フォトいろは - 露出の話とコツ‐露出設定を意識した撮り方‐

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露出の話とコツ‐露出設定を意識した撮り方‐

写真撮影において、明るさはとても重要な要素です。好みの明るさに調整できれば、撮影がもっと楽しくなりますよ。
露出を極めて、ワンランク上の作品撮りを楽しみましょう!

女性やペットは少し明るめで可愛く仕上げたり、古い物は少し暗めに仕上げたりと、撮る物のイメージにあった露出設定ができると写真撮影がもっと楽しくなります。適正露出の概念から難しい白や黒の被写体の撮り方まで、そしてハイキー・ローキー写真にもチャレンジして作品度を上げてみましょう。

露出とは

レンズを通して入ってくる光をセンサー(撮像素子)にあてることを露光といいます。露出とは、そのときの「光の量」、つまり写真の明るさのことで、正しい明るさであることを適正露出といいます。

とはいえ、写真の明るさは撮影者の好みによっても変わってくるので、これが適正露出といった正解はありません。私の場合、ペットや女性等は可愛らしく表現したいので、多少明るめ(+1/3~2/3くらい)で撮っています。このような被写体を暗く(露出アンダー)撮ってしまうと、可愛さが表現しにくくなってしまうからです。

しかし、明るくしすぎて(露出オーバー白飛びしてしまうのも問題があります。少し暗い程度の写真であれば後から補正ができますが、明るすぎて白飛びしている部分は色情報がないので、後から補正をすることができません。そのため、白飛びを防止するのに普段から「ハイライト警告」を表示しておくとわかりやすいです。こちらを設定すると、カメラの液晶で写真を再生したときに、白飛びしている部分がチカチカ点滅します。背景などを意図的に飛ばしているならかまいませんが、意図せずに被写体が白飛びしている場合は少し暗めに設定し直しましょう。

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4点とも適正露出の作品です。明るすぎず暗すぎずの露出なので、見る側も安心して見られますね。

白や黒の被写体の露出設定

そもそも露出とは「絞り」と「シャッター速度」と「ISO感度」の組み合わせによって決まります。カメラには露出計が内蔵されており、露出補正メーターの0がカメラが決めた適正露出となります。0で撮れば、ほぼ失敗のない写真が撮れるので便利ですが、白い被写体や黒い被写体を撮るときには注意が必要です。

カメラの露出計は18%グレーを基準に設定されています。そのため、カメラは撮る物が18%グレーの反射率になるように設定を行ないます。したがって、反射率の高い(反射率約100%)白い被写体を撮ると、18%グレーにするため、結果でき上がりの写真は暗め(グレーっぽく)に仕上がります。逆に反射率の弱い(反射率約0%)黒い被写体を撮ると、見ためよりも明るい写真に仕上がります。そこで見ためと同じ明るさで撮影するためには、被写体の色に合わせた露出補正が必要となる訳です。白や黄色、ピンク等の明るい被写体を撮るときにはプラス補正、黒や紫等暗い被写体を撮るときにはマイナス補正をして調整しましょう。

デジタルカメラでは撮ってすぐに画像を確認できるので、そこで暗いと感じたら+補正、明るいと感じたら-補正を行なってみてください。ちょこちょこ補正するのが面倒と感じる場合は、AEB撮影機能を使ってみましょう。AEB撮影では、あらかじめ設定した露出の他に、少し明るい画像と少し暗い画像を撮ることができるので便利ですよ。

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白いくじゃくは+1、ゴリラは-1で撮影することで適正な明るさに仕上がりました。逆光での撮影でも+1~2補正することで、被写体が黒潰れすることなく撮影できます。

ハイキー・ローキー写真

露出補正のコツがわかってきたところで、「ハイキー」や「ローキー」写真にもチャレンジしてみるとおもしろいですよ。

ハイキー写真は、かなり明るく撮影することで可愛さや柔らかさを表現します。ハイキーに向いているのは海や花、女性などでコントラストの低い被写体です。フレーミングする際は、なるべく暗すぎる物は入れずに光があふれているような状況を切り取りましょう。露出は+2前後に設定をして、優しい雰囲気で仕上げてみてください。さらにホワイトバランスを3000~4500kに設定すれば、青味もプラスされ、爽やかで淡い雰囲気の写真を楽しめますよ。

ローキー写真とは、暗めに撮影することで重厚感や質感を表現する手法です。男性や古い物、金属や石などがローキー写真におすすめです。コントラストがある程度あり、暗い中にも一方向からの光が入っている状態であればなお良いですね。-1前後にマイナス補正をして、落ち着いた雰囲気の作品に仕上げてみましょう。また、夕陽や青空をバックにペットや人物を撮影すれば、影絵のようなシルエット写真ができますよ。シルエット写真では主役が完全に黒く潰れるように、-2程度の補正を行ないます。

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ハイキーなラベンダー写真は、下の黒い土部分が入らないように、ローアングルから見上げて青空を多く入れ込んだフレーミングをしました。わんこのシルエット写真は、夕陽の赤味を強くするため、ホワイトバランスを9000kに設定しています。

© OGAWA AKIYO & YUZAWA YUSUKE

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