菜の花作品1

青空を生かして菜の花の丘を見上げるように切りとる

晴れて天気がいい日は、菜の花の丘を下から見上げるように切りとってみましょう。空と菜の花で画面を二分割するときは、上下に分割するのではなく、できるだけ対角線で分割する構図にすると変化がつきます。
空に小さく浮かぶ雲はアクセントに取り入れます。こんなふうに青空を生かすときのポイントは、「順光」で菜の花にも光が当たっていることです。画面の中が青空であっても、時折、雲が太陽を遮り、菜の花が影になる場合があります。そのようなときは画面に明暗差ができてしまうので、太陽が顔を出すまで待ちます。

EOS 5D・EF28-70mm F2.8L USM(焦点距離:53mm)・絞り優先AE(F11・1/45秒)・ISO100・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

菜の花作品2

菜の花畑を見下ろして花の「密集感」を表現する

休耕田の畔(あぜ)にカーブを描く菜の花を見かけたら、小高い丘からねらってみましょう。やや高いところから見下ろすことで、そのラインを効果的に表現できるとともに、望遠レンズの視覚的「圧縮効果」で菜の花の密度が増します。曇天の柔らかい光が、春の菜の花畑を優しく表現してくれました。
実は画面の下(手前)には菜の花の「終わり」が見えてしまっています。そこで、レンズのそばの菜の花を「前ボケ」に利用。前ボケは距離感、雰囲気を表現できるほか、写ってほしくない欠点やアラを隠してくれる「名脇役」でもあるのです。

EOS 5D Mark III・EF70-200mm F2.8L IS II USM・EXTENDER EF1.4×III(焦点距離:280mm)・絞り優先AE(F9.5・1/30秒)・ISO200・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

菜の花作品3

明暗のコントラストで「光」の存在を引き立てよう

太陽の位置が低い朝夕の時間帯は、菜の花畑の影を利用してみましょう。光が当たった部分と日影の部分のコントラストが高くなるためメリハリのある写真になります。
黒い(暗い)部分は「無駄な空間」ではなく、光が当たっている菜の花を引き立てる「意味のある空間」です。画面の中に影の部分を多くすれば、光の当たっている部分が印象的に。太陽の動きは思っているより速いため、素早く構図を決めて撮影しましょう。明暗の割合が変わって構図が崩れてしまいます。画面の中の影の部分が多くなるほどマイナス補正値を多めにするとよいでしょう。

EOS 5D Mark II・EF70-200mm F2.8L IS II USM(焦点距離:102mm)・絞り優先AE(F16・1/45秒)・-1補正・ISO200・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

ポイントまとめ

菜の花は、黄色が鮮やかで実に春らしい花です。マクロレンズで接近するとか、アップでねらうよりも、やや引き気味に風景的にとらえると効果的な花だと私は思います。天気が良ければ青空を生かします。どのような春の被写体でもねらい方は同じです。

1)青空を生かして菜の花の丘を見上げるように切りとる

2)菜の花畑を見下ろして花の「密集感」を表現する

3)明暗のコントラストで「光」の存在を引き立てよう

写真・解説 斎藤裕史

他にもさまざまな被写体の撮り方のコツをご紹介しています!

その他にも、さまざまなコンテンツが満載!

キヤノンイメージゲートウェイ TOPへ