花・クローズアップ! マクロ写真の教室

花・クローズアップ! マクロ写真の教室

  • 講師:並木隆(写真家)
  • 第1回〈月1回・全3回更新〉

クローズアップ撮影の基本

クローズアップの最重要ポイントは「ピント合わせ」

クローズアップレンズやエクステンションチューブを使用すると、最短撮影距離が短くなる分、無限遠にピントが合わなくなります。ピントの合う範囲が狭くなってしまうので、その範囲内で構えていなければオートフォーカス〈AF〉でピントは合いません。〈AF〉でピントが合う範囲を探りながらの撮影は手間がかかるので、マニュアルフォーカス〈MF〉にして、撮影者自身が被写体に近づきながらピント合わせを行いましょう。

基本1レンズのAF/MFスイッチを〈MF〉に切り替える!

まず、レンズ脇にあるAF/MFの切り替えスイッチを〈MF〉にします。ピント合わせは、いまどきAF(オートフォーカス)が当たり前ですよね。でも、クローズアップで花を撮るときは、AFはいったん忘れてください。AFでピント位置を探りながら近づくのではなく、まずはレンズの最短撮影距離まで思い切って近づいてしまおうという作戦です。

レンズのAF/MFスイッチを〈MF〉に切り替える

基本2ピントリングを最短まで回して被写体に近づく!

〈MF〉に切り替えたら、レンズ先端部分にあるピントリングをグルグルと左側に回し切ってください。レンズの最短撮影距離になる位置はここです。その状態でファインダーをのぞきながら、ゆっくりと(1mmずつ、じりじりと寄っていくような感覚で、ほんと〜にゆっくりと!)被写体に近づきましょう。
最初はぼけている像が、近づくにつれて鮮明になっていくしょう。そして、もっともハッキリ見えるようになったらシャッターボタンを押しましょう。

ピントリングを最短まで回して被写体に近づく!

からだを前後に揺するようにして
ピントを合わせる

〈ピントを合わせるときのファインダーのイメージ〉

ピントを合わせるときのファインダーのイメージ

ピントを合わせるときのファインダーのイメージ
近づくにつれて像がクッキリ。ピントが合いました。
ここでシャッターボタンを押します。

基本3花は動くもの。ピントが合うまでたくさん撮る!

花は動くもの。ピントが合うまでたくさん撮る!

撮影データ:EOS 80D・EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM・エクステンションチューブEF12II+STM・
エクステンションチューブEF25II・1/320・F5.6・ISO100・WBオート

クローズアップでは、手ブレしやすく、ピントがズレやすいものなのです。手ブレするようであれば
ISO感度を上げ、ピントが合わなければ合うまで何度もシャッターを押せばいいのです。

クローズアップの度合いが大きくなるほど、ピントの合う範囲は数mm程度と狭くなります。ピント合わせは簡単ではありません。でも、安心してください。ピントが合わなくて当たり前なのです。
なぜなら、撮影者とカメラが完全に停止することは不可能ですし、仮にものすごい集中力でぴたりと止まったとしても、花は風で揺れていることもあるからです。
じつは、花を撮るときはプロの写真家でも長い時間をかけて、理想的なピント位置で撮れるまでじっくり粘ります。2〜3枚撮ってOKということなどあり得ません。
撮影したら再生して拡大表示し、ピントを確認します。ピントが合っていなかったら、合うまで何回も撮影すること!これが思ったところにピントを合わせて撮るコツ。クローズアップ撮影の基本中の基本なのです。

写真家 並木隆先生

ここがポイント!

  1. 1. クローズアップ撮影はアクセサリーでも楽しめる
  2. 2. レンズの「最短撮影距離」を理解しよう
  3. 3. ピントを合わせはマニュアルフォーカスで!
  4. 4. 花は動くもの。ピントが合うまでたくさん撮る!

『花は動体。ピントが合うまで何枚も撮るべし。』

小さな花をクローズアップすると、大きく揺れて動いていてピント合わせは容易ではありません。「ここ」と思うところにピントを合わせるには、気持ちを込めて何枚も撮ること。撮った写真をその場で確認して、ピントの状態をシビアに確認することが大切ですよ。

第2回では、「マクロレンズ」を使った
撮影の方法を紹介します!

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