天体写真家・中西昭雄が選んだ「みんなの星空写真」

 
写真家・中西昭雄先生

中西 昭雄

1964年、東京都生まれ。小学生時代から星に興味を持つ。大学時代にコマーシャルフォトグラファーのアシスタントを勤め、10年間の一般企業勤務を経て天体写真家として独立。天文写真家のみならず微弱光撮影装置のエンジニアとしても活躍中。キヤノンのホームページのコンテンツ「中西昭雄の星空撮影講座」のほか、「デジタルカメラ星景写真撮影術」(アストロアーツ)、「夏の星空案内(よむプラネタリウム)」(共著、アリス館)など著書多数。

中西昭雄の星空撮影講座

それでは、今回選んだ応募作品を見ていきましょう!

  • ほしおさん「北天とゲンジボタル」
  • otocha2さん「半月」
  • PHOEMさん「妖月」
  • ひゅ〜むさん「間ノ岳と天の川」
  • のり輔さん「豊前海の星」
  • kizanさん「橋杭岩の夜明け」
  • Jimmyさん「天使が放った矢」
  • だいずさん「冬の大三角との別れ」

※作品をクリックすると講評を閲覧できます。

応募総数469点の作品を一点一点じっくり拝見しました。どの作品も力作で、眺めていると撮影時の苦労がしのばれ、その中からわずか数点を選び出すのにたいへん苦心しました。
作品を選んでいるときに感じたのは、「あとちょっと」という作品が多かったことです。
「あとちょっと露出が多ければ」「あとちょっとカラーバランスがよければ」「あとちょっと景色より星が引き立っていたら」というように……。今回選ばれなかった方も、決して落胆することはありません。あとちょっとの向上により、作品はぐっと魅力を増すことでしょう。

北天の日周運動と「蛍の舞」を比較明合成で表現

ほしおさん「北天とゲンジボタル」

ほしおさん「北天とゲンジボタル」

EOS Kiss X7・F3.5・17.1秒・ISO1600

比較明合成とは、簡単に言えば複数の画像を比較して明るい部分だけ合成することで、星の写真ではよく用いられます。その比較明合成の手法を用いて、北天の日周運動と蛍の舞の両方を表現している作品です。このような作品は、雲の出ない晴天と蛍の出現が一致した晩にしか撮影できないのですが、数少ないチャンスを逃さずに撮影しています。

中西昭雄

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「上弦の月」をストレートに捉えた作品です

otocha2さん「半月」

otocha2さん「半月」

EOS 80D・F7.1・1/125・ISO400

月は撮影のチャンスが多く、比較的容易に撮影できます。今回もたくさんの作品がありましたが、しっかりしたピントや露出の調節、それに構図やブレに気を使った「月面写真の見本」と言えるような作品は意外と少なかったです。
この作品は、きっちりと基本を押さえ好感が持てます。ぜひ月齢を一巡撮影してみてください。

中西昭雄

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月齢の一巡撮影とは? こちらでご紹介しましたね。チェック!

富士山と月。定番の組み合わせで眼を引きました

PHOEMさん「妖月」

PHOEMさん「妖月」

EOS 5D Mark II・F20・6秒・+2/3補正・ISO400

富士山と月、富士山と星空、富士山と流星というように、富士山をモチーフにした作品はとても多く集まりました。その中で目を引いたのがこの作品です。
夜明け前の薄明の空と富士山から舞い上がる雪けむり。その中にかすんで見える月。まるで星空写真と風景写真の間にあるような作品です。この調子で、ぜひ星の作品も見せてください。

中西昭雄

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秋の高山の澄んだ空気のなかで「天の川」をクリアに撮影

ひゅ〜むさん「間ノ岳と天の川」

ひゅ〜むさん「間ノ岳と天の川」

EOS 5D Mark III・F2・4秒・ISO3200

北岳山頂から捉えた夏の天の川です。10月の宵の口に撮影されていますので、すでに傾きかけています。通常このような写真は山が黒くつぶれてしまうことが多いのですが、この作品ではシャドウ部の諧調を活かすような処理がなされているのでしょうか。作品からは秋の高山の透明度の高さを感じます。

中西昭雄

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PowerShotの「星空モード」で幻想的な作品に

のり輔さん「豊前海の星」

のり輔さん「豊前海の星」

PowerShot G3 X・星空モード「星空軌跡」(F2.8・30秒)・ISO400

この作品は、一見すると長秒露光したように見えますが、PowerShot G3 Xの「星空モード」の「星空軌跡」を用いて撮影されています。1カットあたりの露出は30秒ですが、それを設定した記録時間の間じゅう続けておこない、カメラの内部で比較明合成を行うのです。カメラの機能を上手に使って撮影しています。この調子でさまざまなシーンを撮影してください。

中西昭雄

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星数が少ないのは残念ですが、写真として美しい!

kizanさん「橋杭岩の夜明け」

kizanさん「橋杭岩の夜明け」

EOS 7D Mark II・F5・1秒・ISO400

真冬の夜明けという、一年で最も寒い時期に撮影されています。作者もコメントされていましたが、星空写真としては星数が少ないのが残念でした。しかし、風景写真としては、とても美しく仕上がっていると思います。ぜひもう少し早い時間帯に撮影した作品も見てみたいです。そのほうが星空写真としてはもっといい条件だったかもしれません。

中西昭雄

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ペルセウス座流星群の明るい流星を見事にキャッチ

Jimmyさん「天使が放った矢」

Jimmyさん「天使が放った矢」

EOS 6D・F2・60秒・ISO800

ペルセウス座流星群の流星の作品も多数寄せられましたが、それらの中ではこの作品の流星が見事でした。赤道儀を用いて追尾撮影を行い、「夏の大三角」とその中を流れる天の川、そして明るい流星を見事に捉えています。
流星の撮影は実力だけでなく、運も味方してくれないといい作品に恵まれません。ぜひほかの流星群にもチャレンジしてください。

中西昭雄

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嫌われ者の雲も味方につけて印象的な作品に!

だいずさん「冬の大三角との別れ」

だいずさん「冬の大三角との別れ」

EOS 5D Mark III・EF16-35mm F4L IS USM・F4・20秒・ISO1250

星空写真の撮影では、雲はとかく嫌われるものです。しかしこの作品は上手に雲を味方につけ、一本桜のシルエットも活かして、とても印象的な作品に仕上がっています。
少しだけ残念だったのは、タイトルにある「冬の大三角」がすべて画面に入っていないことです。次回は星の並びをバランスよく画面に収めてみてください。

中西昭雄

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ありがとうございました。

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