、カメラは「明るすぎる! オーバーになってしまう」と判断し、写真は「アンダー(暗い)」になりがちです。そこで「プラス補正」をします。
逆に反射率が低い暗い場所や暗い色の位置で露出を決定すると、カメラは「暗すぎる! アンダーになってしまう」と判断し、写真は「オーバー(明るい)」になりがちです。そこで「マイナス補正」をするのです。
被写体(写したい対象物)の光や色をよく見て、適正な露出で撮りたいですね。 太陽にカメラを向けるときの注意点をひと言。強い光にカメラを向けてファインダーのぞいていると、目やセンサーを傷めてしまうことがあります。気をつけましょう。初日の出やご来光を上手く撮るために、いまから露出補正の練習をしてみてください!
 
〈プラス?マイナス?「露出補正」の違いを確認しよう〉露出が変わると写真がどのようになるか、実際の作品で見てみましょう。(+)ボタンをクリックして、画像を大きくしてご覧ください。◆露出の詳しい解説はこちら(キヤノンフォトサークル「LET'S START EOS」)
太陽を撮るときは「露出補正」を活用して、思いどおりの明るさに仕上げよう。

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