すてきな愛犬写真を撮るための
ワンポイントTIPS
プロフィール
大阪市生まれ。カナダ トロント市在住中に犬と暮らしをはじめペットの撮影を始める。2015年に(有)ドッグファーストとスタジオD1を設立。広告を中心としてペットや子供の撮影などを手掛ける。現在トイプードルのPASTEL、ノーフォークテリアのCOOPY、ジャックラッセルテリアのPOPとCOLORの四頭の愛犬と暮らしています。
EOS学園 講師プロフィールへ「愛犬をもっと可愛く、すてきに撮りたい!」。そんな方は、ぜひこのページをご覧ください。ドッグフォトグラファー・中村陽子さんの作品とともに、作品にこめられた工夫やアイデアをご紹介。愛犬の撮影に役立つTIPS(コツ)、撮り方のヒントがきっと見つかるはずです。
中村 陽子
大阪市生まれ。カナダ トロント市在住中に犬と暮らしをはじめペットの撮影を始める。2015年に(有)ドッグファーストとスタジオD1を設立。広告を中心としてペットや子供の撮影などを手掛ける。現在トイプードルのPASTEL、ノーフォークテリアのCOOPY、ジャックラッセルテリアのPOPとCOLORの四頭の愛犬と暮らしています。
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・動く犬を撮りたい時に便利な「瞳トラッキング」とは?
・紅葉写真をクリスマスカラーに! 色を調整するコツは?
・走る犬を「流し撮り」で撮るポイントは?
・背景に暖かい色あいの玉ボケを作るポイントは?
・お家ポートレートでは「背景」と「場所づくり」に気を配ろう
・フレーミングに便利なクロップ機能を使ってみよう!
・屋内撮影で大切なポイントは「光」。
・絞り開放で撮る時、犬にピントを合わせるコツは?
・木漏れ日を使って新緑を華やかに撮るポイントは?
・ソメイヨシノと小さな犬を一緒に撮る時のコツは?
・色鮮やかなお花と愛犬を撮る時、注意すべきポイントは?
・屋内でセットを組んで撮影する時に大切なことは?
・海辺の風景と愛犬を美しく表現する撮り方とは?
・おしゃれな雰囲気のポートレート写真を撮るには?
・イルミネーション撮影で雰囲気を出すには?
・駆け抜ける犬を撮るとき重要なことは?
・自然の中のドッグポートレート撮影は「光」がポイント!
・夕日や朝日のシーンをよりドラマティックに仕上げるには?
・ジャンプを撮るポイントはピントの合わせかた!
・アジサイと一緒に撮るなら、思いっきりローアングルで!
・集合写真でも絞りを開けて、自由な発想で撮ろう!
・犬の表情・ボケ具合をイメージして撮ろう。
・桜と犬を可愛く撮るポイントは「逆光」。
・黒い犬を撮るときは、目線を窓や灯りに向けよう。
・背景を大きくぼかすために、二頭の顔を揃えよう。
・霧をしっかり写して、幻想的な雰囲気に!
・ハロウィンフォトを演出する3つのアイデア。
1POINT TIPS
- TIPS
動く犬を撮りたい時に便利な「瞳トラッキング」とは?
新年、あけましておめでとうございます! 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、2023年最初のフォトは、2022年12月に発売された新機種EOS R6 Mark IIで撮影した作品です。強化された「瞳トラッキング」機能を使って、雪の中を飛んだり跳ねたりする愛犬を撮ってみました! 使った感触はやっぱり最高です。こんな感じのハイジャンプ写真も、バッチリピントを合わせて撮ることができました。
「瞳トラッキング」付きのカメラは、いったん被写体をつかんだら、すべての測距点で被写体を追いかけてくれるのがとても便利。面白いようにピントが合い続けるので、気持ちよく撮影することができます。大切なのは、まず最初に「カメラに被写体(犬)を認識させる」こと。それをしないで撮影すると、カメラが犬ではない場所にフォーカスして、犬のピントが甘い写真になってしまうことがあるので注意しましょう。
今はEOS R3、EOS R6 Mark II、EOS R7、EOS R10が「瞳トラッキング」に対応しています。動く犬を追うのが苦手な方も「瞳トラッキング」付きのカメラを使えば、元気に動くシーンを簡単に撮影できますよ!
- TIPS
紅葉写真をクリスマスカラーに! 色を調整するコツは?
先日、紅葉を撮りに愛犬たちと出かけました。紅葉は鮮やかでとても美しく、この日も楽しく撮影できました。少し暗くなってきたので「そろそろ帰ろうかな?」と考えながら歩いていると、朱色に紅葉したドウダンツツジを見つけました。犬が覗くとちょうど良い隙間があったので、そこに座ってもらうと…とってもかわいくていい感じ!「紅葉だけど、色次第ではクリスマスっぽくなりそう!」と思い、撮ってみました。
撮影後にDigital Photo Professionalの特定色調整パレットで、赤色の部分だけに少し青色を足してみました。すると、ツツジが秋らしい朱色から、ポインセチアのようなクリスマスカラーに大変身。クリスマスらしい色味の仕上がりにすることができました。現像ソフトをうまく使うと、自分のイメージに合った色味に近づけることができます。ぜひ挑戦してみてくださいね!
- TIPS
走る犬を「流し撮り」で撮るポイントは?
愛犬たちとドッグランに遊びに来ました。元気に楽しそうに走る犬たち。楽しそうな笑顔を撮りたいと思い、カメラを取り出しました。でも、緑の芝生は寒さで枯れてきてしまっていて、ドッグランの中は少し寂しい印象…。それならいつもと違う撮り方をしてみようと思い、「流し撮り」で撮ってみることにしました。カメラの設定はこの通りです。
・撮影モード=マニュアル
・シャッター速度=1/100秒
・絞り=F8
・ISO=200(明るさをみながら)
・レンズのスタビライザーモード※=モード2
でも、この設定で走る犬を撮ると、被写体ブレを起こしてしまいます。走る犬の速度に合わせて、犬を追うようにカメラを振りながら撮影しましょう。犬の速度とカメラを振る速度がうまく合えば、犬は止まっているのに背景は大きく流れている、躍動感のある写真を撮ることができます。ぜひ試してみてくださいね!
