同じシチュエーションでもフレーミングの仕方は十人十色。
フレーミング次第で、写真の見映えや見る人への伝わり方も変わります。
写真の良し悪しを決めるフレーミング。
フレーミングの仕方で、写真の上手い下手が分かれます。
コツをつかんで、見る人を引きつけるような素敵なフレーミングを目指しましょう!
フレーミングとは、目の前に見える空間を切り取ることをいいます。ファインダーや液晶を覗いた時に見える撮影範囲に何を入れるか、この良し悪しで作品の完成度が決まるので、とても重要な要素です。初心者さんの写真を拝見すると、これは何を写したかったのかな?と撮影意図の伝わりにくい作品が多々見受けられます。その要因のひとつが、写っている物が散漫で主役が判りづらいことです。フレーミングを行なうにあたって、まずは何を表現したいのかを考えてみましょう。
作例のように紫陽花のある公園に来たとします。この景色を見た時に何に心を動かされたかを考えてみましょう。紫陽花が綺麗に並ぶ様子を表現したいのであれば、奥まで続く紫陽花を活かし、広範囲でフレーミングするとよいですし、紫陽花そのものの美しさに惹かれたのであれば、綺麗な花の集合体を撮ればよいでしょう。
このように写真で何を表現したいかによって、フレーミングは変わってくるのです。同じシチュエーションで撮影しても、どこをどのように切り取るかは十人十色。何を表現したいか、どうしたら主役が引き立つのかをよく考えてフレーミングをし、「自分の作品」を作っていきましょう。
紫陽花のある公園の全体像と3パターンのフレーミング例です。引きで紫陽花並木を写したもの・綺麗な紫陽花の集合体・花のマクロの3パターンで表現してみました。
「写真は引き算」という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。余計な要素を排除してシンプルに撮ってみようということですが、初心者の方にはこれがなかなか難しいようです。よくありがちなのが目の前の物を全て入れて撮ってしまうこと。これは周りが見えていないために起こります。主役を目立たせるためには、周りの物にも注意して撮影しましょう。
例えば、動物園での撮影の場合、周りには意外と人工物が多く存在します。これらが入らないように意識してフレーミングすると、まるで野生動物を撮っているかのような写真が撮れるのです。花畑の撮影では、綺麗に咲いている花を探し、それを中心に広がる花畑を撮ってあげると、キレイに仕上がります。ただし、やみくもに広角で撮っても上手くいきません。背景に余計な物が入らないようにバランスよくフレーミングすれば、たとえ小さな花畑でも、写真ではどこまでも続く広大な花畑を表現することが可能なのです。
海で遊ぶ親子の写真は、まるで穴場のビーチのようですよね。でも実際は、夏休み中で周りには海水浴を楽しむ方々がいっぱいでした。そこで、他の人が入らないようギリギリの所で切り取ることで、貸切状態のように写すことができました。このように主役が決まったら、次は余計な物を入れずにフレーミングをしてみてください。
ひまわりの写真は、満開が過ぎた頃に小さなひまわり畑で撮ったものです。綺麗に咲き誇るひまわりの集合体を見つけ、背景の建物等が入らないようにフレーミングしたので、広大なひまわり畑で撮ったかのように見えませんか?
主役を際立たせるために、主役の全体像を入れずにフレーミングする方法もあります。例えば、料理の写真。お皿に盛りつけられた料理をどう撮れば美味しそうに見えるか?と悩むところですね。お料理をお皿の端から端まで切れないようにフレーミングしてしまうと、なんだか状況写真のようで美しさにかけます。こんなとき、主役の料理を目立たせるようにお皿の一部をかけさせてフレーミングしてあげれば、とても綺麗で美味しそうに写るのです。
また、小物を使った人物やペットの撮影でもフレーミングは大切です。こういった状況では、小物を欠けることなく全部入れ込もうとしてしまいがちですが、小物は主役を引き立たせるための脇役に過ぎないので、全てを入れる必要はありません。それから表情優先で狙うのであれば、引きで全体像を撮るよりも、顔のアップめでフレーミングしてあげるとよいでしょう。このように、その場の状況に合ったフレーミングができるようになると、撮影ももっと楽しくなりますよ。
主役が活きた写真は、どれもフレーミングが上手い写真です。どんなに良い機材を使っても、フレーミングが下手だと良い写真にはなりません。フレーミングを極めて、写真力をアップしましょう。
人物撮影では、頭の先まで入っていなければダメなんてことはありません。ときには大胆にフレーミングすれば、またいつもと違った雰囲気の写真が楽しめるはずですよ。
© OGAWA AKIYO & YUZAWA YUSUKE
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