藤作品1

藤棚の花の部分だけを望遠レンズで切りとろう

全国的に5月上旬〜中旬ごろに盛りを迎えるフジの花。公園などの藤棚に咲くフジの多くは園芸品種です。いかにして自然に咲いた花のようにとらえるか考えると、人工的な藤棚の構造部分は画面に入れたくないものです。花からは離れて望遠レンズを使い、藤棚の外に咲いている部分を切りとります。望遠レンズならではの視覚的な「圧縮効果」によって密度感を表現できるでしょう。

EOS 5D Mark III・EF70-200mm F2.8L IS II USM(焦点距離:200mm)・絞り優先AE(F8・1/60秒)・ISO400・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:スタンダード

藤作品2

直射日光と日影の「明暗差」をコントロールして撮ろう

直射日光が差し込む藤棚は、木漏れ日でまだら模様になってしまうため、きれいに表現するのは困難です。その問題を解決するキーワードは「配置」。この写真の背景に写っている紫のフジは、実は藤棚の中ではなく外側に咲いているものです。明暗差のある「暗い中の淡色(白)」と「明るい中の濃色(紫)」の両者を一つの画面に配置することによって、白いフジと紫のフジを優しい色合いで表現できます。やや強めのプラス補正で明暗差のバランスを整えるとよいでしょう。

EOS 5D Mark III・EF300mm F2.8L IS II USM(焦点距離:300mm)・絞り優先AE(F2.8・1/350秒)・+1 1/2補正・ISO200・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

藤作品3

大胆かつ独創的なカメラアングルを探して撮ろう

ひと房のフジの花を真下から見上げて(カメラは90度真上向きで)撮影してみましょう。EF70-200mm F2.8L IS II USMのボケ味を生かすため最短撮影距離で撮影。地面ギリギリからフジの花を見上げるのは、とてもきつい体勢です。ピントは一番手前(房の一番下)の花びらの黄色い部分に合わせました。大胆な発想で独創的なカメラアングルを発見できれば勝負アリ。いつもそんな「宝物探し」の感覚で撮影を楽しみましょう。

EOS 5D Mark IV・EF70-200mm F2.8L IS II USM・EXTENDER EF1.4×III(焦点距離:280mm)・+2補正・ISO400・ホワイトバランス:太陽光・ピクチャースタイル:風景

ポイントまとめ

超広角レンズを使って藤棚の下から撮りたくなる気持ちはわかりますが、ほかの見物客や藤棚の構造部分まで写ってしまうのが難しいところ。フジの美しさだけを表現するなら、今回紹介したように望遠レンズを駆使した「切りとり」の撮り方がおすすめです。

1)藤棚の花の部分だけを望遠レンズで切りとろう

2)直射日光と日影の「明暗差」をコントロールして撮ろう

3)独創的なカメラアングルを探して撮ろう

写真・解説 斎藤裕史

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