※ スタビライザーモードは手ブレ補正の動作設定で、モード2は流し撮りに有効な設定です。この設定がない機種もありますが、流し撮り自体は可能です。
- TIPS
背景に暖かい色あいの玉ボケを作るポイントは?
暑かった夏も過ぎ去り、屋外での撮影を楽しめる秋がやってきました。とはいうものの、まだまだ緑が青々としているところも多く、この日もまるで夏のような陽気。でも、やはり季節はすすんでいるようで、森の中に入ると、そこには秋を感じる丸太がありました。いい雰囲気だし、どんな感じで撮ろうかと周りを見渡しましたが、赤や黄色の華やかな紅葉には少し早い時期なので、背景は少し地味です。華やかさを出すために、木漏れ日を利用して玉ボケを作ることにしました。まず、小さな点光源が漏れる木漏れ日を探します。レンズは望遠を使って犬に少し寄り気味、絞りは開放にします。そうすることで点光源が大きくボケて、華やかな玉ボケを作ることができます。
そして、写真を秋らしい色あいにするために、まずはホワイトバランスを「日陰」に設定します。それにより写真が黄色みがかった色になり、秋っぽさが増します。つぎにピクチャースタイルを開いて「色あい」をマイナスに設定すると、さらに秋らしくなりますが、もっと簡単に秋らしい色あいを作る方法があります。
それは、キヤノンのWEBサイトから追加ダウンロードして使用することができるオリジナルピクチャースタイル「紅葉-Autumn Hues」を使うことです。赤や黄色など、秋ならではの色彩の美しさを際立たせることができます。暖かい色あいの玉ボケがあるだけで、森がキラキラ秋色に輝いて見えるようになります。ぜひ試してみてくださいね!
- TIPS
フレーミングに便利なクロップ機能を使ってみよう!
暑い日が続いていますね。すこし暑さがやわらいだ日、はじめてのカフェにランチに出かけることにしました。そのカフェの植え込みに、背の低い百日紅が植わっていました。百日紅はとてもかわいい花なのですが、背が高いものが多く、犬との撮影はやや難しい花です。めずらしく犬の背の高さに花があるのが嬉しくて、一緒に撮影してみることにしました。
望遠レンズで切り取りたい場面でしたが、ランチのつもりで出かけたので、持っているレンズはRF50mm F1.8 STMだけ。避けたくても、色々なものがフレームに入ってきてしまいます。そんなときに頼れるのが、クロップ機能です。キヤノンのカメラの中には、画角をクロップして(切り取って)撮影できる機能を持つものがあります。この機能を使うと約1.6倍に拡大された状態でフレーミングできるので、50mmのレンズなら80mmの画角で撮影することができます。その分、画素数が少なくなってしまうのですが、少し寄ったフレーミングができたことで、イメージ通りの写真が撮れました。もし対応機種をお使いであれば、クロップ機能を活用してみてくださいね。
- TIPS
屋内撮影で大切なポイントは「光」。
暑い夏がやってきました。屋外に出るのが厳しい暑さの時は、涼しいお部屋で写真を楽しみましょう。部屋の中でも、大切なのは光です。まずは、光のあて方を気にしてみましょう。窓辺からの明るい日差しは良い照明になりますが、差し込む光が強すぎる時は、透け感があるカーテンなどを使って光を弱めてもいいでしょう。また、目に光が入る角度に視線を向けて撮りましょう。瞳にキャッチライトが入ると、柔らかな印象でありながら、目の印象を強めることができます。
つぎに、光の色合いに注意してみましょう。この写真のように違う色の光(電灯と日光)が混じり合う状況では、オートホワイトバランスで撮影しても思ったような色合いにならないことがあります。オートでうまくいかない場合は、マニュアルで調整するか、撮影後にDigital Photo Professionalで微調整をして、思い通りの色合いに仕上げてみましょう。
- TIPS
絞り開放で撮る時、犬にピントを合わせるコツは?
自然が豊かなドッグランに遊びにきました。小雨が時折降るような曇りの日でしたが、雲のおかげで程よくディフューズされたやわらかい光が犬たちをやさしく照らしてくれていました。ふわふわの毛並みをそのままのイメージで写したかったので、ピント合わせの難易度は上がりますが、絞りは開放で撮ることにしました。
この子たちは大きく見えますが、4ヶ月のゴールデンドゥードルのパピーです。どうすれば「背景はふんわりだけど、二人にはしっかりピントがあった写真が撮れるかな?」と考えながら周りを見渡すと、大きな丸太を見つけました。この丸太のように前脚がかかる程度の高さが出せる場所で撮影すると、犬が動き出すまでの時間を長くすることができ、被写体ブレやピンぼけを避けられます。高低差がありすぎると動いた時にケガをしてしまうことも考えられるので、犬の背丈よりも低い場所を選ぶことが重要です。
また、絞り開放にするとピントの合う範囲が浅くなりますが、丸太に乗ってもらうことで二人のお顔の位置が揃いやすくなり、二人ともにピントを合わせやすくなります。丸太をうまく活用することで、イメージ通りに撮ることができました!
- TIPS
木漏れ日を使って新緑を華やかに撮るポイントは?
