T.M
キヤノンイメージゲートウェイ編集部
香り立つコーヒーやバターとハチミツたっぷりのパンケーキ。どこか懐かしい、遠い記憶を呼び覚ますようなメニューが並ぶ空想喫茶の写真がSNSで大人気に。調理や撮影を手がけるのは4人組のユニット・喫茶トラノコクさんです。何やらミステリアスな存在ですが、メンバーをお招きしてお話をうかがいました。
喫茶トラノコク / toranocoku Kon
Konさんを含む4人組のユニット「トラノコク」が運営する架空の喫茶店。2019年からツイッターで活動開始。まるで親しい人のおうちのようにほっこり心癒される純喫茶風のシチュエーションと、コーヒーやクリームソーダなどのドリンク、フード類、お気に入りの器などを題材にした写真とコメントが人気に。各種SNSで日々「営業中」。
空想喫茶トラノコクは、同僚と友人で始めたユニットです。仲間たちと「SNSで何かやってみたいね」という会話をしているなかで、「喫茶店みたいにホッとできる空間がSNS上にあったら面白いよね」というアイデアが生まれてスタートしました。店名「トラノコク」は江戸時代の時刻が由来。日の出前の「寅の刻」に来た人たちが、お店を出るころには日の出のように心も明るくなっていてほしい。そんな願いを込めています。
レトロな雰囲気の喫茶店って、人を癒してくれますよね。ぼく自身、慣れない仕事で落ち込んだとき、ちょっと不安になったときに、よく喫茶店に逃げ込んでいたことがあって(笑)。SNSを使っている人が世代を問わず共感できる、懐かしい記憶でつながれる場所を作ってみたくて「空想喫茶」というコンセプトが生まれたんです。
カメラに触れたのは学生時代、映像の勉強をしていたとき。個人的な記録や旅の思い出のために撮影する程度でした。トラノコクを始めるにあたって、必要に応じて少しずつ撮影技術を身に付けていった感じですね。
メンバーが集まって和気あいあいと楽しみながら撮影するのが「トラノコク流」です。撮影小物を集める、料理をする、撮影をする、SNSにアップするコメントを書く、書き込みに応えるなど、それぞれにゆるい役割分担があります。写真は一人で撮るものという考え方があるなかで、ユニットでの活動は珍しいのかもしれません。でも、楽しみながら続けられているのも、ユニット活動のよさですね。
トラノコクでアップしている写真は、子どものころに憧れたクリームソーダ、バターとハチミツたっぷりのパンケーキ、目の前で丁寧に豆を挽いて淹れたコーヒーなど、食にまつわるシーンが多いですね。
コーヒーを撮影するなら、まずはひととおり手順どおりにコーヒーを淹(い)れてみます。「いまの瞬間いいね」「こっちの角度から撮るといいかも」などアイデアを出し合い、2杯目を淹れながらカメラで切りとっていく流れです。
パンケーキのバターが溶ける、ハチミツを垂らす瞬間など、時間をかけてでも撮っておきたい場面はあるのですが、原則はどれだけスピードを上げておいしさを保てるかです。ざっくりした構図であっても、出来たてのほうが雰囲気よく撮れますね。だから撮影はめちゃくちゃ早いです(笑)。
撮影のためにコーヒーを淹れるのではなく、コーヒーをみんなで飲みたいときに撮影もしてみる。そんな日常ありのままを写し出すのが、トラノコクらしさかもしれません。
その場の雰囲気を伝えたいから、自然光での撮影を大切にしています。メンバーが提供してくれるキッチンスタジオは陽当たりがすごくいいんですよ。夕暮れの雰囲気をプラスしたい場合は、アンティークのランプを持ってきて演出することもあります。
アングルや構図の決め方は直感的にやっているだけなのですが、SNSでの見せ方は意識していますね。ツイッターは最大4点掲載できるので、アップでおいしそうな写真があれば、ワイドで雰囲気を伝える写真を組み合わせるなど、寄りと引きの写真を組み合わせて変化や動きを演出しています。
SNSで見てくれた方が「癒されました」とコメントしてくださるのが素直にうれしいですね。なかには「どこにお店があるのですか?」というコメントも。ごめんなさい、空想喫茶なのでお店はありません(笑)。でも、いつか本当にそういう場所が持てたらすてきですね。
ぼくたちの写真には特別なものは写っていなくて、皆さんが普段過ごしている空間とあまり変わらないと思います。逆に言えば、日常の風景も演出次第で、非日常的な場面になるのかもしれません。料理も暮らしもちょっとしたスパイス、彩りで楽しいものになる。空想喫茶トラノコクで、そんなヒントを見つけてもらうのもいいかもしれません。
皆さんも食だけでなく好きな服、小物、草花でも、身近な「日常のカケラ」を題材にして発信されていくと、何か面白いことが起きるかもしれませんよ。トラノコクとつながりのある空想のお店が増えていったら面白いですね。
今回の撮影用にお借りしたEOS RPとRF35mm F1.8 MACRO IS STMですが、気に入ってしまって購入しました(笑)。小型軽量でコスパ的にもうれしいですし、本当に文句のつけどころがないカメラとレンズです。
EOS RPはバリアングル液晶がすごく使いやすい。広くはないキッチンでもクイックに動いてアングルを探りながら撮影できました。手ブレ補正機構は動画撮影時にも強い味方です。RF35mm F1.8 MACRO IS STMはワイドに撮れて、ハーフマクロで寄れる明るい単焦点レンズ。これ1本でトラノコクの撮影はほぼこなせますね。(toranocoku Kon)
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急遽ライブ配信を中止し、収録に切り替えアーカイブでの配信となりました。
当日、ライブ配信を楽しみにお待ちいただいていた皆様、大変申し訳ございませんでした。
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たくさんのご投稿、
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