山﨑友也が選んだ「みんなの鉄道風景写真」

鉄道風景写真家 山﨑友也

鉄道写真家山﨑友也

山﨑友也が選んだ「みんなの鉄道風景写真」

それでは、今回新たに選んだ作品を見ていきましょう!

  • ひぐま3号さん「源清流清」
  • のぶーばっはさん「メルヘンステーション」
  • kyawadyさん「紅葉の中で」
  • ブルーサブさん「ドラマチック工場鉄道夜景」
  • のいみさん「里山の朝」
  • ひまじんさん「安全よ~しっ!!!」
  • まいくらさん「来たっ!」
  • くどうさん「夏休み」

※作品をクリックすると講評を閲覧できます。

スローシャッター+大胆な構図にビックリ!

ひぐま3号さん「源清流清」

ひぐま3号さん「源清流清」

EOS 5D Mark III・EF16-35mm F4L IS USM・1/13・F16・+1補正・ISO50・WBオート

秩父鉄道の有名な荒川橋梁で定番のSLを撮影されていますが、表現方法がとても独特でビックリしました。水面すれすれまでカメラを低く設定し、広角レンズで川と空をできるだけ多く取り入れている大胆な構図。そしてシャッター速度は1/13秒というスローで撮影されているため、水の流れがぶれて動きがあり迫力満点です。お立ち台(鉄道写真ファンには有名な定番スポット)からの撮影なのに、たいへん個性のある素晴らしい作品だと思います。

山﨑友也

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イルミネーションの「玉ボケ」が大成功でしたね!

のぶーばっはさん「メルヘンステーション」

のぶーばっはさん「メルヘンステーション」

EOS-1D X・EF24-70mm F2.8L USM・1/50・F2.8・ISO6400・WBオート

わたらせ渓谷鐵道は冬になると各駅がライトアップされるので、夜でもとても華やかです。そんな様子をうまく捉えていると思います。理由はイルミネーションの写し方です。絞りを開放にしてレンズの前にイルミネーションを置き、アウトフォーカスされた光を玉ボケとして効果的に利用しています。おかげでいっそうメルヘンチックな駅に見えますね。発想力の勝利でした。

山﨑友也

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山﨑先生が「鉄道風景写真」を基礎からレクチャー!

ひらめき&スキルが相まって素晴らしい作品に!

kyawadyさん「紅葉の中で」

kyawadyさん「紅葉の中で」

EOS-1D X・EF11-24mm F4L USM・1/250・F11・ISO1600・WBマニュアル

木の下から超広角レンズで見上げることで、空一面がモミジの葉っぱで覆われました。そこにわずかなすき間をつくり、列車をほんのちょっとだけ見せているあたりが憎いですね。しかも、黒くつぶれるであろう葉っぱにストロボを発光させ、色を出しているところにも技術を感じますね。ひらめきとスキルがうまく組み合わさり、相乗効果が出た一枚ですね。

山﨑友也

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ボクのライフワーク「夜感鉄道」を彷彿させる作品ですね。

ブルーサブさん「ドラマチック工場鉄道夜景」

ブルーサブさん「ドラマチック工場鉄道夜景」

EOS 5D Mark III・EF24-70mm F2.8L II USM・30秒・F14・ISO100・WB白熱電球

「工場夜景」というジャンルが流行っているそうですが、それと鉄道写真を見事にマッチングさせましたね。水銀灯の緑色が線路に反射しているため、鉄道の存在感が出ています。また、撮影した時間帯も良かったです。日没後、空が青くなるわずかな時間をねらっているので、自然光と人工光のバランスが絶妙で、被写体に極端なつぶれや白トビが見られません。「夜感鉄道」をライフワークにしているボクとしては、ぜひ訪れてみたい場所ですね。

山﨑友也

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プロ鉄道写真家が現場で使う機材・道具を大公開!

地域の文化まで取り入れた見事な一枚!

のいみさん「里山の朝」

のいみさん「里山の朝」

EOS-1D Mark Ⅳ・EF24-105mm F4L IS USM・1/1000・F9・ISO640

JR因美線那岐〜美作加茂駅間で撮影された一枚だそうです。中国山地沿いを走るローカル線は里山を走っているため、「絶景」といえる場所がほとんどありません。必ず民家や道路などの人工物が入ってしまうので、それらをどのように処理、もしくは活かして撮るかがキーになります。そう考えるとこちらの作品は、朝の時間に撮ることでとても印象的に仕上げています。そして画面左の民家の造りがこの地方を象徴しているので、文化も取り入れた見事な作品となっています。

山﨑友也

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晴天に映えるドクターイエロー。最高のショット。

ひまじんさん「安全よ~しっ!!!」

ひまじんさん「安全よ~しっ!!!」

EOS 7D・EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM・1/1000・F7.1・ISO800・WBマニュアル

「新幹線のお医者さん」ともいわれるドクターイエロー。基本的に10日に1度しか走らないため、撮影するチャンスもおのずと限られてしまいます。それだけにこれだけの晴天に恵まれたのは、本当に良かったと思います。おそらくPLフィルターも使用されているでしょうから、なおさら青空のもとで黄色い新幹線が映えていますね。シャッターチャンスもベストで、運も味方につけた最高のショットですね。雨男のボクには到底撮れない一枚でしょう……。

山﨑友也

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山﨑先生の作品掲載! キヤノン発行 写真誌の鉄道特集号(2015年9月号)

「機関車トーマス」がやって来るドキドキ感!

まいくらさん「来たっ!」

まいくらさん「来たっ!」

EOS 40D・EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM・1/250・F7.1・-1補正・ISO200・WBマニュアル

コメントにもあるように、まだ姿が見えないうちから汽笛だけが聞こえるSLは、確かにドキドキする撮影ですね。普通は車両を大きく撮る人が多いなか、トンネル越しに、しかも手前の草を前ボケとして入れて撮っているところが、とても新鮮でした。トンネルをちらっとトーマスがのぞいているようにも見えますね。ただもう少し望遠にして、トンネル右の電柱をカットすれば完璧だったでしょう。

山﨑友也

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撮っている人を撮る。逆転の発想で大成功!

くどうさん「夏休み」

くどうさん「夏休み」

EOS M3・EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM・1/250・F6.3・+1補正・ISO500・WBオート

SLが復活した釜石線の超有名ポイント。本来、鉄道写真を撮るときには他の人を画面の中に入れたくないものですが、逆転の発想をして、撮っている人を撮ったのがポイントでした。さまざまな人がSLを撮っている様子は、見ていて楽しいものですね。そして、このローアングルは迫力も十分です。惜しいのは手前に1本だけ草が伸びていたり画面右の人が切れていたりと、構図がやや中途半端でしたね。

山﨑友也

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