春のお花はそろそろ終盤となってきましたね。お花が減ると少し寂しくなりますが、撮り方を工夫することで、新緑もお花に負けないくらい華やかに撮ることができます。
一見何もない公園の森でも、望遠レンズを使って撮影すると、木々の間から差し込む木漏れ日を大きな玉ボケとして写すことができます。ポイントは望遠で絞りは開放、そして見上げるような角度で撮影することです。バリアングルモニターを使って、低い位置から撮ってみましょう。下から撮ることで木漏れ日が入る面積が広がり、よりキラキラと華やかに仕上げることができますよ。
- TIPS
ソメイヨシノと小さな犬を一緒に撮る時のコツは?
ソメイヨシノは開花している期間が短いので、一緒に撮るのが難しいお花です。特に背丈の低い小型犬と一緒に撮る時は、お花の位置も課題の一つです。そんな時は、土手などの傾斜がある場所で撮影するのがおすすめです。高低差をいかして下から撮影することで、高い位置に咲いているお花と犬を一緒に写すことができます。
日差しが強い時間帯の撮影では、明るさを犬に合わせるとお花が白く飛んでしまう場合があります。曇りの日か、早朝などの光がやわらかい時間帯を狙うと、神秘的でソフトな雰囲気の写真が撮りやすくなります。
また、お花が咲いてから撮影ポイントを探し始めると、開花の期間に間に合わないことがあります。できればお花が咲く前に、枝が下がっていて低い位置にお花が咲きそうな木をいくつか見つけておくのがおすすめです。事前にそうした準備をしておくと、タイミングに合わせて撮りやすい場所の木を選ぶこともできますよ。
ぜひ頑張って早起きして、いつもとは違う雰囲気の写真を狙って撮影にでかけてみてくださいね。
- TIPS
色鮮やかなお花と愛犬を撮る時、注意すべきポイントは?
寒い冬が終わり、お花が咲き始めましたね! これからの季節、犬とお花を一緒に撮るシーンが増えてくると思います。春の訪れを知らせる菜の花やミモザは黄色くて可愛いお花ですが、写真の色を調整する機能「ピクチャースタイル」を使用する際に注意するポイントがあります。
お花を色鮮やかに写したい時は、くっきり色濃く写せる設定「風景」よりも「スタンダード」などの色を強調しすぎない設定がおすすめです。「風景」は山なみや青空などを鮮やかに写せる設定ですが、カラフルなお花に使うと色が濃くなりすぎて色飽和を起こし、花がひとかたまりになったように写ってしまう場合があります。
また、設定に悩んだ時はRAW形式で撮影しておくと、後からDigital Photo Professionalなどでピクチャースタイルやホワイトバランスの設定を変更して、作品を仕上げることができます。微妙な諧調を生かすために、この春はぜひRAWでの撮影にもチャレンジしてみてください。
- TIPS
屋内でセットを組んで撮影する時に大切なことは?
毎日寒い日が続きます。寒い時期はお家でセットを組んで撮影してみるのも楽しいものです。私がセットを組むときは、まずどんなイメージにしようかなと頭の中で考えます。アイディアが浮かばない場合は、素敵だなと思う写真集などを見てイメージをふくらませてみましょう。
撮りたいイメージが固まったら、まずは一番大きく写る小物を決めて、それに合わせて小さな小物の色合いや雰囲気を合わせましょう。今回は、まず犬に入ってもらうバスケットを使うことを決めました。アンティークな雰囲気に合わせて壁に貼る布を決めて、小物を準備しました。
また、構図を決めるまでは犬なしでセットを組むことも大切です。
犬を長く待たせ過ぎてしまうと、撮りたい構図が決まったころには飽きてしまって表情が悪くなるので、全体のイメージが決まってから愛犬に来てもらって撮影しましょう。
- TIPS
海辺の風景と愛犬を美しく表現する撮り方とは?
お正月といえば、やっぱり富士山ということで、遠くの富士山に向かって海を越えて駆けていく愛犬たちの姿をイメージして、心のままに撮影しました。
海辺のシチュエーションでは、望遠レンズを使ってアップで「走る犬」を撮ることが多いのですが、今回は美しい風景と愛犬たちの世界を表現したいと感じました。そこで標準ズームレンズRF24-70mm F2.8 L IS USMの35mm付近を使って、少しワイドに撮影してみました。
ワイドで撮ると愛犬も富士山も画面の中ではやや小さくなりますが、35mmぐらいであれば、風景と愛犬をほどよいバランスで写すことができます。美しい日本の景色に、私も犬たちも溶け込んでいく……そんな雰囲気の写真になりました。
いつもは犬の目線に合わせて低い位置から(ローアングルで)撮ることが多いのですが、このシーンでは高い位置から(ハイアングルで)撮りました。ハイアングルにすることで、犬たちが駆け抜けた砂浜の足跡や、波打ち際に反射する美しい光、空のグラデーションまで写し込むことができます。
いつも同じ撮り方ではなく、シーンによってレンズやアングルを積極的に変えてみることが必要ですね。
- TIPS
おしゃれな雰囲気のポートレート写真を撮るには?
たまにはちょっとおめかしして、ポートレート写真を撮ってみましょう。たくさんの小物をにぎやかに置くのもいいですが、シンプルな背景に小物1個というのも、おしゃれな写真になりますよ。注意したいのは光のあて方です。陰影のある、おしゃれな雰囲気に仕上げるには、犬の横側から光をあてるのがコツ。お顔のどちら側を明るくするかを考えて、全体が明るくなってしまわないように光をあてましょう。
この写真では光をあてるのにストロボを使っていますが、初心者の方には、一定の光を当てつづけることができる「LEDライト(十分な光量があるもの)」がおすすめ。光のあたり方を確認しながら撮影できるので、一瞬だけ光るストロボよりも簡単です。
手ブレしてしまう場合は三脚を使用しましょう。被写体ブレを起こしてしまう場合は、ISO感度を高めたうえで、シャッター速度を速めて撮影してみてください。
- TIPS
イルミネーション撮影で雰囲気を出すには?
