Close

レッスン14

Exifを読み解いて写真上達|フォトテク・レッスン

Q
水草の小さな気泡が大きく撮れるレンズとは?

今回は、まーこさんの「リシアの気泡」を選びました。水槽の中に広がる水草についた小さな気泡をファンタスティックに表現されました。画面いっぱいに写すには、最適なレンズ効果で最短撮影距離が短いレンズを活用するとよいですね。作品のキーポイントは「レンズ」です。名作の決め手となったのは、どんなレンズでしょうか。考えてみてね。

まーこさん
「リシアの気泡」

サイズ(ピクセル)
5472x3648
ファイルサイズ
12.2MB
撮影日時
14/07/29 15:41
カメラ機種
Canon EOS 70D
Tv(シャッター速度)
1/160
Av(絞り数値)
2.8
露出補正
0
レンズ
?
焦点距離
100.0mm
ストロボ
非発光
ホワイトバランス
マニュアル
ISO感度
200

Exif情報から読み取る!パズルを解くカギ
写っているツブツブは気泡?だとすると、かなり小さな世界!
焦点距離はちょうど100mm、絞り値F2.8ということは……。

答えはこの下にあるよ!
まーこさんの名作に学ぶ

「うちの水槽に広がった水草のリシアから気泡がいっぱい!F2.8にこだわって撮影しました」とコメントを添えてくださったまーこさん。小さく細かい気泡を見たときの「感動&表現したい」気持ちが伝わってきます。
Exif情報を拝見すると、随所に「こだわり」が表れていますね。まず、カメラの「高輝度側・階調優先機能」を「する」に設定していることです。この機能は、撮影前のみ可能な設定です。ハイキーな作品(白が多い)や白トビ(いちばん明るい部分のデータがなくなる)をさせたくないときには最適であり、撮影する作品の仕上がりが見えているからこその設定と言えます。
さらに、ISO感度、ホワイトバランスの設定も的確です。また、撮影倍率の高い「接写」ができる中望遠マクロレンズ「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」で、手前の気泡にピントを合わせ、圧縮効果で奥の気泡を引き寄せています。気泡をキラキラに見せるために、被写界深度の浅い表現ができるレンズとF2.8の絞りにこだわったことで、美しい仕上がりの名作になったと言えますね。

A

EF100mm F2.8L マクロ IS USM

ミクロの世界をマクロレンズで表現しよう!

皆さまからご応募いただいた「名作写真」を出水先生がセレクト。
「Exif情報」を読み解き味わい、講評コメントとともに発表します。

デジタルフォトの「Exif情報」には、使用カメラ・レンズ、絞り数値、シャッター速度、ISO感度など、思いどおりに写真を撮るためのヒントが記録されています。つまり、Exif情報を理解することが、写真上達の近道! 「フォトテク・レッスン」では、皆さまからの応募作品を題材に、フォトテクを学んでいただきます。作品の募集は締め切りました。ありがとうございました。

※Exif情報とは… デジタルカメラで撮影した画像に含まれている情報のこと。撮影日時、カメラやレンズの機種、ISO感度、絞り値、シャッター速度、ホワイトバランスなどの各種設定が記録されています。

フォトテク・ティーチャー 出水惠利子先生|1971年、東京都生まれ。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。広告を中心にフリーランスで活動中。海やテトラポッドの作品をライフワークとしている。EOS学園講師としても活躍中。