1964年、東京都生まれ。小学生時代から星に興味を持つ。大学時代にコマーシャルフォトグラファーのアシスタントを勤め、10年間の一般企業勤務を経て天体写真家として独立。天文写真家のみならず微弱光撮影装置のエンジニアとしても活躍中。キヤノンのホームページのコンテンツ「中西昭雄の星空撮影講座」のほか、「デジタルカメラ星景写真撮影術」(アストロアーツ)、「夏の星空案内(よむプラネタリウム)」(共著、アリス館)など著書多数。
それでは、今回選んだ応募作品を見ていきましょう!
※作品をクリックすると講評を閲覧できます。
EOS 6D・EF70-200mm F2.8L IS USM・F5.6・1/20秒・+2/3補正・ISO200
きれいなお月様の撮り方テクニック!「星空写真の撮り方入門」(第1回)
EOS 5D Mark II・EF70-200mm F4L IS USM・F4・9秒・ISO400
雲は星空写真の大敵ですが、上手に使えば絵になる作品を得ることもできます。月によって照らされた雲が不思議な雰囲気を醸し出していますが、スローシャッターを切っている間に雲が流れ、さらに印象深い作品となりました。夏場の撮影のためか、ダークノイズが目立っていますので、こうした場合にはノイズ低減機能のひとつ「長秒時露光のノイズ低減」機能を使ってみてください。
中西昭雄
「長秒時露光のノイズ低減」の解説はこちらに!「こんなときどうする!? "EOS流"機能活用術」
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さそり座の頭部にある青くて淡い散光星雲のそばに、赤い火星が来たときに撮影されています。こうした作品はカメラボディを天体望遠鏡に装着し、赤道儀を用いて追尾しながら撮影するのですが、撮影後の後処理も必要です。非常に多くの手間ひまがかかるのですが、このような写真は「天体写真」の王道とされ、天体写真ファンの多くが取り組んでいるのです。
中西昭雄
EOS 6D・EF15mm F2.8 フィッシュアイ・F2.8・15秒・ISO12800
いかにもマダガスカルで撮影されたと思わせるバオバブの木をシルエットにした見事な天の川の写真です。天の川でもっとも濃くて見応えのある場所は、いて座からさそり座にかけてですが、日本では高度が低く、なかなかきれいに見えないものです。南半球では条件が良く、夜空の暗い場所ではそれは見事な眺めです。南半球に旅行に行く機会があるなら、天の川が良く見える時期を選ぶとよいでしょう。
中西昭雄
EOS 70D・F3.5・1.6秒・ISO6400
雨上がりに虹がかかることは誰もが経験することですが、夜空に明るい月が出ていると、それによって夜の虹「ムーンボウ」がかかることがあります。ムーンボウは雨上がりの空で見られますが、滝の水しぶきでも起きるわけです。世界三大瀑布のひとつ「イグアスの滝」と満月によって現れた、夜空にかかったムーンボウは昼間の虹とはひと味違います。満月の明かりによって星が少ないのが少々残念でしたね。
中西昭雄
EOS 5D Mark III・F1.8・10秒・ISO6400
夏の濃い天の川が、青い池に映っています。このように池や湖に星や天の川が映るには、無風で水面が波立たない気象条件が必要になります。せっかく晴れていても、風が強かったり、大気の透明度が悪かったりすると、このような作品にはならないものです。
中西昭雄
EOS 6D・EF15mm F2.8 フィッシュアイ・F4・20秒・ISO6400
パッと見で素晴らしい天の川だと思いましたら、撮影地はニュージーランドの星空名所、テカポでした。有名になると訪れる人も増え、夜更けになっても観光客で賑わっているそうですが、人口光が増えてしまうのは悩ましいことです。それを差し引いても、天の川の描写は見事。撮影地の夜空の良さを物語っています。大小のマゼラン雲も写っていますね。
中西昭雄
EOS 5D Mark III・EF300mm F4L USM・F4・4秒・ISO6400
数年から十数年に1度くらいの割合でやってくる大彗星。北半球では1997年のヘールボップ彗星以来、来ていません。この作品は2013年3月のパンスターズ彗星。とても良い雰囲気で撮影しています。パンスターズ彗星はあと一歩、大彗星にはなりませんでしたが、夕焼け空に彗星が浮かんだ姿はとても印象深く、いつか次にやってくる大彗星に期待を抱かせるものでした。
中西昭雄
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日出や日没がドラマチックな光景を見せてくれるように、満月時の月出や月没もまた、絵になる光景を見せてくれます。この作品はご自宅前で撮影されたそうですが、良いタイミングを逃さずに撮影しています。第1回目の「妖月」や第2回目の「函館の空にピンクムーン」も同様ですが、皆さんも満月の日には、いろいろなシーンで月出や月没をねらってみてください。
中西昭雄