
ヨキネタマスター:写真家・種清豊先生が選んだ
ヨキネタマスター:写真家・種清豊先生が選んだ
ヨキネタ写真とは、「えっ、これどうやって撮ったの?」という驚きのある面白写真のこと。会員の皆さまから続々届いているヨキネタ写真の傑作を写真家・種清豊先生にピックアップしていただきました。まずは種清先生がもっとも注目した不思議な物体の写真から!
種清豊先生のプロフィールを見る>1982年、大阪府生まれ。京都産業大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、写真家・竹内敏信氏のアシスタントを経て独立。主に日本各地に残る明治、大正、昭和初期のクラシックな素材を求めて撮影中。また、人物撮影や、デジタルカメラ専門誌、カメラ専門誌での執筆活動も行っている。
種清先生:
のむさんさん、この不思議な物体は一体何を撮影されたものなのでしょうか?最初に見た印象はカボチャでした・・・・・・。形だけでなく色やライティングも不思議ですね〜。
のむさんさん:
福岡の某有名ホテルで発見したものを撮りました。面白い形をした照明器具を見つけて撮ってみたのです。
種清先生:
照明器具だったのですか!? 確かに照明器具ってフォトジェニックな被写体ですね。光っているだけでも目立つのに、シェード部分のデザインの主張が強いというか個性的というか。美術品の題材としてもよく採用されますよね。
のむさんさん:
じつはただ撮っただけではなく、写真を逆さまにしてみました。そうしたら、まるでお皿に乗った肉まんのように見えたので応募してみたのです。
種清先生:
逆さにするという発想はいいですね。確かにタイトルにもある「肉まん」に見えます。カーブを描く部分の微妙なテクスチャー(質感)がいいですね。色が緑なのでカボチャっぽく見えたのですが、撮影時の工夫やホワイトバランスの調整などされたのですか?
のむさんさん:
いいえ、撮ったままで色の調整や加工などはしていません。使用カメラはPowerShot G7 Xです。画面の中心で露出を合わせたので、周囲が露出アンダーとなって黒く沈み、肉まんの部分が浮き上がったのがよかったと思います。
種清先生:
昨年の企画「タネキヨのヨキネタ」でも「逆さま写真」を紹介したのですが、それはヒントになりましたか?
のむさんさん:
すみません、見ていませんでした(笑)。逆さまにしていない真下から撮った写真もあるので見ていただけますか。あまり明るくない場所でしたが、手持ち撮影でブレずに撮れました。
種清先生:
これは正攻法ですね! 最初の写真は中心の物体の丸みが強調されて面白さが生まれたわけですが、こちらの写真も素直な切りとり方で好感触です。いわゆる「日の丸構図」ですが、これこそ構図の基本形。同時に「シンメトリー構図」でもあり、写真に緊張感が生まれました。輪郭や切れ目もくっきり見えるので、ナイフできれいにカットされたケーキのようにも見えてきます。同じ被写体でも見る角度が変わるだけで写真のイメージに変化が生まれます。そのことをうまく示してくれたヨキネタ写真。のむさんさん、ありがとうございました!
ドーラさん
「ターニングポイント」
日常のなかでの発見。シンメトリックな軌道の造形の面白さですね。奥に車輌の「赤色」を入れることで落ち着いた印象の写真にアクセントをつけていますが、「ヨキネタ」としてのインパクトを強めるには、シンプルに軌道の部分だけフレーミングしてみてもよかったでしょう。
t.miuraさん
「輝く」
背景が暗いことで、星の輝きであったり、神経細胞の樹状突起にも見えるし、惑星か何かがはじけ飛んだようにも見えました。梅の木はフレーミングが難しいとされる被写体ですが、枝ぶりや花の付き具合を活かした、このように造形的な見せ方もあるとは。新たな発見かもしれませんね。
ryokanさん
「初雪の軌跡」
この写真を見た瞬間、あるテレビ局の昔のロゴマークを連想してしまいました。雪の写真は降っている最中か降りやんだ直後が一番きれいなのですが、この写真もまさに降っている最中のようです。雪の表面が汚れておらず、軌跡と雪面のコントラストがとてもキレイで、デザイン的に目を引く一枚となっています。
BOOさん
「笑顔が2コ」
すごくかわいいです。偶然とはいえ、スイカに現れた満面の笑顔にホッとした気持ちになります。右側は左に比べてややニヒルな笑み。よく観察すると目のくぼみによっても表情に違いが出ていて面白いですね。スイカのタネをちゃんと4粒置いて写しているのもいいですね。
わったさん
「つらら?」
「さかさま写真」の応用でしょうか。地面から氷でできた針が伸びているように見えますね。つららだけにちょっと痛い感じがするのが、またいいですね。黒バックで透明感や輪郭が浮き出て、氷の冷たさや鋭さ、立体感がよく伝わります。
焼き饅頭さん
「早春薫る」
レンズ前面に取り付けたガラスやアクリル球への写り込みを接写撮影する「宙玉(そらだま)」写真。不思議さを感じます。機材を用意すれば誰でも手軽にできる撮影方法が魅力で、SNSでの投稿も増加中。ロウバイと青空の空間がすっきり爽やかですね。
記事は下に続きます
「こんな写真どうやって撮ったの!?」というオドロキと遊び心いっぱいの写真=ヨキネタ写真を公開中。撮影・監修・解説は、写真家・種清豊先生です。インスタ映えも間違いなしのオモシロ写真ネタの宝庫です。
makioさん
「皆既月食の経過」
jooさん
「バブル崩壊」
shihoさん
「シャボン玉」
みけさん
「輝き」
新米じじぃーさん
「惑星」
かずのこさん
「心もよう」
「第1回傑作ヨキネタ写真展」いかがでしたか?
会員の皆さまのヨキネタレベルの高さに驚いたりニヤリとしたり、
こちらの審査会場は大いに盛り上がりました。
これからも継続して皆さまのヨキネタ写真を募集していきます。
ぜひ ウィークリーフォトコンテスト からご応募ください。
(コメント欄に「ヨキネタ」と入れてくださいね)
では、またお目にかかりましょう!
種清先生セレクトによるこの写真。さて、いったい何モノでしょうか。色や形はカボチャ? でも、写真のタイトルは「肉まん」。なるほど、肉まんですか。いえ、作者のむさんさんは、「肉まんに見えませんか?」と問いかけているので、肉まんでもないみたいです。さて、では、いったいこれは・・・・・・? 種清先生が作者のむさんさんに聞いてみました。