「美しい」と感じたものを写真で表現することが大切。
被写体や撮り方は自由。マクロレンズで遊んでほしい!
それでは、今回選んだ応募作品を見ていきましょう!
※作品をクリックすると講評を閲覧できます。
EOS 5D Mark III・EF100mm F2.8L マクロ IS USM・1/320・F2.8・ISO100
並木先生が分かりやすく解説! マクロ撮影のピント合わせテクニック。
EOS 8000D・EF100mm F2.8 マクロ USM・0.3秒・F11・ISO400・WB太陽光
水滴が均等に放射状に並んでいるなら、背景に写り込んでいる花のボケを中央に配置してもいいですね。でも、この作品のように水滴がランダムに並んでいる場合は、キレイに写り込んでいる花から右上方向などに視線の「流れ」を作るフレーミングになるよう、中央の水滴が左下あたりにくるようにすると、すごくカッコイイ作品に仕上がると思います。また、ガラスとカメラが平行になるようにすると、水滴全体にしっかりピントが合うようになりますよ。
並木隆
EOS 10D・1/350・F3.5・ISO400
逆光が当たっているクモの巣はキラキラと輝きますが、背景が明るいと溶け込んでしまって目立ちません。この作品のように暗い背景を選べるクモの巣となると、非常に少ないですよね。よくぞ見つけました!
また、クモの巣に沿うようにレンズを向けているので、前後が大きくボケて虹色に仕上がっていますし、説明のためにクモを入れていないので、スッキリ見えます。次回はもっと形の整ったできたてのクモの巣を探してみましょう。
並木隆
EOS 7D・EF100mm F2.8L マクロ IS USM・1/200・F4・+1補正・ISO400・WB太陽光
先端の両方の目にピントが合っていますね! これはたいへんなんてものではありませんよ。両方の目が平行な位置に並ばないと、こんなふうにピントを合わせることはできませんからね。ホント、よく頑張りましたね!
被写界深度は1段絞ったくらいではほとんど増えません。すごく絞り込んでも数ミリ程度です。ですからマクロレンズで複数の被写体にピントを合わせるときは、絞り込んで被写界深度の範囲内に被写体を収めようと考えないこと。撮影位置(カメラの位置)を数ミリ単位で動かしながら、ピントを合わせる対象が平行な位置にくるように撮影すると、このように仕上がるのです。
並木隆
EOS 70D・EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM・1/4000・F8・-1/ 1/3補正・ISO320・WB日陰
キレイなものや色彩豊かなものに目が行きがちですが、色のないものでも立派な被写体になるというお手本のような作品です。ただ写していたら地味な被写体の印象が強くなりますが、サイドからの強い光と真っ暗な背景がポイント。まるで舞台を見ているようですね。
主役のネギ坊主を画面中央ではなく、9分割構図の交点に配置するなどしてフレーミングにも気を使えるようになると、作品の完成度が増しますよ。
並木隆
EOS 7D・EF100mm F2.8L マクロ IS USM・1/160・F6.3・-1補正・ISO800・WBオート
トンボの正面からレンズを向けるなんて、なかなかできませんよ。しかも、トンボの目はピントが合わせにくいのですが、バッチリですね。また、目の中にキャッチライトが入っているので、のっぺりした感じではなく、目がいきいきと輝いて見えます。
cabinさんはこれだけレベルの高い作品が撮れるのですから、潜り込んで葉に写り込んでいる影を主題にするなど、ほかの人とは違う視点を持つように意識して、これからの撮影に挑んでくださいね。
並木隆
EOS Kiss X5・EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II・1/80・F5.6・ISO125・WBオート
桔梗(キキョウ)のツボミに、キレイに滴が乗っていますね。雨上がりの柔らかい光の中で撮影しているので、ツボミの表面の反射が少なく、薄紫色がしっかり出ています。
惜しいのは、右上の葉っぱ。このまま寄って切り取るのではなく、右に移動してレンズを向ける方向を変えると、葉を入れずに同じようなフレーミングにできたと思います。また、主題はツボミではなく水滴なので、ツボミの下の部分をカットしてしまってもいいですよ!
並木隆
EOS 60D・EF100mm F2.8L マクロ IS USM・1/125・F6.3・+2/3補正・ISO320・WB太陽光
強い逆光と暗い背景で、力強さを表現していますね。撮影意図がしっかりしているからこそできあがった作品だと思います。ただ、花と同じくらい茎も目立ってしまいましたね。それは、花と茎が同じような位置になる方向からレンズを向けているからです。花だけにピントが合い、茎はぼけていれば、花の印象はもっともっと強くなったはず。もう少し左下、花の正面が見える位置あたりからレンズを向けると、茎に沿うようになるので、茎の前後が大きくぼけて画面がスッキリするでしょう。
並木隆
「花の茎に沿って撮る」ってこういうコト。こちらで解説しています。
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綿毛のボケがとってもキレイですね。距離差のある大小の朝露のボケに変化があります。画面右端の朝露にピントを合わせなくてもいいのではないでしょうか。なぜなら、そこにピントを合わせなくても、やっぱり最初に目がいくのは綿毛にだからです。必ずどこかにピントを合わせなければいけないという決まりはありませんから、ボケだけの表現があってもいいと思います!
並木隆