写真・プロの一手 第7回 - 川霧が漂う鉄道風景。この瞬間を撮る最高の時期・時間帯とは?

写真・プロの一手 渾身の一枚から学ぶ「プロの一手」! 講師

村上悠太

1987年、鉄道発祥の地、東京・新橋生まれ。高校時代に北海道上川郡東川町で毎夏開催されている「写真甲子園」に出場。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、鉄道写真家を志し有限会社レイルマンフォトオフィスに入社。'17年よりフリーランスとなり鉄道誌、旅行誌、カメラ誌を中心に活躍。「人と鉄道、そして生活」をテーマに写真だけなくEOS MOVIEで動画作品も発表。EOS学園東京校講師。

川霧が漂う鉄道風景。
この瞬間を撮る最高の時期と時間帯は?

川霧が漂う鉄道風景。この瞬間を撮る最高の時間帯とは?

EOS 6D Mark II・EF24-105mm F4L II IS USM・F8・1/1000秒・ISO400・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:スタンダード(コントラスト:-4)

雨が続き湿度が高く、さらに朝晩の寒暖差が激しくなる梅雨時から初夏にかけては川霧が多く発生する季節。山間部を走る鉄路が多い日本の鉄道では、この川霧を生かした撮影も印象的な作品をねらうことができる大きなチャンスです。でも、相手は自然現象。いくら発生率が高い時期といってもやみくもに撮影に行くのではなく、より確実に川霧の発生をねらって現地に向かいたいところです。では、川霧が比較的発生しやすい時期・時間帯とは?

プロの一手、その答えは・・・

Answer川霧が出やすいのは「早朝」。
梅雨~初夏がねらい目。

川霧が出現しやすい条件は
日中の寒暖差が大きいこと。
川霧とは、日中の気温差が大きい時期に出やすい現象です。川面が鏡のように静かな状態=水鏡と川霧を同時にねらうなら、無風状態が期待できる朝早い時間帯がおすすめです。日中も川霧が出ることはありますが、確率的には早朝に勝機があります。
朝晩の寒暖差も川霧の発生条件として重要ですが、前日の夜が雨で翌日が晴れるという条件の時にも霧がかかることが多いので、前日の気象条件もチェックしておくとよいでしょう。
今回の作例のように川霧が太陽にかかると川霧がディフューザーの役割を果たし、画面内に太陽を入れても極端な白トビを抑えることができ、より朝の雰囲気を強調して撮影することができます。
村上悠太の動画はじめました!

EOS 7D Mark IIやEOS 80Dを駆使した鉄道+動画=「てつ動画」を紹介している記事がこちらです。撮影と解説はもちろん村上悠太先生。学べるノウハウいっぱいの動画コンテンツです。

ハイライト部の白トビに要注意。
白トビを防ぐお手軽テクを伝授。
今回のようなシチュエーションでは、シャドー部とハイライト部の階調を共存させる露出ワークも大切なポイントの一つ。特にハイライトとなる空の階調が白トビしてしまうと、たとえRAWモードで撮影していても画像処理で救うことができません。そこでヒストグラムを見ながら露出を決め、過度な白トビのない露出ワークを心がけましょう。
今回のようにハイライトとシャドーを両立させたい場合はお手軽テクとして、ピクチャースタイルのコントラストを「-4」まで下げると、撮影後に複雑な処理をしなくても簡単にシャドーとハイライトまで再現性のよい写真に仕上げることができます。ただし、このままの設定で撮影してしまうと、かなりコントラストの低い写真になるので、撮影後は通常の設定に戻すのを忘れないようにしましょう。
ランチバッグ&ピクニックマット

こんなアイテム、ご存じでしたか?キヤノン製品カタログに使用されているカメラ機材の線画をモチーフにしたピクニックシートと、EOSのロゴ入りランチバッグ。キヤノンファンはぜひチェック!

コラム
一年のうちでもっとも日の長い時期になるこのシーズンは、早朝の始発列車から撮影することができ、また、川霧などの特殊な気象条件に恵まれることも多く、まさに「早起きは三文の徳」。今回の作品はJR九州肥薩線ですが、JR東日本只見線JR東海飯田線など、大きな川のほとりを走る路線でも川霧の鉄道風景写真がねらえます。