寒くなってクリスマスが近くなると、なぜかイルミネーション撮影が恋しくなりますね。
夜の撮影は光が少なく暗いため、ランタンなどでお顔を照らしてあげることで、うまく撮影することができます。
犬の顔全体を煌々と照らすのではなく、顔の片側がほんのり明るくなる程度に光をあてることで、雰囲気がある仕上がりになります。
犬の顔の方向によって見え方が変わるので、ポーズや光のあたり方に注意して撮影しましょう。
- TIPS
駆け抜ける犬を撮るとき重要なことは?
走る犬を撮るときは、犬の動きに合わせてカメラを動かしながら撮影することが重要です。手ブレを気にして、カメラを動かさないように撮影すると、犬がすぐにフレームアウトしてしまいます。
シャッター速度を1/1000秒以上に設定すれば、手ブレを心配する必要はありません。犬が走るスピードに合わせて、動きを追いながら撮影しましょう。
- TIPS
自然の中のドッグポートレート撮影は「光」がポイント!
撮りたいイメージを頭に思い浮かべ、イメージに合った光がある場所を考えて撮影することがポイントです。この時は透明感がある優しい雰囲気にしたかったので、小川が流れる小さな森の木陰で撮影しました。
犬に直射日光が当たると、コントラストが強まり固い印象になるし、眩しさを感じた犬が目を細めてしまうこともあります。どうしても光が強すぎる時は、傘などをつかって日陰をつくり、犬に当たる光を弱めて撮影すると、撮りやすくなる場合があります。傘は撮影専用のものでなくても、乳白のビニール傘でも代用できるので、一つ持っておいても良いかもしれませんね。
- TIPS
夕日や朝日のシーンをよりドラマティックに仕上げるには?
重要なポイントはホワイトバランスです。お昼前後の時間は主にホワイトバランス「オート」を使っていますが、夜明けや夕暮れ時の黄色みをおびた印象の写真に仕上げたい場合は、ホワイトバランスを「オート」から「日陰」や「曇り」に設定します。
「オート」では綺麗に補正されてしまうので、写真が少し白っぽく撮れてしまいますが、「日陰」や「曇り」を使って撮影すると、少し温かみがある色合いで撮影できます。
それでも黄色みが足らない場合は、ピクチャースタイルの設定での濃さをプラス気味にすることで、さらに色味を濃くすることができます。
これらの設定で、普通に写ってしまいがちな夕景や日の出のシーンを、よりドラマティックに仕上げることができますよ。
- TIPS
ジャンプを撮るポイントはピントの合わせかた!
走ったり飛んだりが大好きな子なら、高くハードルを飛んでいる姿を格好良く撮ってみたいものです。
動いている犬の写真での一番の悩みはピンボケ。せっかく撮影してもお顔がボケてしまうと、とても残念な気持ちになります。 AF方式はワンショットAFではなく、動いている被写体にピントを合わせ続けてくれる AIサーボAF または AIフォーカスAF を選択しましょう。選んだフォーカスポイントに犬の顔が重なるように注意することが重要です。
フォーカスポイントに犬の顔を合わせ続けることが難しい場合は、ハードルにピントを合わせて待ち、犬が飛び上がるタイミングを見て連写をする「置きピン」という手法を使っても良いでしょう。「動物瞳AF」がついている最新機種なら、犬の瞳や顔をみつけてフォーカスを合わせ続けてくれるので、初心者でも動いているシーンの撮影がしやすくなっています。
連写速度が選べるなら高速連写モードを選んで、たくさん撮れた中からベストショットを選びましょう。
- TIPS
アジサイと一緒に撮るなら、思いっきりローアングルで!
アジサイは低い位置にあるので、背の高い桜と一緒に撮るよりは撮りやすい花だと思います。でも、そのまましゃがんだ状態で撮ってしまうと、犬が飛んでいても低く見えたり、背景が地面や茎の部分になって、残念な仕上がりになってしまいます。
バリアングル液晶モニターを使って、下から見上げるように撮影することで、あまり高く飛んでいなくても高く飛んでいるように見えたり、背景も花でいっぱいになり、華やかな仕上がりになります。ぜひ今年のアジサイは思いっきり低い位置から狙って撮影してみてくださいね。
- TIPS
集合写真でも絞りを開けて、自由な発想で撮ろう!
