フォトいろは - レンズ使い分けのコツ‐さまざまなレンズでの撮り方‐

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レンズ使い分けのコツ‐さまざまなレンズでの撮り方‐

広角、望遠、ズームレンズに単焦点レンズ。レンズ特有の持ち味を理解し、さまざまなレンズを使い分けて、自分らしい作品撮りに挑戦しましょう。

カメラをはじめたばかりのときなどは、レンズ選びも悩むもの。それぞれのレンズの特性を理解し、撮りたい被写体に合わせて必要なレンズを選んでみてください。また、同じ被写体を撮るにしても、レンズが違うと撮り方や仕上がりは全然違うものになりますよ。上手にレンズを使い分ければ、いまよりもっと素敵な作品が撮れるハズです!

広角レンズで印象的に撮る

広角レンズとは、文字通り広い画角で撮ることができるレンズです。一般的に35mm以下の焦点距離のものを広角レンズと言い、ミリ数が小さいほど、広い範囲を写すことができます。また広角レンズの特性として、被写界深度が深い、歪みが生じる、遠近感が出るという点があげられます。

これらの特性を活かし、広角レンズならではの写真を撮ってみましょう。

広角レンズは風景や建物、狭い室内などの撮影にむいています。スカイツリーの写真は12mmの超広角レンズで見上げるようにして撮ったもの。地面からスカイツリーのてっぺん、そして広がる大空まで収め、天に向かってそびえ立つ存在感を出せるのも超広角レンズならではです。また、ブルドッグの写真も広角レンズを使い、寝そべった状態から見上げるように撮ったものです。下から撮っているので足が少し長く見え、威風堂々とした立ち姿に、子犬ながらも貫禄を感じますね。手前にいる犬は大きく、奥にある木は小さく写っているので、遠近感が出るとともに主役の犬がとても引き立っています。このように下から見上げたり、少し上から見下ろすようなアングルで撮影すると、広角レンズの特徴が活きた写真になりますよ。

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レンズの焦点距離は、お使いのカメラのセンサーサイズによって異なります。例えば35mmレンズだとフルサイズのカメラではそのまま35mmの画角ですが、APS-Cサイズだと1.6倍の56mmの画角になります。ご自身のカメラのセンサーサイズを確認して、正しい焦点距離を把握しておきましょう。

望遠レンズで被写体を大きく写す

望遠レンズは遠くにある被写体を大きく写せるレンズです。特徴としては、被写界深度が浅くてぼけやすい、写真に写る範囲が狭い、背景にある物も大きく写すので遠近感がなくなるという点があげられます。

野生動物、野鳥や動物園にいる動物など、被写体に近づけない場合にとても重宝するレンズで、私たちも70-200mmや100-400mmの望遠ズームレンズを愛用しています。2頭の鹿がこちらを見ている写真は、APS-Cサイズのカメラに500mmの望遠レンズをつけて撮影したものです。35mm換算すると800mm相当の超望遠ですね。警戒心の強い野生動物は、こちらが少し近づいただけで逃げてしまいますから、かなり離れた場所からでも被写体を大きく写せる望遠レンズは、動物を撮る者にとっては必要不可欠なものなのです。

また、スポーツシーンの人物撮影でも重宝します。例えば、子供の運動会などでは撮影できる場所が限られていて子供に近づけませんが、望遠レンズを使えば演技中の子供を大きく写し、イキイキとした表情も逃さずに捉えることができるようになります。背景をぼかして撮れば、主役を目立たせるだけでなく、写真全体がふんわりと優しい雰囲気になるので、お子さんやペットなどの可愛い被写体を撮るのにもオススメなレンズですよ。

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ポピー畑の中に一輪だけあった真っ赤なポピーにピントを合わせ、背景を大きくぼかして主役を引き立たせた写真。実際にはまだ咲いていない花がたくさんありましたが、望遠レンズで狭い範囲を切りとり、花が密集しているように仕上げました。花がまばらな印象の花畑も、望遠レンズを使って上手くフレーミングすれば、満開の花畑のように撮れるんです。

単焦点レンズの活用法

一般的によく使われているズームレンズとは違い、ひとつの焦点距離しかない単焦点レンズ。ズームができないから不便だという声もよく聞かれますが、単焦点レンズにはその不便さを補って余りある魅力があります。

ひとつは、単焦点レンズには開放値がF1.4やF1.2などの「明るいレンズ」があること。明るいレンズでは光の少ない室内でもブレずに撮れたり、ISO感度の上昇を抑えることができます。そして、ボケ味がとても美しいのも大きな魅力。猫の写真はF1.2で撮ったものです。目にピントを合わせたので、目以外がふんわりとキレイにボケていますね。

また、単焦点レンズを使うと上達が早くなると言われています。手元でズームができないので、自分の足で動いて構図を決める必要があるからです。大きく写したければ近づき、小さくしたければ離れる。どうすれば良い構図になるかを頭で考え、その構図のイメージ通りにするために自分が動くことで、頭と体両方で構図の勉強をしているのです。お持ちの方は、単焦点だけを持って身軽に町スナップを撮ってみてください。しっかりと考えながら構図を決め、描写力の高い単焦点レンズで撮れば、何気ないシーンも素敵な作品になるはずですよ。

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マクロレンズを使えば、花や小さな虫なども大きくキレイに撮ることができます。またティルトシフトレンズを使えば、風景写真がミニチュア風に大変身。気球から撮ったケニアの大地もご覧の通りミニチュア風に。最近はカメラのメニューの中にもジオラマ風加工がありますが、やはりティルトシフトレンズを使うと、味わい深い作品になりますね。

© OGAWA AKIYO & YUZAWA YUSUKE

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