お手入れ定期便 Vol.2

じめっとした湿気は、カビが繁殖する原因。「パンやおもちなどの食品ならわかるけど、カメラやレンズもカビるの?」というあなた。はい、うっかりしているとカビます。拭いても簡単に落とせず、修理が必要なケースもあります。

レンズをのぞき込んでも、見えない場合でもカビが発生している場合があります。こんなふうにカビが目視できるようだと、かなり症状は重いと言えるでしょう。
カビたレンズはくもりガラスと同じですから、クリアな映像が得られません。解像度が低下したボンヤリした写真になってしまいます。カビのソフトフォーカスなんて、最悪ですよね!

ファインダーや液晶モニターでも確認できるほどのレンズのカビは、かなりの「重症」。部品交換が必要な場合も!

たとえばカメラのカビは、こんなところに!写真は一眼レフカメラのミラーを押し上げると見えるサブミラー部です。
※コンパクトデジタルカメラでもカメラ内部にカビが発生する場合があります。
カビは湿気と、皮脂などの汚れを栄養にして増殖します。いつもクリーンな状態にしておかないと、カメラにだってカビが生えてしまいます。カメラ内部がカビるような高湿な場所では、金属部品がサビてしまうかもしれません。
高温多湿なのが日本の気候の特質。カビなどのトラブルを起こしたくないなら、大切な機材に、湿気を寄せつけないことです。湿気・カビから機材を守る方法を紹介しましょう。
愛機を湿気・カビから守る対策の定番は、防湿庫による管理です。電子制御で温度と湿度を調整できる機能を持つ製品などがあります。また、プラスチックケースに入れるタイプの防湿ケースも人気。予算や機材の量に応じて選びたいですね。
ちなみに、キヤノンイメージゲートウェイ
会員の皆さまの、およそ6割が
防湿庫をお持ちでした!
(「マイベストカメラアワード2016」アンケートより)


家の引き出しや押し入れなど、空気がよどんだ場所、湿った空気が溜まりやすい密閉空間に長期間放置するのはNGです。気づけばカビだらけかも!
「ふだんからカメラを使っていればカビないよ」というプロ写真家もいます。外に持ち出し外気に触れさせれば、室内よりは湿気が少ないでしょうし、ズームリングなどを動かすことでレンズ内部に滞留した空気の入れ替えもでき、結果的にカビから守ることができます。

リアキャップを外すのがポイント
この記事を読む前に、すでにしまってあった機材にカビが生えていた!そういう場合、カビは通常のクリーニングでは完全にきれいにできないことも多いので、専門家に処置を依頼しましょう!

レンズの表面に生えたカビは落とせても、内部のカビはレンズを分解してクリーニングする必要があります。そうした作業は、メンテナンスのプロの領域です。あたふたしないで、プロにバトンタッチ!
レンズのカビを放置すると、カビの菌糸がガラスに根を張り、ダメージを与えてしまいます。そうなるとレンズの一部の交換が必要に……。そんな最悪の事態になる前に、「カビたらすぐ修理!」と覚えておいてください。修理は「らくらく修理便」が便利です。

ケース 機種名 |
EF70-200mm F2.8L IS II USM |
EF24-105mm F4L IS USM |
EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM |
---|---|---|---|
部品の交換が必要ない場合 清掃で除去可能 |
12,000円 | 9,000円 | 5,000円 |
表面にカビが発生している程度で、 部品交換が必要になった場合 |
37,000円 | 19,000円 | 10,000円 |
内部にもカビが発生しており、 表面レンズ、内部レンズが1枚ずつ 交換が必要な場合 |
70,000円 | 28,000円 | 15,000円 |
内部にもカビが発生しており、 ガラスを3点以上交換する場合 |
95,000円 | 45,000円 | 20,000円 |
※上記金額は目安金額となります。 お客様のカメラ・レンズの状態により、修理料金は前後いたします。
カメラバッグや防湿庫などにレンズを保管するとき、
タテにするかヨコにするか、どちらが正解だと思いますか?
答えは、「どちらも正解」。ただし、ヨコに置くときはコロコロ転がらないようにご注意ください。タテでもヨコでも、レンズを落としたりして衝撃を与えない安全な場所に保管するのが正解です!
保管場所として高温多湿を避けるのは今回の「お手入れ定期便」でお話ししたとおり。また、タテ置き、ヨコ置きのどちらかが湿気対策としてオススメ……という違いもありません。