並んでいるわんちゃんの集合写真、横並びに並んでいる場合でも、ピンボケを防ぐために絞りを絞って撮影している方も多いのではないでしょうか? 私の場合、横並びの集合写真は、絞りを開けて撮っていることがほとんどです。少し望遠気味で遠くから撮影することで、案外全員にピントがあってくれます。
また、全員がカメラ目線の写真ももちろんいいのですが、しばらく犬たちに任せて、それぞれの個性や動きを生かした写真も、ストーリー性があっていいものです。是非チャレンジしてみてくださいね。
- TIPS
犬の表情・ボケ具合をイメージして撮ろう。
水彩画のような景色と、花の香りを感じているような表情を意識して撮影。何枚か撮った中から、カメラ目線ではなく、どこか遠くを見ているような一枚を選びました。
花にピントが合いすぎてしまうと枝が目立ってしまうので、枝のボケ具合を確認しながら、犬に座ってもらう場所を決めました。犬の表情やボケ具合のイメージを持って撮影することで、作品の完成度が高くなります。
- TIPS
桜と犬を可愛く撮るポイントは「逆光」。
桜と犬を可愛く撮るには、犬に座ってもらう場所が重要です。お花の色を明るく爽やかに写すには、まず桜が逆光になる向きで撮影します。次に桜の間から差し込む光が顔に直接当たらない場所に座ってもらいましょう。
強い光が顔に当たってしまうと、当たった場所が白飛びしてしまう場合があります。できれば犬のすぐ後ろあたりに日が差していると、その光に照らされて犬のエッジが明るく浮き上がって写ります。そのまま何も考えずに撮ってしまうと、お顔や花が暗く写ってしまう場合がありますので、 暗くなってしまったときにはプラス側に露出補正をしてみてください。
また毛色が黒い犬の場合は、サイズが小さくても構わないのでレフ板などを使って、目に光を入れてあげると可愛く撮れますよ。是非やってみてくださいね。
- TIPS
黒い犬を撮るときは、目線を窓や灯りに向けよう。
黒い犬をうまく撮るには、目に光を入れることが重要です。窓や灯りがある方向に視線を向けさせると、目の中にキャッチライトが入って目がキラキラと輝いて見えます。
また、黒い犬をAVモードを使って大きめに撮影すると、カメラが「この場所は暗い」と判断して、明るく写してしまう場合があります。毛色が白っぽくなってしまった場合はマイナス側に露出補正するか、マニュアルモードで絞りやシャッタースピード、ISOなどを決めて、明るさを固定して撮ると、安定した明るさで撮ることができます。
- TIPS
背景を大きくぼかすために、二頭の顔を揃えよう。
明るいうちにこの場所を通りかかり、日没するまで待って撮影しました。 理由は、この青くて美しい藍色の空を写したかったからです。 ホワイトバランスはオートを使っていますが、なかなか良い色合いで表現できました。
背景の建物の灯りを大きくぼかしたかったので、 使ったレンズはRF85mm F1.2 L USM、絞りは開放のF1.2を選択。この絞りでは、犬が前後すると、どちらかの犬がボケてしまうので、二頭の顔の位置が揃うように立ってもらい、自分も動いて、犬たちの顔の位置が揃う場所を探して撮影しました。
50mmでも撮ってみましたが、近づくことによって片方の犬がボケて写ってしまうので、少し被写体から距離をとれる85mmを使った方が、2頭の犬にピントを合わせやすくなります。
- TIPS
霧をしっかり写して、幻想的な雰囲気に!
激しい雨が過ぎ去った後の湖。
急に気温が下がり、水の温度より気温の方が低くなると、湖面に湯気があがりはじめる。
その幻想的な風景の中を静かに歩く、グレートピレネーズ。
霧をしっかり写すためには、アングルに注意が必要です。ローアングル過ぎると、犬と霧が重なりすぎて霧が目立たなくなってしまいます。また、犬の顔が暗くならず、霧も明るくなりすぎない、適正な露出を探す必要があります。EOS R5のようなミラーレスカメラなら、EVF(電子ビューファインダー)で見ながら撮れるので、瞬時に的確な露出を決めることができます。本当に便利になったと感動しながら撮影した一枚です。
- TIPS
ハロウィンフォトを演出する3つのアイデア。
10月といえばハロウィン。
オレンジのカボチャも良いけれど、クールハロウィンで、落ち着いたイメージで撮影してみました。
まずセットを組む場所は、平らな場所よりも少しこんもりと丘のようになっている場所を選ぶことで、丘がひな壇のようになり、地味な色であっても立体感が生まれます。
また、ランタンは天然の木を使って、お顔にライトが当たる高さに立てました。
EOS R5なら、しっかりと瞳AFが効いて、ランタンの明かりだけでも撮影することができます。
背景に玉ボケが入るように、遠くの街灯が入る場所を探してセットを組み、華やかに仕上げました。
1POINT TIPS
- TIPS
お家ポートレートでは「背景」と「場所づくり」に気を配ろう
お家で撮影する犬のポートレートで重要なポイントは背景です。すてきなソファーや壁があればそのまま利用できますが、良い背景がない場合は布を用意すると良いでしょう。最近はインターネットからでも、手軽に背景用の布を手に入れることができます。布を使うと、いつものお部屋を違う場所のように見せることができます。ただ貼っただけでは平面的に見えてしまうので、雰囲気のある小物やライトを置くと、立体感のあるおしゃれな背景を演出できますよ。
写真の子は4ヶ月のビションフリーゼのパピーなのですが、撮影する際にひと工夫してみました。犬に居てほしい場所をふかふかに、居心地良くしたのです。こうすることで、月齢が小さな子犬でも、その場所で落ち着いていてくれる確率が大幅に上がります。この写真はラグの下に子犬が好きなベッドが隠されています。このように場所づくりを工夫することで、愛犬も自分も快適に撮影を楽しむことができます。カメラのセッティングだけではなく、背景や場所づくりにも気を配ることで、写真の仕上がりもさらにすてきになりますよ。ぜひ試してみてくださいね。
- TIPS
フレーミングに便利なクロップ機能を使ってみよう!
暑い日が続いていますね。すこし暑さがやわらいだ日、はじめてのカフェにランチに出かけることにしました。そのカフェの植え込みに、背の低い百日紅が植わっていました。百日紅はとてもかわいい花なのですが、背が高いものが多く、犬との撮影はやや難しい花です。めずらしく犬の背の高さに花があるのが嬉しくて、一緒に撮影してみることにしました。
望遠レンズで切り取りたい場面でしたが、ランチのつもりで出かけたので、持っているレンズはRF50mm F1.8 STMだけ。避けたくても、色々なものがフレームに入ってきてしまいます。そんなときに頼れるのが、クロップ機能です。キヤノンのカメラの中には、画角をクロップして(切り取って)撮影できる機能を持つものがあります。この機能を使うと約1.6倍に拡大された状態でフレーミングできるので、50mmのレンズなら80mmの画角で撮影することができます。その分、画素数が少なくなってしまうのですが、少し寄ったフレーミングができたことで、イメージ通りの写真が撮れました。もし対応機種をお使いであれば、クロップ機能を活用してみてくださいね。
- TIPS
屋内撮影で大切なポイントは「光」。
暑い夏がやってきました。屋外に出るのが厳しい暑さの時は、涼しいお部屋で写真を楽しみましょう。部屋の中でも、大切なのは光です。まずは、光のあて方を気にしてみましょう。窓辺からの明るい日差しは良い照明になりますが、差し込む光が強すぎる時は、透け感があるカーテンなどを使って光を弱めてもいいでしょう。また、目に光が入る角度に視線を向けて撮りましょう。瞳にキャッチライトが入ると、柔らかな印象でありながら、目の印象を強めることができます。
つぎに、光の色合いに注意してみましょう。この写真のように違う色の光(電灯と日光)が混じり合う状況では、オートホワイトバランスで撮影しても思ったような色合いにならないことがあります。オートでうまくいかない場合は、マニュアルで調整するか、撮影後にDigital Photo Professionalで微調整をして、思い通りの色合いに仕上げてみましょう。
- TIPS
絞り開放で撮る時、犬にピントを合わせるコツは?
