冬の光/作品1

拡散する「冬の光」は日没時がシャッターチャンス

雲間に現れた日没前の太陽が湖面を照らします。オレンジ色の美しい光が広がりました。冬は空気が澄んでいますが、太陽の移動する高度が低いために大気の影響を受けやすく、光の中でも赤色光の割合が多くなります。そのため夏に比べて日没1時間前にはかなり黄色を帯びた光となり、時間の経過とともに夕焼け色が増してきます。どんな日没の光に出会えるのか、光の富む季節なので早めに撮影地に到着してチャンスを見逃さずに撮りましょう。

撮影データ:EOS-1Ds Mark III・EF70-200mm F2.8L IS USM ・EXTENDER EF1.4×III(焦点距離235mm)・絞り優先AE(F16・1/100秒)・ISO100・WB太陽光
撮影地:福島県裏磐梯

冬の光/作品2

木々に差し込む朝日の変化をつかまえて撮ろう

朝の澄んだ光が森の中に差し込みました。樹氷の枝先を透かして、まばゆくきらびやかな輝きを演出しています。太陽の光が差し込む様子は、森の中では予測がつきにくく、いつも突然の出来事です。そのため周囲が急に明るくなるタイミングがシャッターチャンスの前兆です。その兆しをキャッチしたら樹木の間に光の束がスポットで入るところをねらいます。露出は補正なしのオートでかまいません。

撮影データ:EOS-1Ds Mark III・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離24mm)・絞り優先AE(F10・1/8秒)・ISO100・WB 4950K
撮影地:北海道美瑛町

冬の光/作品3

彩雲を撮るには「−2」など極端なマイナス補正がコツ

丘に桜の木が並んでいます。その上空に現れた鉛色の雲、そして右側に虹色に見えているのが「彩雲」です。この風景は寒気の入った冬空に見られるドラマです。雲の中に入った太陽の輪郭がわかるときは、彩雲が見えるチャンス。色鮮やかな彩雲ほど露出オーバーになりやすいため、「−2」〜「−3」といった極端なマイナス補正が彩りをキャッチするコツです。

撮影データ:EOS-1Ds Mark III・EF70-200mm F2.8L IS USM(焦点距離155mm)・絞り優先AE(F14・1/1000秒)・-2補正・ISO100・WB太陽光
撮影地:北海道上富良野町

ポイントまとめ

冬は大気の変動が激しく、地上を照らす光の状態もさまざまです。また上空には氷の粒を含んだ寒気も多く飛来するため「彩雲」と呼ばれる現象が発生しやすい季節です。風景も光の演出が期待でき撮影チャンスも広がります。

1)拡散する「冬の光」は日没時がシャッターチャンス

2)木々に差し込む朝日の変化をつかまえて撮ろう

3)彩雲を撮るには「−2」など極端なマイナス補正がコツ

写真・解説 田中達也

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