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迫力の飛び立ちシーンは、望遠と広角でねらってみよう
伊豆沼(宮城県)は、マガンの飛び立ちが有名なスポット。マガンの群れは日の出頃に爆音を上げて飛び立ちます。その迫力には、ただ圧倒……。撮影は2台のカメラで、望遠レンズと広角レンズの二刀流で挑みます。飛び立ちは望遠レンズの圧縮効果で画面にマガンを詰め込むように連写。頭上を通過するときに広角レンズで画面いっぱいにマガンが入るように写します。
EOS 5D Mark III・EF24-70mm F4L IS USM(焦点距離:24mm)・F5.6・1/2000秒・ISO400

天気の変わり目に差し込む太陽光を活用しよう
時雨れることも多い冬の天候。雨や雪が降ったあと、突然強い光が射すことがあります。暗い曇り空をバックにマガンの群れが飛ぶ姿に、スポットライトのように光が当たるとインパクトのある幻想的なシーンになります。天気の変わり目は撮影チャンスなのです。翼のブレを防ぐとよりインパクトが強くなるので、シャッタースピードは1/2000秒以上に設定するとよいでしょう。
EOS 7D Mark II・EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM(焦点距離:400mm)・F5.6・1/4000秒・ISO400

小さな群れなら接近できる可能性も。首を上げた姿をねらおう
マガンは警戒心が強いので、群れには必ず周囲を警戒している個体がいます。群れが大きくなればなるほど近づくのは困難に。しかし、群れが小さいと近づくチャンスがあります。採餌しているときに車でゆっくり近づき、首を上げて警戒したら停止。それを繰り返して距離を詰めます。採餌中で顔が下がっていては絵にならないので、警戒して首を上げた瞬間が撮影のチャンスです。
EOS 7D・EF500mm F4L IS USM(焦点距離:700mm)・F5.6・1/800秒・ISO400
ポイントまとめ
11月~12月にかけて伊豆沼周辺には10万羽を超えるマガンが集まります。朝の群れの飛び立ちや、日没近くの「ねぐら入り」は壮観。望遠レンズと広角レンズを駆使して撮影に臨みましょう。日中も青空バックや群れ飛翔シーンが撮影でき、一日があっという間に終わってしまいます。
1)迫力の飛び立ちシーンは、望遠と広角でねらってみよう
2)天気の変わり目に差し込む太陽光を活用しよう
3)小さな群れなら接近できる可能性も。首を上げた姿をねらおう
写真・解説 戸塚学