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桜の花は明るいのでプラスの露出補正で撮ろう
お花見の時季、一枚一枚の花びらではなく、花そのものがポトリと地面に落ちているのを見かけたことはありませか? その犯人はスズメです。くちばしで器用に花をちぎり取り、蜜をなめて下に落とすのです。花をくわえている姿は絵になります。満開になると姿が隠れてしまうので、3~5分咲きごろがねらい目。花が明るいので露出はプラス側に補正しておくとよいでしょう。
EOS 7D・EF500mm F4L IS USM(焦点距離:800mm)・F5.6・1/640秒・ISO200

巣立ち雛のあどけない姿は、まずは距離を置いて観察してみよう
5月下旬になると、スズメの巣立ち雛が見られるようになります。黄色いくちばしとあどけない顔はとてもかわいいものです。公園の茂みなどで見つけたら驚かせないように望遠レンズを使います。暗いときは近くにある木や杭にレンズを押し付けると、三脚なしでも手ブレが抑えられます。親鳥がヒナへ給餌に現れたら親子の顔の位置に注意し、かわいいシーンをねらってみましょう。
EOS 7D Mark II・EF500mm F4L IS II USM(焦点距離:800mm)・F5.6・1/320秒・ISO1600

冬のスズメの群れは、すっきりと背景を整理して撮ろう
寒さが厳しくなる1~2月は、スズメの群れに注目してみましょう。とくに寒い朝は身体の羽毛を膨らませ、まん丸になるのでかわいい姿に。葉の落ちた枝に群れがとまると、丸いスズメの実がなっているようにも見えます。背景から距離がある木の枝だと、バックがすっきりとしてスズメが浮き立ちます。背景を大きくぼかしたいので絞りは開放か、開放から1段絞るぐらいまでにするとよいでしょう。
EOS 5D Mark III・EF500mm F4L IS II USM・EXTENDER EF1.4×III(焦点距離:700mm)・F5.6・1/200秒・ISO400
ポイントまとめ
スズメを知らない人はいないでしょう。でも、じつは撮影が難しい野鳥です。住宅地にもいますが警戒心が強いので、公園のスズメをねらうとよいでしょう。よく観察することで、いままで知らなかったスズメの世界が広がるはず。あまりアップで撮ると小さな目がきつく見えるので、周りの環境をとり入れた「スズメのいる風景」を意識するとよいでしょう。
1)桜の花は明るいのでプラスの露出補正で撮ろう
2)巣立ち雛のあどけない姿は、まずは距離を置いて観察してみよう
3)冬のスズメの群れは、すっきりと背景を整理して撮ろう
写真・解説 戸塚学