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形のよい冬の樹木を選んで前景に入れよう
落葉した樹木の形を写すには、冬は最高の季節です。薄ら雪の残る丘に落葉した木々が集まっているようでした。薄暮で青い東の空に冬の星々が見え始めました。日没終了の1時間後には星が見え始めます。
形のよい木立を前景に選ぶことが絵づくりのポイント。背景に散りばめた星空をねらってみても、ファンタジックな冬らしい風景になるでしょう。
撮影データ:EOS 5D Mark III・EF24-70mm F4L IS USM(焦点距離24mm)・マニュアル(F4・30秒)・ISO2000・WBオート・ソフトフィルター使用
撮影地:長野県開田高原

樹木の雪化粧はプラス補正してハイキー調で撮ろう
吹雪が一段落した木々には、新雪が化粧のように施され白無垢のような美しい姿です。あたりには霧が立ち込め、どこか妖艶な雰囲気も漂います。降雪の悪天候であっても、タイミングがよければこんなフォトジェニックなシーンも現れます。こうした場面に出会ったときには、プラス補正でハイキー表現を心がけてください。
撮影データ:EOS-1Ds Mark III・EF70-200mm F2.8L IS USM(焦点距離110mm)・絞り優先AE(F8・1/125秒)・+1補正・ISO125・WBオート
撮影地: 福島県裏磐梯

雪原のレフ板効果で、豊かに広がる樹形を写そう
雪の谷間から現れるダケカンバの巨木です。逆光気味の日差しが前景の雪面に反射し、レフ代わりになってダケカンバを照らしています。幹の雪もすっかり溶けてどこか温もりを感じさせてくれます。たくましい巨木の印象を表現するためズームの望遠側を使い太い幹をクローズアップしました。樹の全体を入れないことがポイントです。
撮影データ:EOS-1Ds Mark III・EF70-200mm F2.8L IS USM(焦点距離200mm)・絞り優先AE(F16・1/100秒)・-0.3補正・ISO100・WBオート
撮影地:長野県高山村
ポイントまとめ
冬の樹景はシンプルでねらいやすい被写体です。それぞれの種類や環境によって姿形も異なります。天候や雪の有無によっても受ける印象が異なるため、同じ樹でも違った絵柄がねらえます。「あっ、いいな」と感じたときがシャッターチャンスです。
1)形のよい冬の樹木を選んで前景に入れよう
2)樹木の雪化粧はプラス補正してハイキー調で撮ろう
3)雪原のレフ板効果で、豊かに広がる樹形を写そう
写真・解説 田中達也