せっかく良いシーンを撮ったとしても、ピントが合っていなかったら台無しです。
そんなミスをしないために、それぞれの撮影状況に合わせてAFエリアやAFモードを使い分けてみましょう。
主役となる被写体にしっかりピントを合わせることは基本中の基本。ただ、主役が動いていたり、暗い場所での撮影ではピント合わせが難しくなります。その場に合ったAFモードを使って、しっかりとピントを合わせて撮りましょう。
ピントをしっかり合わせるのに重要なのは、被写体の位置にAFフレームを合わせ、しっかり半押ししてから撮影することです。特に初心者の方は、半押しすることを忘れてしまう場合が多いのですが、これではピントが合いません。半押しでしっかりピントを合わせてから、全押し撮影しましょう。
AFフレームの設定では、自動AFと任意AFのどちらか選択できるようになっているカメラもあります。自動AFはカメラが被写体を見つけ、そこにピントを合わせてくれるので便利である反面、カメラに近い被写体にピントを合わせる傾向があります。例えば作例の猫の写真のように、猫の前に爪とぎの箱があった場合、この箱の方が猫よりもカメラから近い距離にあるために、自動AFでは箱にピントが合って、猫はピンボケになってしまいます。
これを防ぐためには、任意AFでピントを合わせたい被写体の位置(この場合は猫)にAFフレームを持っていき、撮影しましょう。ミラーレス一眼レフカメラでは、画面タッチでフォーカス位置を設定できるものも多いので、その場合はピントを合わせたい場所にタッチしてから撮影しましょう。数個並べた小物等の撮影の場合は、どこにピントを合わせるかは撮影者の好みになりますので、じっくり考えてピントを合わせてみましょう。
コンデジ等でピントのエリアが中央に固定されている場合は、フォーカスロックを活用しましょう。フォーカスロックとは、ピントを固定してから構図を変更する方法です。例えば被写体を画面右寄せで撮りたい場合、まずは被写体を真ん中に配置し、半押しでピントを合わせます。半押しキープでピントを固定したままカメラを左に振って構図を確定し、全押しすれば簡単に右寄せ写真が撮れるのです。
止まっている被写体と動いている被写体でAFモードを使い分けましょう。通常よく使われるモードはONE SHOT(AF-S,S-AF)です。半押しをすることでAFフレームにしっかりとピントを合わせてくれます。そのため花や風景、料理等の動かないものや動きの少ない人物撮影に適しています。
一方で動いている被写体を撮影するときは、AI サーボ(AF-C,C-AF)を使います。AI サーボでは半押ししている間、AFフレーム内の被写体にピントを合わせ続けてくれます。遠くからカメラに近づいてくる被写体を撮る場合などは、AI サーボを使わないとピントが合わないので、しっかりと使い分けましょう。
また、被写体の動きが速すぎてAI サーボでもピントが合わせられないときは「置きピン」を試してみましょう。置きピンとは、被写体が通過する箇所にあらかじめピントを合わせておくテクニックで、迫ってくる被写体をAFフレーム内に捉え続けるのが苦手な方にオススメです。通過点にピントを合わせたら、フォーカスモードをマニュアルに変更してピントを固定し、被写体が置きピンの箇所に来たら撮影しましょう。電車や車等、被写体の動きが予測できる場合に有効です。このように被写体に合わせてピント合わせの方法を変えると、成功率がグッとあがりますよ。
走る被写体を1点のAFフレームで捉えるのが難しい場合は、AFフレームのエリアをゾーンにしてみましょう。1点よりも広い範囲でピントを合わせるので、被写体を狙いやすくなりますよ。
AFを合わせる際、シャッターボタンを半押しするのが一般的な方法ですが、実はもっと使いやすい方法があります。カメラをカスタム設定することで、背面にあるボタンでフォーカスを合わせることができるようになる「親指AF」という方法です。親指でAFを、人差し指でシャッターをと、それぞれ独立した役割を果たすので不必要なピント合わせをしなくて済みます。
例えば、フォーカスロックをするような場面も一度親指でピントを合わせれば、何度シャッターを切ってもピントは固定されたままで、置きピンや三脚を使った風景などの撮影時もAF/MFの切り替えをする必要がなくなります。また、檻越しの動物や暗い場所などでAFが効きづらい場合やピント合わせがシビアになるマクロ撮影でマニュアルで合わせた方がよい場合にも、親指AFでざっくりピントを合わせた後に、マニュアルで微調整とスムーズなピント合わせが行なえるのです。
慣れるまで少し戸惑うかもしれませんが、シャッターボタンを押すたびにピントを合わせなおす煩わしさから開放されるので、対応したカメラをお持ちの方はぜひ親指AFを使ってみてくださいね。
三脚を使ったマクロ撮影の場合は、背面の液晶モニターを使ってピント合わせをしましょう。マニュアルで微調整をするときも液晶モニターを拡大表示してから行なえば、目で確認しながら、しっかりと合わせることができますよ。
© OGAWA AKIYO & YUZAWA YUSUKE
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