並木隆が選んだ「みんなのクローズアップ&マクロ写真」

 

それでは、今回選んだ応募作品を見ていきましょう!

  • いちだいさん「中心線」
  • Timさん「ビーナスライン」
  • こにっしゃんさん「あっ! 落ちる」
  • Kmoriさん「夢の世界に住む」
  • リバティさん「オレンジなガーベラ」
  • YOSH! さん「絆」
  • そらさん「チョコぱん」
  • 猫寅さん「隠れ家」

※作品をクリックすると講評を閲覧できます。

1500点を超える作品ご応募をいただき、ありがとうございました。全体の印象ですが、花全体を画面いっぱいにクローズアップして花芯にピントを合わせた作品が多かったです。この撮り方は、花全体や花芯の印象が強くなるため「平凡」に見えてしまう場合があります。花芯にピントを合わせるのは、撮り方のひとつにすぎません。花がきれいなのは当たり前なので、そこから一歩踏み込んで、みなさんが「キレイだ!」と感じる部分をマクロレンズで切りとってほしいのです。
花だけではなく、葉や動物、身近なものなどをマクロレンズで切りとってみましょう。これがキレイだと感じた「思い」が伝わるのであれば、何を写したのか分からなくてもいいのです。それがマクロレンズの魅力であり、面白さなのですから。

スッキリした印象をピントの位置で巧みに演出!

いちだいさん「中心線」

いちだいさん「中心線」

EOS Kiss X7・EF-S60mm F2.8 マクロ USM・1/80・F2.8・+2/3補正・ISO200・WB太陽光

放射状に広がる花芯の一部分を切りとった大胆なフレーミングは、マクロレンズならではですね。ピントの位置を奥にしたことで、花芯の線が細くなり、スッキリした印象に仕上がっています。もしも手前にピントを合わせていたら、ゴチャゴチャした印象になっていたでしょう。
あと1cmくらいカメラの位置を下げたアングルからねらい、花芯と背景のグリーンの重なっている部分を増やすと、コントラストのある部分が増えるので、花芯がより引き立つ作品に仕上がりますよ。

並木隆

このページのトップへ

シンプルな画面構成でまとめた気持ちのいい作品。

Timさん「ビーナスライン」

Timさん「ビーナスライン」

EOS 6D・EF100mm F2.8L マクロ IS USM・1/1000・F4.5・+1 1/3補正・ISO1250・WBオート

ピンクと白だけで画面がまとめられ、爽やかな印象。ピンクの花びらの背景に白い部分が重なり、同系色ながらコントラストがあり、自然とピンクの部分が目に飛び込んできます。
タイトルにもあるように花びらの作り出すラインを主題にしているので、こういう場合は花びらの先端など、全体の輪郭をイメージするような部分は入れないほうがよかったでしょう。試しに画面上部1/3くらいを隠してみましょう。ほら、ラインだけが強調されるようになったでしょう?
ここまで入れてフレーミングしてしまうのは、気持ちのどこかに「これはバラの花びらですよ」という説明したい気持ちがあるからではないでしょうか。被写体の説明をしようとすると、主題の印象が弱くなってしまいますからね。

並木隆

このページのトップへ

並木隆先生が「マクロ写真」を基礎からレクチャー!

的確なフレーミングで撮った、水滴が落ちる瞬間。

こにっしゃんさん「あっ! 落ちる」

こにっしゃんさん「あっ! 落ちる」

EOS 6D・EF180mm F3.5L マクロ USM・1/1000・F3.5・ISO2000・WBオート

水滴の落ちる瞬間……撮るのはとても難しいんですよ。なぜなら、いつ落ちるかわからないからです。この瞬間を撮りたいという気持ちがあってこそ撮れた作品でしょう。花びらの先端だけを入れ、水滴の下に空間を作ったフレーミングはバッチリです。
水滴の写り込みの中心部分にピントを合わせていますが、写り込んでいるのが周囲の草ばかりで、あまりキレイとはいえません。こういう場合は、水滴の表面にピントを合わせても構いませんよ。水滴だから必ず映り込みを写さなくてはならないという決まりはありませんからね。

並木隆

このページのトップへ

「光るマクロレンズ」EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM をチェック

紫一色の世界。1つの花に迫ればさらに印象度アップ。

Kmoriさん「夢の世界に住む」

Kmoriさん「夢の世界に住む」

EOS Kiss X6i・EF100mm F2.8L マクロ IS USM・1/160・F5・ISO125

密度の濃い咲き状況を上手く利用して前後のボケを作り、紫一色の世界を作り上げましたね。先端の花びらの白い部分が際立つ作品となりました。
せっかくですから、もっと寄ってひとつの花だけが浮かび上がるような作品に仕上げてもよいでしょう。小さい花の密度が濃いとほかの花にもピントが合ってしまうので、花と花の隙間が空いているような花(見た目にはスカスカくらい)を探してみましょう。クローズアップするときは、全体の見た目がキレイな花である必要はないのです。

並木隆

このページのトップへ

マクロ撮影の第一人者・並木隆先生の使用機材を大公開!