自然が豊かなドッグランに遊びにきました。小雨が時折降るような曇りの日でしたが、雲のおかげで程よくディフューズされたやわらかい光が犬たちをやさしく照らしてくれていました。ふわふわの毛並みをそのままのイメージで写したかったので、ピント合わせの難易度は上がりますが、絞りは開放で撮ることにしました。
この子たちは大きく見えますが、4ヶ月のゴールデンドゥードルのパピーです。どうすれば「背景はふんわりだけど、二人にはしっかりピントがあった写真が撮れるかな?」と考えながら周りを見渡すと、大きな丸太を見つけました。この丸太のように前脚がかかる程度の高さが出せる場所で撮影すると、犬が動き出すまでの時間を長くすることができ、被写体ブレやピンぼけを避けられます。高低差がありすぎると動いた時にケガをしてしまうことも考えられるので、犬の背丈よりも低い場所を選ぶことが重要です。
また、絞り開放にするとピントの合う範囲が浅くなりますが、丸太に乗ってもらうことで二人のお顔の位置が揃いやすくなり、二人ともにピントを合わせやすくなります。丸太をうまく活用することで、イメージ通りに撮ることができました!
- TIPS
木漏れ日を使って新緑を華やかに撮るポイントは?
春のお花はそろそろ終盤となってきましたね。お花が減ると少し寂しくなりますが、撮り方を工夫することで、新緑もお花に負けないくらい華やかに撮ることができます。
一見何もない公園の森でも、望遠レンズを使って撮影すると、木々の間から差し込む木漏れ日を大きな玉ボケとして写すことができます。ポイントは望遠で絞りは開放、そして見上げるような角度で撮影することです。バリアングルモニターを使って、低い位置から撮ってみましょう。下から撮ることで木漏れ日が入る面積が広がり、よりキラキラと華やかに仕上げることができますよ。
- TIPS
ソメイヨシノと小さな犬を一緒に撮る時のコツは?
ソメイヨシノは開花している期間が短いので、一緒に撮るのが難しいお花です。特に背丈の低い小型犬と一緒に撮る時は、お花の位置も課題の一つです。そんな時は、土手などの傾斜がある場所で撮影するのがおすすめです。高低差をいかして下から撮影することで、高い位置に咲いているお花と犬を一緒に写すことができます。
日差しが強い時間帯の撮影では、明るさを犬に合わせるとお花が白く飛んでしまう場合があります。曇りの日か、早朝などの光がやわらかい時間帯を狙うと、神秘的でソフトな雰囲気の写真が撮りやすくなります。
また、お花が咲いてから撮影ポイントを探し始めると、開花の期間に間に合わないことがあります。できればお花が咲く前に、枝が下がっていて低い位置にお花が咲きそうな木をいくつか見つけておくのがおすすめです。事前にそうした準備をしておくと、タイミングに合わせて撮りやすい場所の木を選ぶこともできますよ。
ぜひ頑張って早起きして、いつもとは違う雰囲気の写真を狙って撮影にでかけてみてくださいね。
- TIPS
色鮮やかなお花と愛犬を撮る時、注意すべきポイントは?
寒い冬が終わり、お花が咲き始めましたね! これからの季節、犬とお花を一緒に撮るシーンが増えてくると思います。春の訪れを知らせる菜の花やミモザは黄色くて可愛いお花ですが、写真の色を調整する機能「ピクチャースタイル」を使用する際に注意するポイントがあります。
お花を色鮮やかに写したい時は、くっきり色濃く写せる設定「風景」よりも「スタンダード」などの色を強調しすぎない設定がおすすめです。「風景」は山なみや青空などを鮮やかに写せる設定ですが、カラフルなお花に使うと色が濃くなりすぎて色飽和を起こし、花がひとかたまりになったように写ってしまう場合があります。
また、設定に悩んだ時はRAW形式で撮影しておくと、後からDigital Photo Professionalなどでピクチャースタイルやホワイトバランスの設定を変更して、作品を仕上げることができます。微妙な諧調を生かすために、この春はぜひRAWでの撮影にもチャレンジしてみてください。
- TIPS
屋内でセットを組んで撮影する時に大切なことは?
毎日寒い日が続きます。寒い時期はお家でセットを組んで撮影してみるのも楽しいものです。私がセットを組むときは、まずどんなイメージにしようかなと頭の中で考えます。アイディアが浮かばない場合は、素敵だなと思う写真集などを見てイメージをふくらませてみましょう。
撮りたいイメージが固まったら、まずは一番大きく写る小物を決めて、それに合わせて小さな小物の色合いや雰囲気を合わせましょう。今回は、まず犬に入ってもらうバスケットを使うことを決めました。アンティークな雰囲気に合わせて壁に貼る布を決めて、小物を準備しました。
また、構図を決めるまでは犬なしでセットを組むことも大切です。
犬を長く待たせ過ぎてしまうと、撮りたい構図が決まったころには飽きてしまって表情が悪くなるので、全体のイメージが決まってから愛犬に来てもらって撮影しましょう。
- TIPS
海辺の風景と愛犬を美しく表現する撮り方とは?
