
滝の流れを美しく引き出すシャッター速度は「1秒前後」
日本には大小さまざまな滝があります。大きさも違えば形も違い、季節やタイミングによって水量が多いときもあれば、少ないときもあります。雪が降る地域では雪解けの時期には水量が多くなり、迫力のある美しい滝の姿を撮ることができます。滝を撮るときに悩むのがシャッター速度です。この写真は0.4秒で撮影しているため水の流れがぶれて、流れの美しさを引き出すことができました。水の流れを表現するには、1秒前後を目安にスローシャッターで撮影してみましょう。
EOS 5D Mark II・EF14mm F2.8L II USM・Avモード(F20・0.4秒)+0.7補正・ISO100・WB太陽光・撮影地:元滝伏流水・撮影:工藤智道

水を写し止めるにはシャッター速度はおよそ「1/500秒」
まっすぐに落ちる直瀑型の滝。轟々と音を立てて落ちる様は迫力満点です。このような滝は、高速シャッターで水の動きを止めて写してみましょう。高速シャッターは1/500秒くらいを目安にします。シャッター速度優先モード(Tv)にし、ISO感度を任意に変更するか、もしくは「オート」で撮影してみましょう。撮るたびに水の形が変わるので、できるだけ多くの枚数を撮影し、もっとも水の表情がいい写真を選びましょう。
EOS 5D Mark II・EF70-200mm F2.8L IS II USM・Avモード(F6.3・1/400)・+0.3補正・ISO800・WB太陽光・撮影地:奈曽の白滝・撮影:工藤智道

滝の周囲の情景を効果的に写し込んで滝の存在感を出そう
岩から染み出る湧水が滝となり美しい光景を作り出している「白糸の滝」です。水の流れ落ちる部分だけを撮影したのでは、どこの滝を撮っても同じような写真になってしまいます。水の流れだけでなく周囲の情景も一緒に写してみましょう。
EOS 5D Mark III・EF70-200mm F2.8L IS II USM・Avモード(F22・1.3秒)・−1 1/3補正・ISO100・WB太陽光・撮影地:白糸の滝・撮影:工藤智道
※マップの位置情報は、撮影位置の参考情報です。正確な緯度・経度を示すものではありません。
ポイントまとめ
日本には数多くの滝がありますが、場所によっては豊水期と渇水期があります。美しい滝の姿を撮るには豊水期がベストです。滝の形が女性らしい場合にはスローシャッター、勢いよく落ちる滝では高速シャッターなど、シャッター速度で写り方が大きく変わります。いろいろなシャッター速度で撮影してみるといいでしょう。
1)滝の流れを美しく引き出すシャッター速度は「1秒前後」
2)水を写し止めるにはシャッター速度はおよそ「1/500秒」
3)滝の周囲の情景を効果的に写し込んで滝の存在感を出そう
写真・解説 工藤智道