ドラマチック!「鉄道風景写真」入門 第1回

ドラマチック!「鉄道風景写真」入門

  • 第1回〈月1回・全3回更新〉
  • 講師:山﨑友也(鉄道写真家・EOS学園講師)

基本テクニック講座

鉄道風景写真をうまく撮る手順

手順3露出補正は「黒シメ白アケ」と心得よ

「Tvモード」などでカメラが判断した露出に頼っていては、見た目どおりの明るさでは写りません。これが写真撮影の面倒なところであり、奥深く楽しいところでもあります。
でも、どうしてカメラまかせの露出では見た目の印象どおりにならないのでしょうか。
カメラはどんな色や明るさのものでも、中間色である灰色に近づけようとしてしまいます。被写体が「黒い」とカメラは「暗い」と判断してしまうので、「明るく」写そうとします。
逆に被写体が「白い」とカメラは「明るい」と判断するので、「暗く」写そうとします。
そこで、カメラが指示した露出を少しだけ修正し、見た目に近い明るさで写るように調整する場合があります。これを「露出補正」といいます。
黒っぽい被写体を撮るときはマイナス補正、白っぽい被写体を撮る時はプラス補正にすれば、見た目に近く写るのです。この関係を覚えやすくするために、ボクは「黒シメ白アケ」と呼んでいます。

  • 黒シメ
  • 黒シメ

黒いものを撮るときは露出をシメないと明るく写ってしまう

  • 白アケ
  • 白アケ

白いものを撮るときは露出をアケないと暗く写ってしまう

手順4ファインダーの「絞り値」に注意せよ!

「Tvモード」に設定し、露出補正も無事終わりました。しかしこれで安心してはなりません。ファインダー内で「絞り値」をチェックします。絞り値そのものが「点滅」していませんか?
「Tvモード」では自分の好みのシャッター速度に応じた絞り値を算出して露出を決めてくれます。しかし、適正露出にならない、極端に速い/遅いシャッター速度でも設定できてしまうので注意が必要です。 そんなときカメラは露出がおかしいことを察知し、ファインダー内の数字を点滅させてボクらに教えてくれます。

Tvモード 絞り値 点滅

ほら、そこのあなた! 絞り値が点滅していませんか?

シャッター速度を決めたら、シャッターボタンを半押ししてください。その時点で絞り値が点灯していれば問題ありませんが、点滅していたら露出が著しく適正ではないことを意味しています。
鉄道風景写真では、列車をブラさないようにするため、ついつい速すぎるシャッター速度を選択してしまい、露出アンダーになってしまいがちです。絞り値が点滅していたら、シャッター速度を遅くするか、ISO感度を上げる、開放値の明るいレンズを使用するなどして、点滅を防ぐ対応が求められます。

「決め露出」は「Mモード」(マニュアル)で

「Tvモード」でテスト撮影したら、今度は「露出」を確認しましょう。カメラ背面の〈INFO.〉ボタンを押すと表示される(機種により操作が異なる場合があります)、テスト撮影した画像の「シャッター速度」と「絞り値」です。同時に、露出補正の値も確認します。
その露出で明るさに問題なければ、モードダイヤルを「Mモード」(マニュアル)にして、先ほど表示されていた露出に設定してみましょう。「Tvモード」時に決定した露出を「Mモード」に移行する、いわゆる「決め露出」で撮影するということです。
露出を変えない限り、あらかじめ設定したシャッター速度と絞りで撮れるのが「Mモード」にするメリットです。
車両の色が黒っぽかったり、白っぽかったりしたときに、「Tvモード」などではカメラがその色を感知して露出を変えてしまう恐れがあります。しかし「Mモード」では、どんな色の列車が来ても露出は変わりません。テスト撮影したときと同じ明るさで撮影できるというわけです。

Tvでテスト撮影した露出をMに設定し「決め露出」で撮影してみよう

  • 露出確認

    〈INFO〉ボタンを押して
    テスト撮影した露出を確認

  • 「Tv」から「M」へ
変更

    モードダイヤルを「Tv」から「M」へ
    変更する

  • 「M」に設定

    テスト撮影時のシャッター速度と
    絞り値を設定すれば OK

手順5最後にじっくり「構図」を決めよう

ピントと露出が決まったら、最後にじっくりと「構図」を考えましょう。構図について、詳細は次回述べますが、鉄道風景写真は「構図」が成否を分けるポイントなのです。時間に余裕をもって現場に着き、列車の到着までに構図を練って液晶モニターで確認し、最終的にどう撮るか判断しましょう。

どう切り取るかはあなたのセンス次第。構図の詳細は次回に!

鉄道写真家・EOS学園講師 山﨑友也先生

ここがポイント!

  1. 1. 現場に着いたら「ピント合わせ」が最優先
  2. 2. 列車がブレないシャッター速度に設定する
  3. 3. 露出補正は「黒シメ白アケ」と覚えよ
  4. 4. Mモードの「決め露出」で撮ろう

『写真は撮影時がすべて。後処理に頼るなかれ。』

これまで風景鉄道写真を撮る手順を述べてきましたが、最後にひと言。
写真とは、撮影前にあらゆることを設定し、仕上がりのイメージを想像してからシャッターを押すものです。
撮影後の画像調整などの後処理に頼っていては、写真は絶対にうまくなりません。
このことをしっかりと胸に刻み、今後はこの手順を参考に一枚一枚、真剣に撮影するよう心がけてください。

第2回は、構図の基本をレクチャー。
いよいよ本格的に「鉄道風景写真」の撮り方に入っていきます!

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