ドラマチック!「鉄道風景写真」入門 第1回

ドラマチック!「鉄道風景写真」入門

  • 第1回〈月1回・全3回更新〉
  • 講師:山﨑友也(鉄道写真家・EOS学園講師)

基本テクニック講座

鉄道風景写真をうまく撮る手順

鉄道風景写真を撮るには、ちょっとしたコツが必要です。しかし、人間のやることにはミスは付き物。ここでは、たとえミスをしても極力リカバリーできるように、鉄道写真歴42年のボクが培ってきたノウハウを、ちょっともったいないけれどご披露しましょう。まずは基本中の基本、鉄道風景写真における「ピント合わせ」の方法です。

手順1線路にあらかじめピントを合わせておこう

写真を構成する3大要素として「構図」「露出」「ピント」があるのはご存じでしょう。では、撮影現場で最初に決めるべきは、構図、露出、ピントのどれだと思いますか? 失敗しない鉄道風景写真を撮るための第一条件として、そして長年鉄道を撮り続けてきた経験上、ボクは「ピント合わせ」を最重要視しています。それはなぜでしょうか?
鉄道風景写真を撮る場合のありがちな失敗とは、走ってきた列車に無理やりピントを合わせようとすることです。焦りと緊張感で慌てふためきながらでは、ピントを合わせる余裕はありません。撮影地に到着して早々、急に訪れたシャッターチャンスを逃してしまうことも。ピントさえ合わせておけば、1枚はモノにできたかもしれないのに……。そんな人に出会うたびにボクは、「あ〜あ、CANON iMAGE GATEWAYの会員になって、このページを見ればいいのに」と思ってしまうことでしょう。
では、どうすれば確実に列車にピントを合わせられるのでしょうか? その答えは意外と簡単です。走ってくる列車ではなく、線路にあらかじめピントを合わせておくのです! これを「置きピン」と言います。
列車は必ず線路の上を走ってきます。そこにピントを合わせておけば、必然的に列車にもピントが合うという寸法です。もちろん、「ここに列車が来たらシャッターを押そう」と思っているポイントにピントを合わせることが重要です。

  • 置きピン
  • 置きピン

ピントは列車のいない状態の時に、あらかじめ線路に合わせておく

手順2Tvモード(シャッター優先AE)で、列車をブラさない

さて、手順1では、撮影地に着いたらまずピントを合わせることをお勧めしました。では、次にすべきことは「構図」をつくることでしょうか、それとも「露出」を合わせることでしょうか?
答えは「露出」です。鉄道風景写真の場合、肝心の列車がブレては元も子もありません。自然風景がメインではありますが、列車がブレないシャッター速度が必要なのです。つまり、鉄道風景写真ではTvモード(シャッター優先AE)が基本になります。

Tvモード

鉄道風景写真はTvで撮ろう

シャッター速度はどう決める?

鉄道風景写真の撮影では、列車をブラさないシャッター速度に設定することがポイントです。
まず大前提として覚えておいて欲しいこと。それは列車が画面を横方向に走る場合、レンズの焦点距離が広角になればなるほど画面内の列車の移動量は小さく、逆に望遠になればなるほど移動量は大きくなるということです。
つまり、レンズの広角側であれば比較的遅いシャッター速度でも列車はブレず、望遠でねらえばねらうほど高速のシャッター速度でないとブレてしまうということです。
また、同じ焦点距離のレンズを使用していても、列車との距離が近づけば近づくほど、速いシャッター速度にしなければ列車はブレてしまいます。
ボクの経験値として具体的な数値をあげるなら、24mm(35mm換算)のレンズを用いて広い絵を撮ろうとする場合、100m先を時速100kmで横切る列車を止めて撮るには、最低でも1/500秒ほどのシャッター速度が必要でしょう。これが200mmの望遠レンズで撮る際には1/4000秒以上の速いシャッター速度でないと列車はブレてしまうおそれがあります。

横に移動する列車を100m離れたところから撮影する場合

  • 100m離れる
  • シャッター速度 設定の目安

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