お正月といえば、やっぱり富士山ということで、遠くの富士山に向かって海を越えて駆けていく愛犬たちの姿をイメージして、心のままに撮影しました。
海辺のシチュエーションでは、望遠レンズを使ってアップで「走る犬」を撮ることが多いのですが、今回は美しい風景と愛犬たちの世界を表現したいと感じました。そこで標準ズームレンズRF24-70mm F2.8 L IS USMの35mm付近を使って、少しワイドに撮影してみました。
ワイドで撮ると愛犬も富士山も画面の中ではやや小さくなりますが、35mmぐらいであれば、風景と愛犬をほどよいバランスで写すことができます。美しい日本の景色に、私も犬たちも溶け込んでいく……そんな雰囲気の写真になりました。
いつもは犬の目線に合わせて低い位置から(ローアングルで)撮ることが多いのですが、このシーンでは高い位置から(ハイアングルで)撮りました。ハイアングルにすることで、犬たちが駆け抜けた砂浜の足跡や、波打ち際に反射する美しい光、空のグラデーションまで写し込むことができます。
いつも同じ撮り方ではなく、シーンによってレンズやアングルを積極的に変えてみることが必要ですね。
- TIPS
おしゃれな雰囲気のポートレート写真を撮るには?
たまにはちょっとおめかしして、ポートレート写真を撮ってみましょう。たくさんの小物をにぎやかに置くのもいいですが、シンプルな背景に小物1個というのも、おしゃれな写真になりますよ。注意したいのは光のあて方です。陰影のある、おしゃれな雰囲気に仕上げるには、犬の横側から光をあてるのがコツ。お顔のどちら側を明るくするかを考えて、全体が明るくなってしまわないように光をあてましょう。
この写真では光をあてるのにストロボを使っていますが、初心者の方には、一定の光を当てつづけることができる「LEDライト(十分な光量があるもの)」がおすすめ。光のあたり方を確認しながら撮影できるので、一瞬だけ光るストロボよりも簡単です。
手ブレしてしまう場合は三脚を使用しましょう。被写体ブレを起こしてしまう場合は、ISO感度を高めたうえで、シャッター速度を速めて撮影してみてください。
- TIPS
イルミネーション撮影で雰囲気を出すには?
寒くなってクリスマスが近くなると、なぜかイルミネーション撮影が恋しくなりますね。
夜の撮影は光が少なく暗いため、ランタンなどでお顔を照らしてあげることで、うまく撮影することができます。
犬の顔全体を煌々と照らすのではなく、顔の片側がほんのり明るくなる程度に光をあてることで、雰囲気がある仕上がりになります。
犬の顔の方向によって見え方が変わるので、ポーズや光のあたり方に注意して撮影しましょう。
- TIPS
駆け抜ける犬を撮るとき重要なことは?
走る犬を撮るときは、犬の動きに合わせてカメラを動かしながら撮影することが重要です。手ブレを気にして、カメラを動かさないように撮影すると、犬がすぐにフレームアウトしてしまいます。
シャッター速度を1/1000秒以上に設定すれば、手ブレを心配する必要はありません。犬が走るスピードに合わせて、動きを追いながら撮影しましょう。
- TIPS
自然の中のドッグポートレート撮影は「光」がポイント!
撮りたいイメージを頭に思い浮かべ、イメージに合った光がある場所を考えて撮影することがポイントです。この時は透明感がある優しい雰囲気にしたかったので、小川が流れる小さな森の木陰で撮影しました。
犬に直射日光が当たると、コントラストが強まり固い印象になるし、眩しさを感じた犬が目を細めてしまうこともあります。どうしても光が強すぎる時は、傘などをつかって日陰をつくり、犬に当たる光を弱めて撮影すると、撮りやすくなる場合があります。傘は撮影専用のものでなくても、乳白のビニール傘でも代用できるので、一つ持っておいても良いかもしれませんね。
- TIPS
夕日や朝日のシーンをよりドラマティックに仕上げるには?
重要なポイントはホワイトバランスです。お昼前後の時間は主にホワイトバランス「オート」を使っていますが、夜明けや夕暮れ時の黄色みをおびた印象の写真に仕上げたい場合は、ホワイトバランスを「オート」から「日陰」や「曇り」に設定します。
「オート」では綺麗に補正されてしまうので、写真が少し白っぽく撮れてしまいますが、「日陰」や「曇り」を使って撮影すると、少し温かみがある色合いで撮影できます。
それでも黄色みが足らない場合は、ピクチャースタイルの設定での濃さをプラス気味にすることで、さらに色味を濃くすることができます。
これらの設定で、普通に写ってしまいがちな夕景や日の出のシーンを、よりドラマティックに仕上げることができますよ。
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ジャンプを撮るポイントはピントの合わせかた!
走ったり飛んだりが大好きな子なら、高くハードルを飛んでいる姿を格好良く撮ってみたいものです。
動いている犬の写真での一番の悩みはピンボケ。せっかく撮影してもお顔がボケてしまうと、とても残念な気持ちになります。 AF方式はワンショットAFではなく、動いている被写体にピントを合わせ続けてくれる AIサーボAF または AIフォーカスAF を選択しましょう。選んだフォーカスポイントに犬の顔が重なるように注意することが重要です。
フォーカスポイントに犬の顔を合わせ続けることが難しい場合は、ハードルにピントを合わせて待ち、犬が飛び上がるタイミングを見て連写をする「置きピン」という手法を使っても良いでしょう。「動物瞳AF」がついている最新機種なら、犬の瞳や顔をみつけてフォーカスを合わせ続けてくれるので、初心者でも動いているシーンの撮影がしやすくなっています。
連写速度が選べるなら高速連写モードを選んで、たくさん撮れた中からベストショットを選びましょう。
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アジサイと一緒に撮るなら、思いっきりローアングルで!
