今回は、mimozaさんの「達沢不動滝」を選びました。さわやかな新緑のなか、水流の「音」と「風」を感じさせる、マイナスイオンあふれる癒しの空間が表現されています。滝の「水の流れ」を表現した作品のキーポイントは、「シャッター速度」です。名作の決め手となったのはどれか考えてみてね。
ISO感度は低めの「100」、絞りを「F22」に絞り込んでいるので、
シャッター速度は遅めになる……ということは予測できますね。
「滝の音だけが聞こえる……静かないい時間」と、コメントを添えてくださったmimozaさん。撮影地は、福島県猪苗代町。見ているだけで、水流の「音」と「風」が感じられます。マイナスイオンが含まれた美味しそうな空気を想像して、思わず深呼吸をしてしまいました。
Exif情報を拝見すると、mimozaさんがシャッターを切る瞬間まで、きちんと被写体に対峙して撮影されている姿が想像されます。
ポイントのひとつは、スナップのような撮影ではなく、三脚をしっかり構えたカメラポジションとレンズ選択です。焦点距離「24mm」の広角側を活用して無駄のない絵づくりです。広角側を活用するときは余分なものが入ってしまうことがあります。画面の四隅まで気を使うことが必要ですね。
もうひとつは、四隅までシャープなピントを表現するために、被写界深度が深い「F22」の絞りを選択していること。絞り込んだことで、細部までシャープに仕上がりました。
さらに反射率の低い被写体のため、露出補正「−1」も適切でした。
そしてこの作品では、メインである滝の流れが重要です。水流が糸を引くように撮ると、幻想的な雰囲気が出せます。そのためにはシャッター速度を遅くする必要があります。この「スローシャッター」が決め手となりました。スローシャッター前提のレリーズと三脚使用は基本ですね(レリーズがない場合は、セルフタイマーを活用します)。
このように、すべてにおいてこだわることにより、美しい仕上がりの名作を作り出せるのですね。
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滝を表現するには「スローシャッター」を極めよう!
デジタルフォトの「Exif情報」には、使用カメラ・レンズ、絞り数値、シャッター速度、ISO感度など、思いどおりに写真を撮るためのヒントが記録されています。つまり、Exif情報を理解することが、写真上達の近道! 「フォトテク・レッスン」では、皆さまからの応募作品を題材に、フォトテクを学んでいただきます。作品の募集は締め切りました。ありがとうございました。
※Exif情報とは… デジタルカメラで撮影した画像に含まれている情報のこと。撮影日時、カメラやレンズの機種、ISO感度、絞り値、シャッター速度、ホワイトバランスなどの各種設定が記録されています。