ポピー作品1

まばらに咲く花のすき間を目立たせずに撮ろう

ポピーの数は多くはありませんが、一面のお花畑。春らしい光景に出合ったときの撮り方は、晴れた日であれば青空を生かしましょう。白い花の中にオレンジ色など赤系のポピーがあればアクセントになってくれます。ややワイドな画角で、お花畑、林、雲、青空の配分を考えて構図を整えます。このように広めの画角でねらう場合は足元ではなく、少し先からの風景を入れるようにします。あまりカメラに近い足元から撮ってしまうと、花と花のすき間が目立ってしまうからです。

EOS 5D Mark II・EF24-105mm F4L IS USM(焦点距離:32mm)・絞り優先AE(F11・1/180秒)・-1/2補正・ISO200・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

ポピー作品2

美しいと感じるポイントにピントを合わせて絵づくりしよう

花をマクロレンズでとらえる場合、どんな花でもピントをシベに合わせて撮りがちです。公式のように花のシベにピントを合わせるのではなく、美しいと感じたところにピントを合わせてみましょう。この写真では、ピントはシベではなく花びらの先端のラインに合わせたことで、シベは黄色いボケになってくれました。
また、マクロ撮影において揺れは大敵。被写体ブレだけでなく、ピントを合わせた位置がわずかにずれるだけでピンボケになってしまいます。慎重に合わせるべき位置にピントを合わせ、動きが止まる「一瞬」を待ってシャッターを切ります。

EOS 5D Mark II・EF180mm F3.5L マクロ USM(焦点距離:180mm)・絞り優先AE(F3.5・1/90秒)・+1補正・ISO200・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:スタンダード

ポピー作品3

ポピーの細く長い茎は「前ボケ」でカバーしよう

ポピーの花をアップで撮るときは、主役の花の前後にある花を「前ボケ」「後ボケ」として入れてみましょう。ポピーは茎が比較的長い花なので、根元から写すと写真が間延びしてしまいがちです。しかし、画面から茎をカットしてしまうと花だけが窮屈な印象になってしまうので、前ボケを入れて間延び感をトーンダウンさせることができます。
私なら、ポピー畑の柵越しにレンズの最短撮影距離(このレンズの場合は1.2m)から2mぐらいまでの範囲に咲いている花に注目します。柵に沿って平行移動しながら絵になるポピーを探し、いい花を見つけたらカメラアングルを下げ、きれいな前ボケを作りましょう。

EOS 5D Mark III・EF300mm F2.8L IS II USM(焦点距離:300mm)・絞り優先AE(F2.8・1/750秒)・+1補正・ISO200・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

ポイントまとめ

細く長い茎が特徴のポピーは、赤やオレンジ、白、黄色など濃淡の差がある花の群生が楽しめる被写体です。風の影響を受けやすいので、無風で静止しているときをねらって、マクロ撮影に挑戦してみてください。直射日光が当たってしまうと色が出しにくい場合があるので、曇天に撮影するとよいでしょう。

1)まばらに咲く花のすき間を目立たせずに撮ろう

2)美しいと感じるポイントにピントを合わせて絵づくりしよう

3)ポピーの細く長い茎は「前ボケ」でカバーしよう

写真・解説 斎藤裕史

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