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レッスン4

Exifを読み解いて写真上達|フォトテク・レッスン

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デジタルフォトに記録されている「Exif情報」には、思いどおりに写真を撮るためのヒントが隠されています。
Exif情報を読み解けるようになるのが、写真上達への近道!
この企画では、Exif情報※の一部を空欄にした“パズル”を題材に、フォトテク・ティーチャーの出水惠利子先生が優れた作品の背後にあるExif情報の秘密を解き明かしていきます。

フォトテク・ティーチャー 出水惠利子先生|1971年、東京都生まれ。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。広告を中心にフリーランスで活動中。海やテトラポッドの作品をライフワークとしている。EOS学園講師としても活躍中。

※Exif情報とは…デジタルカメラで撮影した画像に含まれている情報のこと。撮影日時、カメラやレンズの機種、ISO感度、
絞り値、シャッター速度、ホワイトバランスなどの各種設定が記録されています。

2014.12/12 更新

Let's TRY!Exifパズル フォトテクの秘密を解き明かす「パズル」にチャレンジ!

Q
イルミネーションをファンタスティックに表現する“レンズと絞り値”は?イルミネーションで飾られた船を見かけました。時間ごとに色が変わっていく様が美しく、異空間に紛れ込んだように思いました。全体を撮ると単なる「建造物」としての表現になってしまいます。“非現実的”な世界観で表現したいと思い、オレンジの明かりをポイントにしました。そこで選択したレンズと絞り値の組み合わせは、次の4つの選択肢のうちどれでしょう?
  1. レンズ:EF50mm F1.8 II 絞り:F1.8
  2. レンズ:EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 絞り:F8
  3. レンズ:EF70-200mm F2.8L USM 絞り:F2.8
  4. レンズ:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM 絞り:F5.6

画像サイズ(ピクセル)
5184×3456
ファイルサイズ
3.2MB
撮影日時
2013/12/10 19:10
カメラ機種
Canon EOS Kiss X6i
Tv(シャッター速度)
1/30
Av(絞り数値)
?
露出補正
0
レンズ
?
焦点距離
135mm
ストロボ
非発光
ホワイトバランス
太陽
ISO感度
800

Exif情報から読み取る!問題を解くカギ
レンズの焦点距離が「135mm」というのが大きなヒント。そしてこの前ボケの写り具合から予想される「絞り値」は?

これがヒント!

イルミネーションの船をメインとして写しながら、手前の丸ボケがカラフルなネックレスのように写り込んでいます。このような描写を可能にするレンズと絞り値の選択を考えます。
まずはExif情報の確認をしてみましょう。ISO感度はやや高めの「800」に設定されているにも関わらず、シャッター速度はややスローな「1/30」ですね。めまぐるしく移り変わるイルミネーションですから、少しスローにしたことは重要ですね。 シャッター速度をスローにしたのは、絞りを深く絞り込みたかったから? でも、手前のオレンジ色の光は、ほどよい丸ボケとなって表現されています。絞り開放では、このようには写らないでしょう。

パズルの答え合わせ

選択肢1は、EF50mm F1.8 IIで絞りは開放。大きくボケ味を出すにはよいですが、焦点距離が当てはまりません。しかも、このレンズならもっと全体が写り込んでくるはずです。
選択肢2は、広角ズームレンズです。船の全体だけではなく、会場の様子までフレームに収まってしまうでしょう。
選択肢3の望遠ズームレンズ「EF70-200mm F2.8L USM」で絞り値が「F2.8」だと、手前のオレンジの光のボケ方が、ネックレスのような円形の連なりではなく、もっと大きくボケて柔らかい描写になるはずですね。
ここまで見ていくと、レンズは「望遠レンズ系」でありながら、手前の光がボケ過ぎない「絞り値」であることがわかってきます。
さて、残る選択肢は……?

A
レンズ:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM
絞り値:F5.6
選択肢4「レンズ:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM 絞り値:F5.6」が正解です。
被写体は背景の船と手前に入れた小さなライトです。広角レンズを使うと、広い範囲を写し込むぶん、メインの船が小さく写ってしまいます。望遠レンズを使うと、遠くの被写体を手前に引き寄せて写す効果(専門用語で「圧縮効果」)を活用できます。手前にあるオレンジの光と、その奥にある船の空間をぐんと引き寄せ、ファンタスティックな情景として写すことができます。
焦点距離は「135mm」ですが、カメラはAPS-Cサイズの「EOS Kiss X6i」ですから、約220mm相当のレンズ効果です。かなりの望遠ですね。
また、「1/30」というスローシャッターにした理由は、チカチカと点滅するLEDなどの照明は、速いシャッタースピードだとタイミングが合わず、光の点滅が消えてしまうカットが撮れてしまうからです。1/30ぐらいならイメージどおりに撮れるでしょう。 街のイルミネーションが美しい季節。ぜひ参考にして撮影をお楽しみください。
イルミネーションを幻想的に撮るには、望遠レンズで前ボケを生かすべし!

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