《プロが教える》カメラアクセサリーの選び方

《プロが教える》カメラアクセサリーの選び方初心者も持っておきたい「三脚」の選び方。

合地清晃

合地清晃(ごうち・きよあき)

写真家・EOS学園講師

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合地清晃(ごうち・きよあき)プロフィール

1966年、岡山県生まれ。'90年、写真学校卒業後、写真家・大山謙一郎氏に師事。コマーシャルフォトを中心にフリーランスとして活動、カメラ雑誌への原稿執筆や撮影会指導等アマチュアカメラマンの指導にも定評がある。 EOS学園東京校講師。

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2018.10.31

カメラアクセサリーにはさまざまなアイテムがあります。なかでも写り方に大きな影響を与えるのが三脚です。カメラをしっかり固定できる三脚があると、手持ち撮影では難しい写真表現が可能となります。三脚で広がる写真の世界にご案内しましょう。

三脚を使えば、
こんな写真が撮れる!

Q. どうやって撮るの?
カッコいい光のライン!

光のライン

EOS 80D・EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM・F22・180秒・ISO100

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A.「三脚」でカメラをしっかり固定して
撮ります。

たとえば、こんな写真。筋状に伸びる屋形船の光跡を写しました。長時間露光で画面内の船が通り過ぎるまでシャッターを開いて撮影しています。このシーンではシャッターを開いたままにできるB(バルブ)モードを使用して180秒間(3分間)も露光しているのです。ここで大切なのは、露光中のカメラが動かないようにすること。手持ち撮影ではとてもムリですが、三脚があればカメラをしっかり固定して写せます。

ISO感度を上げれば「手持ち」でも撮れます。
でも、よりきれいに写すには三脚です!

夜景

EOS 5D Mark IV・EF16-35mm F4L IS USM・F8・1/60秒・ISO25600

夜景やライトアップなど暗い場所の撮影でもISO感度を高くすれば、手持ちで撮影することが可能です。このシーンではISO25600で手持ち撮影をしています。ただ、ISO感度は高く設定するほど少しずつ画質が低下します。部分拡大してみると少々ノイジーに粒子が粗くなっている場合があるのです。三脚を使いスローシャッターが使えるようにすると、ISO感度を下げることが可能に。その結果、より美しい写真に仕上げることができます。

カメラを固定できる三脚を使えば、遅いシャッタースピードでもカメラブレを起こさず、手持ち撮影では不可能な長時間露光が可能です。また、しっかりフレーミングして、じっくり被写体と向き合って撮影できるため、手持ち撮影とはひと味違う撮影ができます。三脚を上手く使いこなせば、もっと自由に写真を楽しめますよ。

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夜景写真だけじゃない。
風景写真も三脚で変わる!

「三脚」+スローシャッターで、
水の流れを表現。

風景写真

EOS 5D Mark IV・EF70-300mm F4-5.6L IS USM・F16・3.2秒・ISO100

滝や渓流などの水の流れを表現するには、スローシャッターにより意図的に被写体をぶらして撮ります。シャッターを開いている時間が長いほど滑らかな流れになるので、カメラをしっかり固定できるしっかりした三脚が欠かせません。

花の写真も「三脚」を使えば
よりシャープに。

花の写真

EOS 5D Mark IV・EF100mm F2.8L マクロ IS USM・F4・1/250秒・ISO800

ちょっとした揺れでもピントが大きくずれやすいマクロ撮影では、被写体とカメラの距離を一定に保つことが大切です。三脚を使えばカメラと被写体の距離が固定でき、シャープな描写ができるようになります。

クオリティーの高い風景撮影に
「三脚」は必需品。

風景写真

EOS 5Ds R・EF24-70mm F4L IS USM・F11・1/4秒・ISO800

構図を決めてシャッターチャンスを待ったり、同じ構図で露出を変えることの多い風景写真の撮影では、カメラを固定したほうが効率的です。しっかりした三脚を使えば、被写体を見る余裕が生まれ、じっくりと風景に向き合えるでしょう。

知ってる?
三脚の立て方

1本はレンズ側となるように立てます。

三脚を立てる時には基本の向きがあります。
三脚をうまく使うにはいくつかのポイントがあります。まずは三脚を立てる向きを覚えておきましょう。三脚にはその名のとおり3本の脚がありますが、そのうちの1本がレンズ側となるように立てます。残り2本の脚の間に体が入り、構えやすくなります。また、平らではないところに三脚を立てる場合は、3本の脚の長さを調節して、三脚自体が傾かないようにします。

