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望遠レンズで花びらの前後を大きくぼかしてみよう
雨に当たって赤い敷物のベンチに落ちた花びら。雨の日らしいフラットな光(直射日光などにより立体感が出ていない状態)により、花びらの質感を表現することができました。300mmのズームレンズを使い、カメラアングルを低くしたことがポイント。被写界深度(ピントが合って見える範囲)が狭くなり、主役の花びらの前後が大きくぼけて、優しい雰囲気の写真になりました。
「Last stage」orionさん
撮影データ:EOS 6D・28-300mm(焦点距離:300mm)・絞り優先AE(F7.1・1/40秒)・ISO400

小さな花びらを引き立てる背景を選んで撮ろう
小さな「花びら」に注目してみるのも桜の撮り方のひとつ。満開の桜だけではなく、散り落ちた花や花びらも題材になります。「何気ないところにも撮るべき被写体はある」という意識で、よく観察することが大切。この作品の場合、花びらについた水滴だけでなく、御影石についた水滴の模様を背景にしたことがポイント。小さくて白い花びらは、黒っぽい背景によく映えます。
「最期まで美しく」ぜんちゃんさん
撮影データ:EOS 5D Mark II・F6.3・1/80秒・+0.3補正・ISO400

花びらの動きを観察して偶然の美を写しとろう
公園の噴水に散った桜の花びらだそうです。噴水の底がブルーなので、鮮やかな色調で表現することができました。常に動いている水のゆらぎの表情を撮る場合は、散った花びらと波の反射のゆらぎがブレないように、できるだけ速いシャッタースピードを設定します。花びらの位置と水の動きによって生み出される偶然の美なので、数多くシャッターを切り、あとでイメージどおりの一枚をチョイスします。
「花弁」みのるさん
撮影データ:EOS-1D Mark IV・焦点距離:105mm・絞り優先AE(F4・1/4000秒)・ISO200
ポイントまとめ
地面に落ちた花びらには、はかない美しさがあります。満開の桜ばかりに注目が集まりがちですが、花の時期が終わりを迎えつつある時季には、ぜひ花びらに注目してみてください。きっと「発見」がありますよ。
1)望遠レンズで花びらの前後を大きくぼかしてみよう
2)小さな花びらを引き立てる背景を選んで撮ろう
3)花びらの動きを観察して偶然の美を写しとろう
解説 斎藤裕史