フォトいろは - ワンランク上の水族館写真のコツ ‐水族館での写真の撮り方‐

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ワンランク上の水族館写真のコツ ‐水族館での写真の撮り方‐

水中の世界を美しく。
難易度の高い水族館写真を幻想的でキレイに撮るコツ、ご紹介します!

暗いし、ガラス越しに撮らなきゃいけないし...となかなか難易度が高い水族館での撮影。でも、いくつかのポイントをおさえれば、うっとりしてしまうような水中の世界を美しく撮ることができますよ。水族館撮影での大きな壁、「ブレ」と「写り込み」を解決して撮影を楽しみましょう♪

手持ちでもブレずに撮れる!

水族館撮影が難しいとされている一番の原因は、暗さゆえに起こる「ブレ」です。多くの水族館では三脚を使う事が禁止されていて、なおかつ魚は絶えず泳いでいるので手ブレ、被写体ブレを起こしてしまうのです。多くの方がこのブレに悩まされてきたはずですが、暗い館内でブレずに撮るための最重要ポイント...それはISO感度を高めに設定することです。

カメラによって異なりますが、ISO100~6400など任意で数字を選ぶことができます。この数字を高く設定することで高感度となり、暗い場所でも明るくブレを起こさずに撮影することが可能になるのです。ただし、ISO感度を高く設定するほど画像が荒れ、ザラザラとした質感の写真になってしまいますから、感度の上げ過ぎに注意し、撮影場所の明るさに応じてブレが起きない程度の設定にしましょう。

それだけで安心せず、手ブレが起きないようにできるだけカメラを固定して撮影することも重要です。三脚が使えない以上、頼れるのは自分の体です。脇をしっかりと締めて、シャッター時の振動を減らしましょう。近くに壁がある場合は寄りかかって体を固定するのも効果的ですよ。

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多くの水族館では三脚だけでなく、フラッシュ撮影も禁止されています。ブレを防ぐためにはISO感度の設定とカメラの固定が必須です。

写り込みをなくして自然な写真に

ブレを克服したら、次はガラスの「写り込み」対策です。天井の照明や誘導灯など、水族館には様々な光があります。これらの光がガラスに写り込んだ状態で撮影しても、美しい作品にはなりませんよね。このやっかいな写り込みをなくすには、できるだけ水槽に近づいて撮影することが有効です。水槽とレンズの間に隙間がなければ、写り込みが入ることはありません。

水槽にレンズをピッタリとくっつけるように撮影してみましょう。くっつける時に衝撃をあたえないように、ゆっくりと慎重に行なってくださいね。ただ、この方法だと写り込みはなくせるのですが、自分の正面しか撮ることができません。正面以外の絵を撮るためにレンズを水槽から少し離して撮る場合は、レンズと水槽の隙間を左手で覆うと余計な光を遮ることができますよ。慣れるまでは大変かもしれませんが、効果的な方法なので試してみてくださいね。また、水槽に近づけない場合や動きの速い魚を撮影するときは、少し離れて望遠レンズで狙ってみましょう。望遠は広角に比べて写る範囲が狭くなりますから、写り込みが入らないベストポジションを探して撮影しましょう。

それから、もうひとつ気をつけたいのは水槽の汚れ。写り込みを避けても水槽の汚れが写ってしまっては台無しです、汚れにも注意を払ってくださいね。

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自分の服装にも要注意!白などの明るい色の服は写り込みやすくなるので、黒っぽい色の服を着ていくことをおすすめします。また、映り込みを防ぐ道具として「忍者レフ」といったレンズに付けるレフ板もあります。ガラス越しの撮影に効果的なアイテムなのでお試しを。

幻想的な水中の世界を表現

水族館撮影の2つの難関「ブレ」と「写り込み」を乗り越えたら、より美しく表現する撮影に挑戦してみましょう。幻想的でキレイと感じる写真には、青色がとても美しくでています。吸い込まれるような美しく青い水中の世界を表現するには、ホワイトバランス(以下WB)を変えて調整することがポイントになってきますよ。

WBは太陽、くもり、電球などのアイコンを選んだり、色温度を変えることで設定できますが、ほとんどのカメラは初期設定ではWBがオートに設定されています。オートでもキレイに撮れていればよいのですが、見た目と違う色になってしまうことが多いのです。そんなときはWBの設定を変えましょう。青味を強くしたいときは、WBを蛍光灯や電球マークの低い色温度(3200~4000Kぐらい)に設定。逆に日陰やくもりマークの高い色温度(6000~7000K)に設定すると、赤味を強くすることができるので覚えておきましょう。撮影場所の照明の種類によって結果が異なってくるので、撮影をしながら調整してみてくださいね。

水槽によっては、水面から自然光が入ってくる作りのものもあります。降り注ぐ光の線や水泡を入れて撮ると、本当に海の中で撮ったような幻想的で美しい写真に仕上がりますよ。

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より美しい青を表現したい場合にはRAWデータを撮っておくことをおすすめします。PCでRAWデータから現像作業をすると、色温度の他に、色かぶり補正などの細かい設定ができるからです。納得のいく作品作りができるだけでなく、色温度の理解を深める手助けにもなるはずです。

© OGAWA AKIYO & YUZAWA YUSUKE

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