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百獣の王の鋭い表情は、画面いっぱいに眼光をシャープに
百獣の王といわれるライオンでも、水を飲むときは周囲を警戒します。動物園でも同じで、それがライオンの本能でしょう。眼光は鋭く、目が合うと大迫力です。こうした場面は、動物園ならではのガラス(アクリル)越しに、すぐ目の前で観察できるので、あえて顔をアップにして鋭い表情をねらいます。ピントは目にしっかりと合わせることで、より強いインパクトになります。
EOS 7D Mark II・EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM・1/500・F5.6・-1/3補正・ISO640・WBオート・撮影:井村淳

猛獣の迫力は鋭い牙が見える「あくびシーン」をねらう
動物園では猛獣が草食獣を襲うことは無く、猛獣らしさを感じる瞬間はめったにありません。唯一、鋭い牙が見え、迫力を感じるのがあくびの瞬間です。根気強く観察していると、いつかあくびをします。あくびは2回続けることが多いので、一度見落としても次のチャンスを待ちましょう。意外とあくびは長く、もっとも口を大きく開いたときをねらうのですが、あくびし終わるまで撮影を続けましょう。
EOS 7D Mark II・EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM・1/250・F5.6・ISO3200・WBオート・撮影:井村淳

ガラス越しのライオンを引きつけて広角側でねらう
野生ライオンには近づくことはできなくても、動物園ではガラス(アクリル)越しで間近に見られます。近くに引きつけてから広角系のレンズでねらうと遠近感が出て、ライオンの顔の大きさを強調するようなねらい方ができます。広角レンズでガラス(アクリル)越しにねらうときは、ガラス面の反射に注意しましょう。黒い布や黒い手袋、ラバーフード等でレンズとガラスの隙間を埋めるのが有効です。
※ほとんどの動物園ではストロボの発光は禁止されています。マナーを守って撮影を楽しみましょう。
EOS-1D Mark III・EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM・1/500・F5.6・-1補正・ISO640・WB・撮影:井村淳
ポイントまとめ
百獣の王と呼ばれるオスライオンの迫力は、フレーミングやタイミングを工夫することでねらうことができます。動物園でライオンの生態をじっくりと観察して撮影しましょう。
1)百獣の王の鋭い表情は、画面いっぱいに眼光をシャープに
2)猛獣の迫力は鋭い牙が見える「あくびシーン」をねらう
3)ガラス越しのライオンを引きつけて広角側でねらう
写真・解説 井村淳