キラキラとした丸い光が写っている写真、とてもキレイですよね。この光のことを「玉ボケ(丸ボケ)」といいます。女性にとても人気がある表現のひとつで、ポートレートや花の背景にいれたりします。条件さえ揃えば、デジタル一眼レフやミラーレス一眼といったカメラだけで、特別な機材などは必要ありません。
「玉ボケ」は、実際には見えない光ですよね。「玉ボケ」というのは、点光源と言う光をボカすことで表現できます。点光源とは簡単に言ってしまえば、“点状の光”のこと。イルミネーションの電飾などが点光源になります。電球のように自らが光を発するものでなくても、玉ボケになるものもあります。どのようなものが玉ボケになるのかを理解しておけば、玉ボケ写真は簡単に写すことができるんです♪
冒頭にも書いたように“玉ボケの正体は点光源”ですが、電球以外にも玉ボケになるものがあります。もっとも見つけやすいのは、木漏れ日や葉っぱの表面がキラキラしている光の反射。この元になるキラキラを見つけないと玉ボケをつくることはできません。手前に主役となる被写体を見つけて、キラキラしたポイントが背景になるように構図を決めます。
玉ボケは“ボケ”なので、背景が大きくボケるような設定にすれば、より大きな玉ボケが楽しめます。撮影モードは絞り優先オートに設定して、背景がボケやすいように、F値を一番小さな数字に設定します。F値が明るい単焦点レンズでは、より大きな玉ボケをとらえることができます。
例えば同じ場所で「F5.6」と「F11」で撮影したとします。どちらも点光源は玉ボケになりますが、玉ボケの大きさが変わります。玉ボケを大きくしたいのならば、F値をできるだけ小さく(開放F値)設定するようにしましょう。そのため同じ焦点距離ならば、F値が明るい単焦点レンズの方が、大きな玉ボケが写しやすくなると言えます。
上の2枚は同じ場所で撮影をして、ピントの位置を変えたものです。葉っぱ表面のキラキラが、玉ボケになっているのがわかりますよね。木漏れ日や葉っぱだけでなく、金属なども玉ボケになります。桜の花の後ろにある玉ボケは、車のボンネットの反射をぼかしたものです。
玉ボケ写真は玉ボケとなるポイントが見つかれば、簡単に撮影することができます。まずはどのようなものが玉ボケになるかを覚えておきましょう。“木々が逆光の状態になる木漏れ日”は、もっとも身近にある玉ボケポイント。ほかにも葉っぱ表面の反射、ガラスや金属の反射、水辺のきらめき、明るい色の花、夜になると街灯や電球、イルミネーションなどが玉ボケの候補となります。
大きな玉ボケにするには、4つの要素が重要になります。絞り優先オートに設定して“F値を小さくする”以外に、“主役となる被写体に近づく”、“長い焦点距離のレンズをつかう”、“遠くの背景を選ぶ”、これらの要素を組み合わせることでより大きなボケが得られるようになります。
レンズには被写体にピントを合わせることができる最短の撮影距離が決まっていて、これを“最短撮影距離”といいます。ここでいう距離は、レンズの先端からでなくカメラにある距離基準マークから被写体までを指します。主役となる被写体に近づけば近づくほど、背景にある玉ボケは大きくなりますが、近づきすぎるとピントが合わなくなるのでご注意くださいね。
大きなボケを得る重要な要素は、F値、焦点距離、撮影距離、被写体と背景との距離。大きくまとめてしまうと、“近くにある被写体を、遠くの点光源を背景にして撮影”すれば簡単に撮れます。ここでの作例は、ガラス、水面のきらめき、金属の反射、木漏れ日の玉ボケです。
玉ボケは日中の屋外だけでなく、室内や夜のイルミネーションでも楽しめます。とくに夜の街は点光源が多いので、すぐに玉ボケスポットが見つかるはずです。点光源の位置によっても印象は変わります。街路樹に飾られた電飾などはとても小さいですよね。そのため近づいて撮れば玉ボケは小さく写ります。
一枚目の作例は奥に見える観覧車が主役です。もっと大きな玉ボケにするには、手前に写っている電飾に近づけば良いのですが、同じような構図で撮影することはできません。玉ボケは大きければ良いというわけではありません。あくまでもメインの被写体をどう見せたいかが重要になります。
小さな被写体を大きく捉える場合は、被写体にできるだけ近づいて撮影することになります。このような条件では、大きな玉ボケが写しやすくなります。できるだけ遠くの点光源を背景にしましょう。夜の撮影では主役を見つけるのが大変なので、小さな小物を小道具として持ち歩いても良いですね。背景が透けて見えるガラスやクリスタルのものがオススメです。
イルミネーションだけでなく、ビルの窓や街灯も玉ボケになります。玉ボケポイントがわからない時は、マニュアルフォーカスに切り替えて、ピントをはずしてみれば見つかります。室内では金属のトレイやスパンコールなどが玉ボケ候補。テーブルフォトにも玉ボケがいかせます♪
© SUZUKI TOMOKO
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