今回は「くるみパパ。」さんの作品「くるみ」を選びました。薄暗い室内でわんちゃんを撮影するにはストロボを活用するか、ISO感度の設定によりますね。お使いのカメラEOS 6Dにはストロボが付いていません。また、撮る相手は動物ですので、ある程度のシャッタースピードが必要ですね。作品のキーポイントは「ISO感度」です。名作の決め手となったのは何か考えてみてね。
Exif情報によると、レンズはマクロレンズを使用。
シャッター速度は1/90なので被写体ブレが気になるところです。
「昼寝から起きたくるみがポーズをとってくれたので急いで撮影しました。部屋が少し暗かったのですが開放で撮りたかったので……」とコメントを添えてくださいました。「くるみパパ。」さんを見つめる愛らしい表情からは、信頼関係がうかがえます。
Exif情報を拝見するとレンズはEF100mm F2.8L マクロ IS USMで、絞りは開放(F2.8)で撮影することにこだわられたようです。レンズ効果、絞り、シャッター速度を意識することは重要ですね。マクロレンズではありますが、ポートレート撮影では主役を引き立たせる画づくりができる100mmの中望遠レンズとして使えます。最適な距離感で背景とくるみちゃんが分離され、余分な物を排除できますね。
また、暗いなか、動作によっては手ブレを起こしてしまうことも危惧されたのでしょう。1/90のシャッター速度は、手ブレや、被写体ブレが気になるスピードです。一般的にはストロボを活用して撮りますが、ストロボ調光によっては自然さがなくなってしまいます。ストロボを使わず、シャッター速度と絞りにこだわったカメラ設定に、作者のセンスを感じます。高感度でもノイズの心配のないEOS 6Dだからこそ撮れますね。ちょっとした仕草、「いま、その瞬間」を逃さないシャッターチャンスにこだわったことで、名作になったと言えますね。
ISO8000
高ISO感度で、シャッターチャンスを逃すな!
デジタルフォトの「Exif情報」には、使用カメラ・レンズ、絞り数値、シャッター速度、ISO感度など、思いどおりに写真を撮るためのヒントが記録されています。つまり、Exif情報を理解することが、写真上達の近道! 「フォトテク・レッスン」では、皆さまからの応募作品を題材に、フォトテクを学んでいただきます。作品の募集は締め切りました。ありがとうございました。
※Exif情報とは… デジタルカメラで撮影した画像に含まれている情報のこと。撮影日時、カメラやレンズの機種、ISO感度、絞り値、シャッター速度、ホワイトバランスなどの各種設定が記録されています。