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こんなときどうする!?04|EOS流機能活用術

Q.夜景をノイズなしでキレイに撮りたいときは?

横浜 みなとみらいの夜景

 

横浜、みなとみらいの夜景です。夜景の撮影ではISO感度を上げたり、長秒時間露光での撮影が基本となりますが、画像にざらざらしたようなノイズが出てくる場合があります。そんなときは、画像のノイズを低減してくれるEOSの機能を活用します。さて、どんな機能でしょう?

部分拡大写真

部分拡大写真

↓

4枚連続で撮影した画像を合成して、ノイズを低減することができる機能。

A.マルチショットノイズ低減

Multi Shot Noise Reduction

作例(マルチショットノイズ低減機能」撮影例)

「マルチショットノイズ低減機能」を設定して撮影

「マルチショットノイズ低減機能」は、一度シャッターボタンを押すだけで4枚の画像を自動で連続撮影して1枚のJPEG画像に合成し、解像感を保ったままノイズを抑制できる便利な機能です。ただ、JPEGしか記録できないので、記録画質をJPEGにしてからでないと設定できません。

    注意ポイント
    • ●
    • 設定時には、「長秒時露光のノイズ低減」は〈OFF〉にしておく必要があるのでご注意ください。
    • ●
    • 記録画質がRAW、RAW+JPEGに設定されているときは設定できません。記録画質をJPEGに設定してから、「マルチショットノイズ低減機能」を設定します。
    • ●
    • 手ブレなどにより画像のズレ量が大きいときは、ノイズ低減効果が小さくなることがあります。手持ち撮影のときは手ブレに注意してください。三脚の使用をおすすめします。
マルチショットノイズ低減機能

設定方法 設定方法

  • メニュー画面
  • →
  • マルチショットノイズ低減機能 設定

EOS 7D Mark IIを例に、設定方法を説明します。メニュー画面のカメラマーク「撮影タブ」の3番目のサブタブから「高感度撮影時のノイズ低減」を選択。「マルチショットノイズ低減」を選んで「SET」ボタンを押します。初期設定では、「標準」に設定されています。

2つのノイズ低減機能

画像に発生するノイズを低減するEOSの機能として、次の2つも覚えておきましょう。

高感度撮影時のノイズ低減

  • メニュー画面
  • →
  • 高感度撮影時のノイズ低減 設定

すべてのISO感度で作動しますが、とくに高ISO感度撮影時に有効です。「弱め」「標準」「強め」があり、初期設定では「標準」に設定されています。「強め」を設定すると解像感が失われる場合があるので注意しましょう。

設定方法 長秒時露光時のノイズ低減

  • メニュー画面
  • →
  • 長秒時露光時のノイズ低減 設定

露光時間1秒以上で撮影した画像に対して、ノイズを低減することができます。「しない」「自動」「する」があり、初期設定では「自動」に設定されています。通常の撮影よりもカードに画像が記録されるまでの時間が長くなり、処理が終わるまで次の撮影はできません。

こんな場面で活用!
①

夜景撮影でISO感度を
上げて撮影したいとき。

②

高感度撮影による
ノイズが気になるとき。

③

解像感を維持したまま
ノイズを抑えたいとき。

・登録している機材の取り扱い説明書はキヤノンイメージゲートウェイのサポートページでご覧いただけます。サポートページはこちら。

※CANON iMAGE GATEWAYにご登録されていない製品は表示されません。お持ちの製品の追加登録をお願いします。

プロ写真家 出水先生の撮影術

夜景や星を入れ込んだ風景撮影では、「高感度時のノイズ低減」を〈標準〉に、「長秒時露光のノイズ低減」を〈自動〉に設定して撮影しています。〈OFF〉にしている方も多いようですが、私の場合、15分以内の長秒時露光では、「長秒時露光のノイズ低減」を活用します。なぜなら、カメラ内でノイズ低減処理を行っておけば、後工程での画像処理が微調整ですませられるからです。

出水先生作品 「長秒時露光のノイズ低減」〈自動〉で撮影

「長秒時露光のノイズ低減」〈自動〉で撮影

ただし、花火をテンポよく撮影したい場合は、「長秒時露光のノイズ低減」〈しない〉に設定します。この機能を使うと、カメラの画像処理に露光時間とほぼ同じ時間がかかり、その間、次の撮影ができないからです。撮影意図に合わせて設定をすることで、思いどおりの作品を撮ることができますよ。

出水先生作品 「長秒時露光のノイズ低減」〈しない〉で撮影

「長秒時露光のノイズ低減」〈しない〉で撮影

「RAWモード」なら撮ってから調整

RAWモードライン01

プロ写真家はRAWモードを活用して、思いどおりの作品に仕上げています。EOSのRAWモードで撮影したRAWデータなら、付属ソフト「DPP(Digital Photo Professional)」を使って、ノイズ処理をあとで変更することが可能です。輝度ノイズ緩和や色ノイズ緩和のスライダーを使って、仕上がりの変化を見てみましょう。

※キヤノンのRAW現像ソフト「Digital Photo Professional4(DPP 4)」を使用している画面です。

・「DPP 4」の詳しい説明とダウンロード(無料)はこちらから。
※お持ちの機種が「DPP 3」対象の場合は、同梱されているCD(EOS Solution Disk)からインストールしてください。製品付属CDがご利用になれない方は下記よりダウンロードいただけます。必要なソフトウェアを選択してインストールしてください。

・「DPP 3」Windows版

・「DPP 3」Mac OS版

DPP4での調整
RAWモードライン02