山﨑友也が選んだ「みんなの鉄道風景写真」

鉄道風景写真家 山﨑友也

鉄道写真家山﨑友也

山﨑友也が選んだ「みんなの鉄道風景写真」

それでは、今回新たに選んだ作品を見ていきましょう!

  • nittokuさん「夕暮れ」
  • ビッグウェストさん「駆動する!」
  • ヨッシーMINIさん「暖かな時間」
  • 小柳さんさん「ゴールドシャワー」
  • YuYu.jitekiさん「落葉」
  • のむのむさん「夕日」
  • おやたぬきさん「指さし確認」
  • ナギピンさん「よっこいしょ」

※作品をクリックすると講評を閲覧できます。

太陽の位置がポイント。作者の苦労が実りましたね!

nittokuさん「夕暮れ」

nittokuさん「夕暮れ」

EOS 5D Mark III・EF24-105mm F4L IS USM・1/200・F11・ISO100・WB太陽光(奈良県・吉野川鉄橋)

夕日は右の方向へどんどんと傾いていきますが、線路は動きません。そのため列車の窓と太陽を重ねようとすると、太陽がつねに同じ位置にするには、撮り手がカメラの位置を下げたり、高くしたりする必要があります。そんな苦労が実った素晴らしい作品ですね。絞りもF11まで絞っているので、窓から光芒も出て輝き感も増して見えます。すすきの穂の輝きも秋の季節を象徴し、とても美しいワンカットに仕上がっています。

山﨑友也

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SLの動輪部分を大胆に表現しましたね。

ビッグウェストさん「駆動する!」

ビッグウェストさん「駆動する!」

EOS 7D・EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM・1/200・F4・-2補正・ISO100・WB太陽光

スナップ写真はボクも大好きで、よく撮影しています。スナップのコツのひとつとして、光と影をうまく使い分けることが挙げられます。とするならばこの作品は、光の使い方がたいへん優れていますね。露出補正を-2にしたことで全体的に暗くはなっていますが、ハイライトの部分があるので、むしろシンボリックに撮れています。また主連棒(蒸気機関車の動輪をつなぐ鉄の棒)の赤色もとても鮮烈で、インパクト十分です。

山﨑友也

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山﨑先生が「鉄道風景写真」を基礎からレクチャー!

シャッターチャンスや色彩表現、構図も完璧!

ヨッシーMINIさん「暖かな時間」

ヨッシーMINIさん「暖かな時間」

EOS 6D・EF24-70mm F4L IS USM・1/6秒・F7.1・-2補正・ISO200・WBくもり(天竜浜名湖鉄道・都田駅)

天竜浜名湖鉄道(天浜線)は何度か訪れていますが、まさか夜の都田駅がこんな雰囲気だとは知りませんでした。WBを「電球」ではなく「くもり」にして撮影しているので、シャンデリアの明かりが暖かみのあるやさしい色に再現されています。そして改札口の向こうに列車を、列車だと分かるくらいのシャッター速度でブラしているあたり、心憎いですね。構図もシャンデリアと列車が対角線上に位置しており、そういう意味からすると、もう完璧といってもよいでしょう。

山﨑友也

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ドラマチックな空、さらに強調したいですね。

小柳さんさん「ゴールドシャワー」

小柳さんさん「ゴールドシャワー」

EOS 7D・1/400・F4・ISO100(北海道日高本線)

夕日の写真もいろいろありますが、このように雲の隙間から太陽の光が幾本も漏れる薄明光線の状態は、本当にドラマチックです。このような現象はねらって撮れるわけではありませんので、この場にいたことに感謝ですね。ただ、山の斜面が画面に多く入りすぎているのが気になります。海ももっとカットして列車を画面の右下に配置して、その分、空を多く取り入れれば、さらに良くなったでしょう。

山﨑友也

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プロ鉄道写真家が現場で使う機材・道具を大公開!

この場面をスナップした感性がいいよね!

YuYu.jitekiさん「落葉」

YuYu.jitekiさん「落葉」

EOS 6D・1/125・F3.2・ISO200

桜の花や紅葉の葉っぱが散ってしまうと、もう撮影する意欲もなくなってしまいがちですが、そんなことはありません。そうこの作品が教えてくれているようです。やはりスナップは視点や感性も大事なのでしょう。 こちらの作品でもうひとつ目を見張るのは、絞りがF3.2ということです。広角レンズを極めて浅い被写界深度で撮ることによって、手前の落葉を強調しながも、奥の標識と線路は判別できるくらいに適度にぼかすテクニックも素晴らしかったです。

山﨑友也

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列車と太陽を重ねたいけれど、これもいい写真!

のむのむさん「夕日」

のむのむさん「夕日」

EOS 7D Mark II・1/1000・F10・ISO100・WBオート(瀬戸大橋)

鉄道写真ほどストイックなジャンルはないと思っています。なぜなら列車は時間どおりにやってくるので、天気や気候、時間や時期など、すべての要素がそろわないと完璧な風景写真が撮れないからです。この場合、のむのむさんも本当は太陽の中に列車を入れたかったのだと思いますが、ちょっと残念でしたね。しかし構図も程よくまとまっていますし、雲もなくここまで太陽が大きく丸く写れば御の字ではないでしょうか。

山﨑友也

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山﨑先生の作品掲載! キヤノン発行 写真誌の鉄道特集号(2015年9月号)

大阪駅でこんなドラマチックな場面を見つけるとは!

おやたぬきさん「指さし確認」

おやたぬきさん「指さし確認」

PowerShot S120・1/250・F8・WBオート

強烈な逆光での撮影では、被写体の色は本来の色のとおりに表現できません。でも撮り方次第では、そんなことはどうでもよくなるほど、しびれるイメージ写真を撮ることができます。そのためボクは順光よりもあえて逆光でねらうことが多いのですが、まさか大阪駅でこのようなドラマチックなシーンが撮れるとは、夢にも思いませんでした。美しさだけでなく、鉄道マンとしての使命感までも表現されており、もう脱帽です。

山﨑友也

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人物に迫る鉄道写真があってもいいんですよ。

ナギピンさん「よっこいしょ」

ナギピンさん「よっこいしょ」

EOS 7D Mark II・EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM・1/200・F8・ISO100・WBオート(千葉県銚子市)

鉄道は日本のさまざまな地域を走っています。その土地土地で暮らす人々の様子とともに撮影すれば、地域性や文化的なものまで垣間見えてくるでしょう。ここではキャベツ畑で働くお母さんを撮られていますが、作業している姿がどことなくユーモラスですね。またバックに走る列車も、キャベツと一緒の緑色で似合っています。ただ、できればもっとお母さんたちに焦点を絞り、列車はボケ気味でもよかったのではないでしょうか。

山﨑友也

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