「三脚」選び方の
ポイント

①がっちり固定できる安定性

三脚の安定性は、重さと強度で決まります。安定性だけを考えれば大きく重い三脚がよいのですが、あまり大きいと持ち運びが大変。適度な重さでしっかりとした造りの三脚を選びましょう。
三脚選びの際、ぜひチェックしたいスペックが「耐荷重」です。耐荷重とは、三脚が支えられる機材重量の上限のこと。ただし、各メーカーによって基準はまちまちなので、事前に三脚で使用するカメラとレンズの重量を測っておき、耐荷重に余裕(2〜3倍程度)のある三脚を選ぶとよいでしょう。

②ほどよい高さがあること

三脚の高さは、撮影時の使い勝手に大きく影響します。「センターポール」と呼ばれる部分を伸ばさず、立って撮影するときの目の高さに無理なく伸ばせると理想的。あまり大型の三脚はちょっと……という場合、せめてセンターポールを伸ばしたとき、高さに多少の余裕があるものを選ぶようにしましょう。

③脚の伸縮機構とストッパー

三脚は、使用時に脚を長くしたり、短くしたりして使います。そのため、脚の長さを固定する部分の仕組み(機構)により使い勝手が変わります。脚の長さ調整は、大きく分けて「回転式(ナット式)」のロック機構と「レバー式」のロック機構があります。どちらがよいかは好みにもよるのですが、いずれの場合もしっかりロックできるものを選びましょう。

④雲台は2タイプ。自由雲台と3Way雲台

雲台は三脚にカメラを取り付けると同時に、カメラの方向を自在にコントロールし、希望の位置で固定する役目があります。
雲台には大別すると2つのタイプがあります(*)。ワンタッチでさまざまな方向に動かせる「自由雲台」上下、左右、回転など個別に調整できる「3Way雲台」です。
自由雲台はワンタッチで素早く操作できることに加え比較的軽量ですが、精密な調整には慣れが必要です。
一方、精密に操作しやすいのが3Way雲台です。ただ、ロックする箇所が複数になるため素早く操作できるようになるには慣れが必要。また、自由雲台に比べると大きく、重くなりがちです。
どちらがよいかは一長一短です。じっくり撮る自然風景のように水平の傾きを気にすることが多いシーンでは3Way雲台が好まれることが多く、機動性や軽さを最優先する場合は自由雲台が使いやすくておすすめです。
雲台は好みで取り換えられるので、まずはどちらか一つ使ってみるとよいでしょう。

(*)この他にも、一脚に用いられることのある1Way雲台などがあります。

自由雲台

自由雲台

3Way雲台

3Way雲台

選び方のポイントのまとめ

  • 重いカメラとレンズでもがっちり固定できる
  • カメラの位置が目の位置になるほどよい高さ
  • 脚の伸縮と、高さを決めるストッパー機構
  • 雲台はお好みで「自由雲台」と「3Way雲台」

手持ちで多くのものがキレイに撮れるようになりましたが、画質や構図に妥協せず、とことんこだわりたい人は、当たり前のように三脚を使って撮影しています。シャッタースピードが遅くなるとブレが気になって撮れなくなる……そんな呪縛から自由になるためにも、三脚の使用はおすすめ。お気に入りの一台をぜひ見つけてください。

合地清晃

合地清晃(ごうち・きよあき)プロフィール

1966年、岡山県生まれ。'90年、写真学校卒業後、写真家・大山謙一郎氏に師事。コマーシャルフォトを中心にフリーランスとして活動、カメラ雑誌への原稿執筆や撮影会指導等アマチュアカメラマンの指導にも定評がある。EOS学園東京校講師。

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目的に合ったものを選ぼう!キヤノンがおすすめする
三脚5選

