Exif情報を読み解けるようになるのが、写真上達への近道!
この企画では、Exif情報※の一部を空欄にした“パズル”を題材に、フォトテク・ティーチャーの出水惠利子先生が優れた作品の背後にあるExif情報の秘密を解き明かしていきます。
※Exif情報とは…デジタルカメラで撮影した画像に含まれている情報のこと。撮影日時、カメラやレンズの機種、ISO感度、
絞り値、シャッター速度、ホワイトバランスなどの各種設定が記録されています。
2014.12/4 更新
ISO感度を見ると「200」と低感度に設定しています。絞り数値は「10.0」と絞り込んでいます。となると、露光時間はかなり「長め」と予測できそうですね。
速いシャッター速度で撮れば、波の動きをピタリと止めて撮ることができます。この作品では、波の動きがすっかり消えて、まるでフンワリと海を覆い尽くす“雲海”のように描写されています。どういうシャッター速度なら、このような写り方になるのでしょうか。
まずはExif情報の確認をしてみましょう。撮影日時を見ると真冬の1月、時刻は17時20分なので、夕陽が沈みきった時間帯。かなり暗いはずなのに、ISO感度は低めのISO200に設定しています。また、このような低感度にもかかわらず、絞りはF10まで絞り込み、光が足りないはずなのに、シャドー部までしっかりと再現されています。 また、岩場に打ちつけているはずの波しぶきが、すっかり消えています。ということは、シャッター速度はかなり遅かったはず……と考えていくと、答えに近づいてきますね。
選択肢1の「1/125」は、手持ちでの撮影が可能なシャッター速度ですが、波の描写から考えると、そんなに速いわけではなさそうです。
選択肢2の「1/30」は手持ちで撮影できるギリギリのシャッター速度ですが、波の動きはある程度まで止めて撮れるはずです。
選択肢3の「1/8」は、波を流れるように表現するにはほどよいシャッター速度ではありますが、この作品のようにすっかり波の動きが消えるほどではありません。
したがって、正解は……。