アジサイは低い位置にあるので、背の高い桜と一緒に撮るよりは撮りやすい花だと思います。でも、そのまましゃがんだ状態で撮ってしまうと、犬が飛んでいても低く見えたり、背景が地面や茎の部分になって、残念な仕上がりになってしまいます。
バリアングル液晶モニターを使って、下から見上げるように撮影することで、あまり高く飛んでいなくても高く飛んでいるように見えたり、背景も花でいっぱいになり、華やかな仕上がりになります。ぜひ今年のアジサイは思いっきり低い位置から狙って撮影してみてくださいね。
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集合写真でも絞りを開けて、自由な発想で撮ろう!
並んでいるわんちゃんの集合写真、横並びに並んでいる場合でも、ピンボケを防ぐために絞りを絞って撮影している方も多いのではないでしょうか? 私の場合、横並びの集合写真は、絞りを開けて撮っていることがほとんどです。少し望遠気味で遠くから撮影することで、案外全員にピントがあってくれます。
また、全員がカメラ目線の写真ももちろんいいのですが、しばらく犬たちに任せて、それぞれの個性や動きを生かした写真も、ストーリー性があっていいものです。是非チャレンジしてみてくださいね。
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犬の表情・ボケ具合をイメージして撮ろう。
水彩画のような景色と、花の香りを感じているような表情を意識して撮影。何枚か撮った中から、カメラ目線ではなく、どこか遠くを見ているような一枚を選びました。
花にピントが合いすぎてしまうと枝が目立ってしまうので、枝のボケ具合を確認しながら、犬に座ってもらう場所を決めました。犬の表情やボケ具合のイメージを持って撮影することで、作品の完成度が高くなります。
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桜と犬を可愛く撮るポイントは「逆光」。
桜と犬を可愛く撮るには、犬に座ってもらう場所が重要です。お花の色を明るく爽やかに写すには、まず桜が逆光になる向きで撮影します。次に桜の間から差し込む光が顔に直接当たらない場所に座ってもらいましょう。
強い光が顔に当たってしまうと、当たった場所が白飛びしてしまう場合があります。できれば犬のすぐ後ろあたりに日が差していると、その光に照らされて犬のエッジが明るく浮き上がって写ります。そのまま何も考えずに撮ってしまうと、お顔や花が暗く写ってしまう場合がありますので、 暗くなってしまったときにはプラス側に露出補正をしてみてください。
また毛色が黒い犬の場合は、サイズが小さくても構わないのでレフ板などを使って、目に光を入れてあげると可愛く撮れますよ。是非やってみてくださいね。
- TIPS
黒い犬を撮るときは、目線を窓や灯りに向けよう。
黒い犬をうまく撮るには、目に光を入れることが重要です。窓や灯りがある方向に視線を向けさせると、目の中にキャッチライトが入って目がキラキラと輝いて見えます。
また、黒い犬をAVモードを使って大きめに撮影すると、カメラが「この場所は暗い」と判断して、明るく写してしまう場合があります。毛色が白っぽくなってしまった場合はマイナス側に露出補正するか、マニュアルモードで絞りやシャッタースピード、ISOなどを決めて、明るさを固定して撮ると、安定した明るさで撮ることができます。
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背景を大きくぼかすために、二頭の顔を揃えよう。
明るいうちにこの場所を通りかかり、日没するまで待って撮影しました。 理由は、この青くて美しい藍色の空を写したかったからです。 ホワイトバランスはオートを使っていますが、なかなか良い色合いで表現できました。
背景の建物の灯りを大きくぼかしたかったので、 使ったレンズはRF85mm F1.2 L USM、絞りは開放のF1.2を選択。この絞りでは、犬が前後すると、どちらかの犬がボケてしまうので、二頭の顔の位置が揃うように立ってもらい、自分も動いて、犬たちの顔の位置が揃う場所を探して撮影しました。
50mmでも撮ってみましたが、近づくことによって片方の犬がボケて写ってしまうので、少し被写体から距離をとれる85mmを使った方が、2頭の犬にピントを合わせやすくなります。
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霧をしっかり写して、幻想的な雰囲気に!
激しい雨が過ぎ去った後の湖。
急に気温が下がり、水の温度より気温の方が低くなると、湖面に湯気があがりはじめる。
その幻想的な風景の中を静かに歩く、グレートピレネーズ。
霧をしっかり写すためには、アングルに注意が必要です。ローアングル過ぎると、犬と霧が重なりすぎて霧が目立たなくなってしまいます。また、犬の顔が暗くならず、霧も明るくなりすぎない、適正な露出を探す必要があります。EOS R5のようなミラーレスカメラなら、EVF(電子ビューファインダー)で見ながら撮れるので、瞬時に的確な露出を決めることができます。本当に便利になったと感動しながら撮影した一枚です。
- TIPS
ハロウィンフォトを演出する3つのアイデア。
10月といえばハロウィン。
オレンジのカボチャも良いけれど、クールハロウィンで、落ち着いたイメージで撮影してみました。
まずセットを組む場所は、平らな場所よりも少しこんもりと丘のようになっている場所を選ぶことで、丘がひな壇のようになり、地味な色であっても立体感が生まれます。
また、ランタンは天然の木を使って、お顔にライトが当たる高さに立てました。
EOS R5なら、しっかりと瞳AFが効いて、ランタンの明かりだけでも撮影することができます。
背景に玉ボケが入るように、遠くの街灯が入る場所を探してセットを組み、華やかに仕上げました。
「すてきな愛犬写真を撮るためのワンポイントTIPS」いかがでしたか? このページで紹介した作品はすべて、中村陽子さんがプロデュースする愛犬写真サイト「DOG PHOTOGRAPHERS」のトップを飾った写真です。
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