ライティングによる演出が素晴らしい作品。

リバティさん「オレンジなガーベラ」

リバティさん「オレンジなガーベラ」

EOS Kiss X5・EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II・0.4秒・F36・ISO1600

光の使い方が素晴らしいですね。花びらに付いた水滴部分が、もっとも明るくなるようライティングを調整されています。ただ、主題は水滴のはずなので、それよりも目立つ花芯を全部フレーミングしてしまうと、花芯にも視線が行ってしまいます。映り込みも花芯なので、実物のほうは半分くらい切りとったフレーミングでも構わないと思います。そうすると、より主題が明確な作品に仕上がったでしょう。

並木隆

このページのトップへ

ツルや葉に目を向けた作者のセンスが素晴らしい!

YOSH! さん「絆」

YOSH! さん「絆」

EOS 80D・1/800・F2.8・ISO100・WBオート

花以外の部分に目を向けるのは、とっても大事なことですよ。全体で見ると色のある花のほうに視線が行きがちですが、マクロ写真の世界では、ツルや葉も立派な被写体になります。しかも、開放絞りながら両方のツルにピントが合っているのは、ツルが平行になる位置からレンズを向けているから。これ、意外と難しいのです。
やや惜しいのは背景。明るいツルに、同じく明るい背景を持ってきているので、ツルが背景に溶け込むようになり、印象が弱くなっています。ツルよりも暗い背景のほうがよかったですね。

並木隆

このページのトップへ

バラ、ウメ、コスモス など。被写体別の撮り方テクニック集

被写体は自由。いろんなものをマクロで切りとって!

そらさん「チョコぱん」

そらさん「チョコぱん」

EOS Kiss X50・EF-S60mm F2.8 マクロ USM・1/40・F3.2・ISO3200・WB白色蛍光灯

今回の応募は「花」に限定したわけではないのですが、植物や昆虫以外の被写体を写した作品が少なかったのが残念でした。そらさんの作品からは、つま先がかわいいと思ったことが素直に伝わってきますし、同時に、これが猫のつま先であることもわかりますね。
今度また撮る機会がありましたら、もっと下から肉球が見えるくらい見上げたアングルなど、普段見ることのない視点でカメラを構えてみましょう。同じような切りとりでも、アングルを変えると作品は大きく変わりますよ。

並木隆

このページのトップへ

画面構成を工夫して、さらにステキな作品に!

猫寅さん「隠れ家」

猫寅さん「隠れ家」

EOS 5D Mark III・EF-S60mm F2.8 マクロ USM・1/400・F2.8・ISO100・WBオート

花芯に沿うようにレンズを向けているので、目立つ花芯が前ボケになり、ふわふわのベッドのようになりましたね。ハチがもう少し手前に来ていたら、背景の花びらもぼけて、よりハチが浮かび上がる作品に仕上がったでしょう。
「日の丸構図」ではない構図も試してみたかったですね。最初はフレーミングまで気が回らないものです。メインの被写体を中央以外に配置して画面を構成し、「空間的な流れ」を作って作品のレベルを上げていきましょう。

並木隆

このページのトップへ

この記事は気に入りましたか?

ありがとうございました。

写真家の先生に撮り方を習ってみませんか?

EOS学園

初めてEOSを購入した初心者の方から、さらにレベルアップを目指している方まで、写真を学びたい多くの方々にご満足いただける写真教室です。丁寧でわかりやすい講義と、実践的で楽しい撮影実習の両面から写真の上達を目指します。

講座の詳細・お申し込みはこちら

キヤノン発行の写真誌を購読しよう!

キヤノンフォトサークル会報誌

キヤノンが発行する写真誌 (右写真)を毎月お届けする「キヤノンフォトサークル」。カメラや写真の知識・テクニックを学べる記事、著名写真家の作品、新製品やキャンペーン情報などを掲載。カメラやレンズのモニター貸し出しや、鉄道を撮りたい仲間がリアルに集って撮影を楽しみ学べる「部活」などのイベントも充実!カメラ修理時の割引もございます。

詳しくはこちら

その他にも、さまざまなコンテンツが満載

CANON iMAGE GATEWAY ホーム画面へ