桜作品1

天気がいい日は青空を入れて春らしい表現を!

よく晴れた日に桜を撮るとき、どこを切りとってもきれいなので、どのように撮ればいいのかわからない場合がありますね。そんなときは桜の枝ぶりに注目します。青空を背景に画面全体を桜で覆いつくし、黒っぽい枝をバランスよく配置するようにします。桜は繊細な花ですから、できるだけ細い枝を配置するとよいでしょう。青空の背景で桜の色が引き立ち、さらに黒っぽい枝を形よく配置して画面を引き締めるイメージです。
広角レンズを使って背景の青空を入れて撮る場合は、青空をクリアに撮影できるPLフィルターを使いたくなる場面。ただし、PLフィルターの「効かせすぎ」には要注意。淡い色のソメイヨシノに 露出を合わせると、PLフィルターによって空が濃くなりすぎて、にごった色になってしまうことがあるからです

EOS 5D Mark III・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:28mm)・絞り優先AE(F13・1/125秒)・+1補正・ISO200・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

桜作品2

望遠レンズを使って見た目以上のボリューム感を出そう

満開の桜並木がボリューム感たっぷりに咲き誇っているイメージで撮るなら、望遠レンズを使ってみましょう。いくつかの枝が重なっている部分を望遠レンズで切りとることで、見た目以上に花のボリューム感を表現できます。これを望遠レンズの「圧縮効果」といいます。絞りはしっかりと絞って、画面の隅々までシャープにピントを合わせるようにします。画面に桜並木の切れ目を見せないようにフレーミングすれば、画面の外にも満開の桜が広がっている印象の写真にできます。

EOS 7D Mark II・EF70-200mm F2.8L IS II USM(焦点距離:200mm)・絞り優先AE(F16・1/20秒)・+1/2補正・ISO400・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

桜作品3

前後の花をソフトにぼかして「主役」を引き立てよう

写真の手前にふんわりとソフトなボケが写っています。これはカメラのかなり近くに咲いている花がぼけているもので、写真の世界では「前ボケ」と呼びます。望遠レンズを使って、レンズの絞り値をできるだけ最小に設定(絞り開放)にすると、主役の花にはピントが合い、前後の脇役はふんわりと優しい感じにぼけてくれます。手前で大きくぼかす花は、レンズに近いほど効果大。脇役が主役に重ならない(かぶらない)ように注意して撮ってみましょう。

EOS 5D Mark III・EF70-200mm F2.8L IS II USM(焦点距離:200mm)・絞り優先AE(F2.8・1/125秒)・+2補正・ISO400・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

ポイントまとめ

桜を撮るときの重要条件は天候。さらに言えば、光線の状態です。桜に直射日光が当たってしまうとコントラストがきつくなり、優しい雰囲気が表現できません。ですから、天気が良い日は青空を生かしてワイドに、天気が良くない日は柔らかい光を生かして望遠で切りとることで、天候に合わせた表現ができます。

1)天気がいい日は青空を入れて春らしい表現を!

2)望遠レンズを使って見た目以上のボリューム感を出そう

3)前後の花をソフトにぼかして「主役」を引き立てよう

写真・解説 斎藤裕史

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