カメラ本体とレンズの組み合わせ重量の例

カメラ本体とレンズの組み合わせ重量の例

*カメラ本体の質量(CIPAガイドラインによる)と、レンズの質量を合算。

耐荷重8kg、幅広いカメラ・レンズの組み合わせに対応。

マンフロット befreeアドバンス アルミニウムL三脚キット

マンフロット befreeアドバンス
アルミニウムL三脚キット

★ メーカー担当者からのオススメコメント
機能とデザインに優れたトラベル三脚の「befree」がさらにスペックアップ。「befreeアドバンス」は従来モデルの縮長400mmはそのままに、新雲台と本体部の強化で耐荷重を4kgから8kgに大幅アップ。ミラーレスや小型一眼レフカメラだけでなく、一眼レフカメラやズームレンズなど対応機材の幅が広がります。
脚の折りたたみや角度調整もより使いやすくなり、付属のボール雲台はフリクションコントロールやパンロックを装備。脚ロックは素早く操作ができるクイックレバー式。クイックレバーが緩くなった場合は付属のレンチで調整が可能です。

●重量1,590g ●4段・1,510mm ●縮長400mm ●耐荷重8kg ●レバーロック ●クイックシュー、反転収納、ケース付き

機材を少しでも軽量・コンパクトにしたいなら!

ベルボン UTC-63

ベルボン UTC-63

★ メーカー担当者からのオススメコメント
驚異の小型高性能を誇る「UTシリーズ」。独自の脚の反転収納により伸縮比は驚きの約4.3倍に。さらに軽量化に磨きをかけたカーボンファイバーモデル。気軽に持ち運べる小型サイズにもかかわらず、カーボンパイプの太さが30mmと、フルサイズ一眼レフにもしっかり対応しています。
ベルボン独自のロック方式「ウルトラロック」により、脚先端を握ってひねるだけで、全段を一気に固定・解除することができ、驚くほどスピーディーなセッティングが可能です。

●重量1,520g ●5段・1,550mm ●縮長360mm ●耐荷重4kg ●ウルトラロック ●クイックシュー、反転収納、ケース付き

独自の伸縮機構で、コンパクトながら幅広い最低高~全高をカバー。

ベルボン ULTRA 655

ベルボン ULTRA 655

★ メーカー担当者からのオススメコメント
フルサイズなどの大きめのデジタル一眼レフにも対応可能な中型サイズのウルトラロック式三脚。小さな花の接写などに便利なローポジション(最低高248mm)から、自然な目線に近い1,660mmまでの撮影が可能です。
ベルボン独自のロック方式「ウルトラロック」により、脚先端を握ってひねるだけで、全段を一気に固定・解除することができ、驚くほどスピーディーなセッティングが可能です。

●重量2,060g ●5段・1,660mm ●縮長483mm ●耐荷重3kg ●ウルトラロック ●クイックシュー、ケース付き

とにかく軽い三脚。ミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラにおすすめ。

スリック エアリーM100

スリック エアリーM100

★ メーカー担当者からのオススメコメント
脚を反転させることで持ち運び時の全長を短くすることができ、350mmのコンパクトさを実現。雲台の形状を変更し、脚の間に雲台が収まるようにすることで、よりスリムな収納スタイルを実現。収納時の細さは500mlペットボトルとほぼ同じなので、携帯に便利です。耐荷重が1.5kgと少なめなので、利用するカメラはコンパクトカメラなど軽量のカメラがおすすめです。

●重量895g ●4段・1,241mm ●縮長350mm ●耐荷重1.5kg ●レバーロック ●クイックシュー、反転収納、ケース付き

夜景撮影に便利なLEDライトを装備! 本格派トラベルカーボン三脚。

スリック エアリーカーボン 645LED

スリック エアリーカーボン 645LED

★ メーカー担当者からのオススメコメント
脚を反転して折りたたむことでスリムに収納できる「エアリー」シリーズのカーボン5段タイプ。エレベーターの下部に、着脱可能なLEDライトを装備。夜間、暗い足元を照らすなど、懐中電灯代わりに使用できます。
5段タイプなので、全高1,466mmでアイレベルの高さながら縮長はわずか370mm。荷物のかさばる旅行に最適な三脚です。また、地上わずか187mmのローポジション撮影が可能。雲台はアルミ削り出しにより軽量・小型ながら強い固定力を実現。3kgまでの機材を搭載できます。カメラ取り付けはアルカスイス規格互換のクイックシューを採用しています。

●重量1,065g ●5段・1,466mm ●縮長370mm ●耐荷重3kg ●ナットロック ●LED、クイックシュー、反転収納、ケース付き

導入するだけで簡単に写真撮影のレベルアップができるツール、それが三脚です。
お気に入りの一台を見つけて、ぜひ皆さんステキな写真を撮ってくださいね。